編集済
源公子さん、こんばんは!
ようやく最後まで読むことが出来ました。私のために作ってくださった物語なのに、遅くなってしまって本当にごめんなさい!
小気味良いテンポで展開して行く物語にぐんぐん引き込まれとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。エピローグも見事です。ホームズさんのキャラはさることながら、フィフ君や若きモリアーティの他にはない個性に拍手を贈らせてください。
フィフ君はビオラちゃんに一等好かれていましたが、それはよく分かります。頭が良くて、明るくて、シャッキリしていて、親切で、動物に優しくて……。単なるワトソン先生のコピーではない、フィフ君だからこその良さがあると言うか……上手く言えませんが、彼がとても好きになりました。私の所のリーハと同年代だからということもあるかもしれませんが、凄く好きです。(フィフ君んの方がリーハよりも頭が良いですね)
ビオラちゃんが「オヨメニ モラッテ ヤルッテ イッタ。 イッシヨウ ダイジニスルッテ」と言いながら泣き出してしまったシーンと、「オオキクナーレ ハヤク フィフニ ナーレ」と歌いながらワトソンJrと遊んでいるシーンは、本当に良いなあと思いました。うんうん、そうだよねって。ビオラちゃんがかわいくてぎゅっと抱きしめたくなります。
源さんの解釈によるモリアーティの過去や、「善」となった若きモリアーティの自身との対決シーンはグッと心を掴まれました。どうしてこんなのが書けるんですか!源さんの創造力には頭が下がります。
「善」ではあってもモリアーティはモリアーティなシーン(天使の輪の作り方を教えた後に銃を出す所)、妙にときめいてしまいました。(変な感想ですみません。彼の闇を垣間見て嬉しいと思うのは私の心が歪んでいるからでしょうか)
私は今までモリアーティという人物があまり好きではなかったのです。
原作や今までに観た映画やドラマでは「品のある悪人」「自己破壊的な狂人」としてしか描かれていなかったので無理もありませんが。(「憂国のモリアーティ」という漫画もありますが、その中でのモリさんのキャラはちょうどDAYSのシャロさんと同じくらい原作とはかけ離れていて、とても同一人物には見えんのです。好きですけども)
しかし、この作品の若きモリアーティさんにはやられました。この少ない文字数の中に彼という人間を奥底まで(しかもその先を想像させる形で)描くなんて天才ですね。ニヤリとする楽しいシーンがあるかと思えば、突然ヒヤリとするシーンを突き付けられる、心情描写の面から見ても本当に巧みなプロットだと思いました。「タイムリープ」という設定の面白さも十分発揮されていますし!凄いです!
「生まれ変わって自分のワトソンを見つける」——若きモリアーティの願いが叶って(まだ半分ですけども、いつかきっと)本当に良かったと思います。ホッと胸を撫で下ろしました。彼自身との対決の結果である“沈みゆくモリアーティが私を見た、その顔は泣いてるように見えた”という一文は、仕方がないとは言え悲しく、胸に刺さっていたので……。
どこかのんびりしているフェアリー・ゴット・マザーやビオラちゃんのお二人にも感謝の意を述べさせてください。「彼女らの天真爛漫さに振り回され当惑するホームズさん」という構図はとても面白かったです。特に笑ったのは城内での戦いの時のマザーのセリフ「きゃー、あれマイセンのブルーオニオンよ。いくらすると思ってるのよー!」でした(爆)それどころじゃないのにって!
「魔法の国のシャーロック・ホームズ」はパスティーシュであるとは言え、源さんの才能と個性が光る素晴らしい作品だと思いました。これは書籍化されるべきですよ……。本になったらもっと多くの人に読まれるのに、どうしたら良いんでしょうかね。
そして、こんなにもお待たせしてしまった身でこれを言うのはとても気まずいし馬鹿みたいなのですが……。あとがきにあるアイディアもいつか書いて頂きたいなって……。読みたいと思いました。あの、決してお世辞で言っているわけではないです。今日ようやく纏まった時間を取れて、最初から読んで、本当に面白いなとこの作品に感動したのです。シリーズが永遠であって欲しいと思ったのです。(今更何言ってんだよ馬鹿野郎と殴ってください私を)本当にごめんなさい!「それならもっと早く読めよ」という話ですよね!ごめんなさい!
