筋肉の天日干し

chomocho@処女作執筆中

身体強化の魔法




「うおおお!!!漲ってきた!こうか!?こうだな!」




 これが、身体強化の……魔法か!


 正直なとこ魔法ってのは良くわからねぇ。


 オレ様は考えるのが苦手だし、細かい事も苦手だ。


 だが、兄貴の……いや、今は師匠か。師匠の稽古は分かりやすくてイイぜ!魔法の暴発を恐れずに、ガンガン使いまくって体で覚えろって言われたからな!


 強化魔法を使うって強く意識した時、オレ様はピンときた。使おうとすると、体の中が何かムズムズするんだよな。


 それは、オレ様が知っている感覚だった。


 冒険者稼業で魔物と戦ってる時、そん時でも、絶好調に調子が良い時に感じる感覚に近い。


 思いっきり力を込めて魔物をぶった切る。毎回じゃないが調子の良い時ってのは、必ず筋肉がムズムズすんだ。


 仲間にその話をしてみたら、お前の話しはよく判らんって言われて終わりだったけどな。


 それで、筋肉がムズムズする瞬間ってのが他にも有る。それはお天道様の光を浴びてる時だ。


 いつでも、どこでもって訳じゃねぇ。魔物狩りに出掛けた時の飯休憩で休んでる時とか、気持ちの良い陽の当たる場所で昼寝してる時とかだ。




 だからオレ様は閃いた!




「なぁ、ヴァンチョーダ。それ何やってるんだ?」


「おう兄貴!筋肉の天日干しだぜ!」


 見たら判るだろ?オレ様は今、筋肉の天日干し中だ!


「それにどんな効果が?」


「ムズムズを感じるのさ!」


 上半身の服を脱いで、陽の光が当たる場所で目を閉じムズムズをよく感じ取る。そうすれば身体強化魔法の上達に繋がるって寸法よ!


 稽古の合間、休憩しながらでも出来る修行だから時間を無駄にする事も無ぇ!


 オレ様は馬鹿だから細かい事は分からねぇが、オレ様の勘は良く当たるからな。きっと間違い無いぜ。


 強化魔法を会得したいなら皆もやってみてくれ。オレ様ヴァンチョーダのオススメだ!


「ムズムズって……。ヴァンチョーダ、お前もしかして日光アレルギーじゃね?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

筋肉の天日干し chomocho@処女作執筆中 @chomocho

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