大文字伝子が行く114

クライングフリーマン

大文字伝子が行く114

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。

 大文字学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。

 斉藤理事官・・・EITO創設者で、司令官。

 一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」と呼ばれている。

 久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。

 草薙あきら・・・警察庁情報課からのEITO出向。民間登用。ホワイトハッカー。

 金森和子二曹・・・空自からのEITO出向。

 増田はるか三等海尉・・・海自からのEITO出向。

 馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。

 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。

 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。

 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。

 新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。

 結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。

 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。

 日向さやか(ひなたさやか)一佐・・空自からのEITO出向。

 飯星満里奈・・・元陸自看護官。EITO準隊員。

 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。投げ縄を得意とする。

 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITO準隊員。

 本郷弥生2等陸佐・・・陸自からのEITO出向。

 久保田管理官・・・EITO前指揮官。あつこと結婚した久保田警部補の叔父。

 夏目警視正・・・警視庁副総監の直属。斉藤理事官(司令官)の代理。

 青山たかし・・・愛宕の上司だったが、退職。後に、EITOエレガントボーイの一員となる。EITO準隊員。

 大文字綾子・・・大文字伝子の母。伝子は時々「クソババア」と呼ぶ。

 藤井康子・・・伝子マンションの隣に住む。料理教室経営者。

 中津敬一警部補・・・警視庁捜査一課刑事。久保田警部補と同期。EITOと協力関係にある。

 橋爪警部補・・・元島之内署の警部補。丸髷署生活安全課に転勤。署長命令で、EITOと協力関係にある。


 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO精鋭部隊である。==

 =エレガントボーイズとは男性の、エマージェンシーガールズ支援部隊である。=


 午前9時。丸髷署。第一取調室。

 署長が、取り調べを行っている。みちるが書記を担当している。

 「はい。私は、丸髷署署長の白藤と言います。あなたのお名前は、えーと。黒田重二。偶然ですねえ、私の、亡くなった親友も黒田って言うんです。白藤と黒田で白黒コンビって、よく言われましたねえ。インターネットの募集で応募して、野口元総理をナイフで脅したんですね。何故でしょう?」

 「政権交代があったでしょう?」「ありましたねえ。」「東日本大震災があったでしょう?」

 「ありましたねえ。津波で流されてねえ。」「実家は流された地域だったんです。」

 「それは、お気の毒に。実家は無くなっちゃった訳ですね。」「ローンも途中だったのに、復興復興って言って、増税したんです。東京に出て働けど働けど・・・苦しいばかりで。」「その時にインターネットの募集を見たんですね。何て書いてありましたか?」

 「強盗ごっこをして、憂さ晴らしして見ませんか。これはシークレットオーディションです。参加して頂いた方には、漏れなく2万円差し上げます。演技が上手かった人には、後金3万円、差し上げます。詰まり、合計5万円貰えるアルバイトです。俳優経験無くてもオッケーです。撮影は隠しカメラで行います。当日誓約書を書いた上で、簡単な台本を渡します。台詞はアドリブがオッケーです。途中までは、係の者が案内します。こんな感じです。」

 「その文章はパソコンに保存してありますか?」「『家を出る前に破棄して下さい』と書いていましたが、私は少し寝坊をしたので、慌てて出たので、忘れてしまいました。」

 「パソコンのパスワードは?」「パソコンにメモを貼り付けてあります。」

 署長は、みちるに頷き、みちるは、部屋の鏡に頷いた。

隣の監視室には、久保田警部補、愛宕、橋爪警部補が控えている。

 監視室。

 久保田は、愛宕と橋爪警部補に「すぐ、ヤサに向かって下さい。」と、言った。

 2人は慌ただしく出て行った。

 第一取調室。

 「それで、どうだったの?」「インターネットで見た通りでした。ナイフと拳銃どちらがいい?と係員さんに尋ねられました。どうせオモチャだろうとは思いましたが、拳銃は怖いので、ナイフを受け取りました。予備の部屋を通って、私も相棒も部屋に入ってびっくりしました。そこに元総理がいたからです。でも、総理が承知の上だと判断して台詞をしゃべって、ナイフを総理に突きつけました。すると、また驚くことがありました。エマージェンシーガールズが出てきたから。私は実はライブ会場でマフィアと闘うエマージェンシーガールズを見たことがあったんです。捕まって、悟りました。利用されたんだ、と。」