追伸
レビューも後日書かせて頂きます!必ず!
作者からの返信
何故か今日になって、返信が打てる様になりました。(神の悪戯か?)これは、彼方のために書いたと同時に、初めてカクヨムの読み手を意識して書いた作品です。私は、66歳、貴女は22歳。ジェネレーションギャップがありすぎる。基本の常識と価値観、感じ方、生きて経験してきた環境と歴史が。
それを踏まえた上で、22歳の貴女が喜ぶ作品を書く。データーは貴女の作品と、過去のコメント文だけ。嫌われる要素を全て削除して、“好き”のツボを私の過去のデーターから推測する。その上での「かわいいモリアーティ」の創造、成功しました。多分こんなモリアーティ誰も書かなかったと思います。
2人の年齢、ホームズ50歳・モリアーティ17歳。これってお父さんと息子の歳なんです。思春期の子供が、お父さんの本音が知りたくて、ぎこちなく話してる感じ。そして、思春期特有の高いプライド。「俺は可哀想(負け犬)なんかじゃない、お前を殺せるんだぞ」そして完璧主義、自分の僅かの欠点も許せない。自分が嫌で嫌でしょうがない、それこそ殺してしまいたいほど……(「ドリアングレイの肖像」のイメージを掴んだ時は狂気乱舞いたしました)そして、そんな自分をもう1人の自分が俯瞰して見ている。(メタ認知)「ああこのまま生きていけば、俺は間違いなく“未来の俺”になってしまう」ゾッとする未来しか自分にはない。フィフやマザーや、ホームズさんの側に行くことは決してない。
「ねえ、ホームズさん、あいつのこと思い出したりした?」このシーン私の頭の絵コンテ中では、ホームズの温かい背中に完全にもたれかかって、満月を見上げながらポツリと小さな声で聞くのね。そしてホームズが気にかけてくれてたのを知って「良かった、片想いじゃなかったんだ」と、ホッとする。モリアーティは、負け犬男が本当は大好きだったのね。それがホームズさんと重なって、あの天使の輪っかの話になる。そして、それを裏切る銃の出現。それが間違いなく自分の本性なんだと言う自覚。その中にまだ少しだけ残っていた純粋なもの。(多分モリアーティは、この時自分の死を覚悟してました)それらが、自分との対決で「俺はお前が大っ嫌いだ、死んじまえ」になる。銃を撃つということはせず、(暴力ではなく、それを放棄した火薬の匂いのする手で)言葉で(心で)殺すのです。まあ、こんな感じでモリアーティ君は生まれました。筆が早い私が、モリアーティの過去のところで、三日も筆が止まってのたうち回った。(なにしろ原典の資料が少なすぎる)「生まれたての赤ちゃんの時から犯罪王だったわけでもあるまい。何かそうなる訳があったはずだ」から出発して、なんとか「かわいいモリアーティ」に仕上げられました。その後力尽きて、5日寝込みました。小説は、人物の内面感情を延々と書いたりするでしょう?でも、漫画は基本的に外側の事象(キャラクターの動き、セリフのみ)であらゆることを表現します。見えない内面をそれで感じさせなくてはならない。それを補助する絵が描けないのに、文章にする。そこに文章が第二言語な私の苦しみがあります。頭の中のネーム(絵コンテ)を文章に起こすので精一杯だから、長く書くのが苦手で話があらすじになってしまう。アイデアや、プロット、キャラクターを描けても、文章は書けない。ウッキー!なのです。本当にやっとやっと書いてるんですよ。だからしんどくてもう辞めようと思ったんだけどね……。
編集済
遅くなりましたが、全体の感想を書かせていただきます。
まず、ホームズの二次創作ではあるものの、独自性、作家性が出た素晴らしい作品だと思います。
こう言うと失礼ですが、前作よりも遥かに良いです。
ホームズ+童話のチャーミングさ(ここまでは前作からあるものです)に加えて、ヤング・モリアーティ(ややこしいけどこの名称でいきます)の危うさ、その上でのヤングとホームズ、フィフとの絆……
前作を砂糖たっぷりの甘ったるい紅茶とすれば、今回は甘さだけでなくスパイスの刺激とアルコールの酔いが加わったような作品。全く別次元の良作です(と言うとやっぱり失礼なのですけれど)。
苦労なされた甲斐はあると思います。
創作について、様々な考え方はあると思いますが。やはり、「キャラクター」は大事です。「あの俳優が出るならその映画見るわ」みたいに「このキャラが出るならこの新作読むわ」ぐらいの魅力を持ったキャラがいれば、大きな武器になる(というか、ストーリーさえそのキャラが作ってくれる)。
ヤングは――その相方としてのフィフも――、充分にその実力を備えたキャラだと思います。
あるゲームではキャラの在り方を「善・中立・悪」ではなく「秩序・中立・混沌」で表すのですが。
元のモリアーティは混沌、ヤングは「混沌寄りの中立」。
元のワトソンは秩序、フィフは「秩序寄りの中立」。
ホームズは……変な薬やったり誉められない所もあるので「混沌寄りだったり秩序寄りだったりの中立」な気がします。
まあ、要はヤングの「善にも悪にも染まり得る上に気ままな混沌寄りのキャラ」って……「どんな展開につなげても美味しいキャラ」ですよ! これはメチャクチャ美味しい!
さらには「そこに上手い事ブレーキをかけられそうなフィフ」「敵とも味方ともなり得る、危うい位置にいるホームズ」……危ういがゆえに素晴らしい関係性です(「関係性」に尊さを見出すオタクも結構な割合でいるのです)!
個人的には、ヤング・モリアーティはメインかキーパーソンに据えて掘り下げるべき鉱脈かと思いますが……もちろんそうして欲しいとは言いません。ただ、彼を使うか彼のようなキャラを新たに作るかすれば、非常な魅力ある武器になると思います。
ヤングの、ホームズにもモリアーティにも複雑な感情を抱きつつ一歩引いたシニカルな目線。ホームズに煙の輪の作り方を教わって喜ぶ無邪気な一面と、あくどい手も辞さない冷徹な一面。それが無理なく同居しているのが素晴らしいです。
ただ、文章に関しては大いに苦言を呈したいところではありますが……近況ノートを見れば、ご自分で様々な試みを計画しているご様子。ここではあえてアドバイスは差し控えておきます。
長くなりましたがひとまずこれで。
お時間がありましたら私の作品も、短いやつでも見ていただければ(コメントは結構です)幸甚、幸甚。
作者からの返信
庭仕事が始まり、お返事遅れてすいません。(今日は外は雨)まず、最後まできちんと読んでくださったのに感謝。キャラクターの関係性なんて、考えたこともなかった。フィフ(善)ヤングモリアーティ(悪)ホームズ(中間)三人とも、自分の本来の世界から魔法の国に投げ出されて、よって立つ基準が定まらない混乱した中での、ほんのひとときの関係性(たった一日)のお話でした。
勉強になったのは、シャーロックさんの女性目線のコメント(甘い紅茶。マザー、ビオラにも触れています)と、男性目線の望太郎さんの男性視点コメント(スパイスとアルコール。男性キャラにしか触れていない)のちがいでした。
なのに、お二方とも「ヤングモリアーティとフィフが良い」。真逆の視点から見て、意見が一致するなんてビックリ。モリアーティの方は苦労したし、自分でも気に入ってますが、「真面目で一生懸命な良い子」とだけ考えてたフィフが支持されたのに驚いた。他人には、私に見えてないものが見えてるんだと痛感。
文体については、「わかりやすく、読みやすければOK」で通してきましたが、読み返すと「これじゃあらすじだ」と凹むのです。新しい近況にも書きましたが、本当は何とかしないととずーっと思っていた。でも、取っ掛かりがなくて手がつけられなかったのです。「目標」と定めてしまえば猪突猛進、できるまでやってしまうタチなので、何年かかるか分からないけど、まあ何とかなるだろ。
ところで、望太郎さんの作品を読もうとして、カクヨムの検索で作者名を打ち込んでも、作品出てこない。タイトルを打ち込むと、出てくる(?)なので、お気に入りの短編のタイトルを一つ教えてください。今はいろんな文体が読みたいのです。夏の間は庭と畑が忙しいので、あまり書けないので、ともかくたくさんいろんな文を読みまくるつもりです。