 「気の毒だったねえ。残念ながら、銃刀法不法所持とテロ準備罪は免れないね。ただ、情状酌量の余地はある。裁判の時は、私も証人に立つよ。」と、署長は慰めた。

取り調べは1時間位で終った。既に愛宕によって、「人体確認」は済んでいたが、詳細を聞き出すため、署長自らの取り調べを行ったのである。

 愛宕の車。

 運転をしながら、橋爪警部補は言った。「流石、鬼の白藤、仏の黒田。」

 「え?」「黒田っていうのは、あの被疑者のことじゃなくて、昔署長が相棒組んでた警察官の名前です。」「えと。反対じゃありません?いい刑事と悪い刑事の役割ですよね。」

 「今の署長の取り調べは、黒田さんの取り調べ方を署長が真似したんだと思います。どんな頑固な被疑者も2人がかりで落としたそうです。」

 「橋爪さん。」「何でしょう?警部。」「僕の前だけでも敬語止めません?」「何故でしょう?」「年上だし、キャリア上だし。最初の頃みたいに愛宕君って呼んで欲しいです。」「命令なら、そうします。」「命令です。」「了解しました。ああ、そうだ。久保田警部補は昇格試験受けないんですか?忙しいからかな。私なんか、もう定年近いから出世欲みたいのないけど。」「受けないんです。久保田管理官は出世して欲しいけど。きっと、大文字先輩と高遠さんを見て影響を受けているんだと思います。」「つまり、パートナーを立てているということですか?あ。立てているって言うの?」

 「そういうことです。健太郎君も生まれたことだし。出来れば育休取りたいところでしょうね。子煩悩みたいだし。」

 午後1時。EITO秘密基地。臨時会議室。

 マルチディスプレイのメイン画面で理事官は言った。

 「ざっと、こんな感じだったらしい、丸髷署の取り調べは。渥美署の結城警部の取調室でも同じような結果だった。ナイフと拳銃の違いだけだね。詰まり、外山元総理も『素人』に襲われた訳だ。正確に言うと、『闇頭巾の手下に手引きされた素人』だ。ところが、阿寒元総理の場合は違った。議員達と一緒だから複数には違いなかったが、相手は隙だらけだ。素人だって狙うことが出来た。久保田管理官が警視庁で取り調べした時、発砲した奴に手刀を頭上から降ろしたらしい。奴は見事に交わしたそうだ。」

 「阿寒元総理は初めから『プロ』に狙われた、ということですね。」と画面の端から高遠が言った。

 「そうだ。正に高遠君の危惧が当たった。奴は暴発だ、誤射だ、欺されたんだ、と主張した。先ほどの話を知らないのにだ。」

 理事官の話を受け取って、伝子は、「阿寒元総理が本命だった。後の二人は、目潰しか。素人の人数が足りなかったと考えるより、初めから狙ったと解釈する方が合理的だ。」と、言った。

 横で聞いていた夏目は、「私も、そう思います。我々は、色んな意味で試されているのかも知れない。記者会見の時のスパイも織り込み済みかも知れない。他の記者に衝撃的かも知れないが、微罪だ。今回は凶器を持っていなかったし、私を狙わなかったから、せいぜい公務執行妨害だ。」と、言った。

 「で、これから、どうするね、アナザー・インテリジェンス。当たって砕けろの予言でもあるかね?」理事官は、からかうように言った。

 だが、高遠は言った。「はい。有名どころの神社仏閣を警護しましょう。」

 「ええ?」全員が言った。

 「奴らの一番の得意技で、一番の失敗例が多いのが、『意外性』です。要人警護を強化すれば、奴らの思う壺です。」理事官は唸った。

 「分かった。草薙。至急狙われそうな神社仏閣を洗い出せ。フォロー仕切れない場合もあるが、その場合は仕方が無い。とにかく、前へ進もうじゃないか。」

 「アンバサダー。解散するかね?」と、夏目は伝子に尋ねた。

 「個々人の判断に任せます。休養する者は休養、トレーニングする者はトレーニングを行う。これで、どうですか?」伝子は尋ね返した。

 「ああ、そう言えば、ベースワンの方が先に修復活動する。来週からだが。じゃ、解散しましょう。」

 午後3時。伝子のマンション。

 煎餅を食べながら、伝子は高遠と綾子と藤井の雑談を聞き流していた。作戦を考えていたのである。

 「心配かい?」と、優しく尋ねたのは綾子だった。

 「ん?何で?」「想像力満開の時の顔をしていたから。」「そう?」

 伝子は、洗面所に顔を洗いに行った。

 戻ると、「帰るわ、伝子。夕方からシフトなの。」「あ、そう。」綾子は帰っていった。

 「じゃ、私も夕飯と明日の仕込みしなくちゃいけないし。」と、藤井は帰っていった。

 伝子は、高遠の膝枕で居眠りを始めた。

 午後5時。

 EITO秘密基地から高遠宛に草薙からメールが送られて来た。


 1.浅草寺・・・台東区浅草

 2.明治神宮・・・渋谷区代々木

 3.増上寺・・・港区芝公園

 4.根津神社・・・文京区根津

 5.泉岳寺・・・港区高輪

 6.住吉神社・・・中央区佃

 7.靖国神社・・・千代田区九段

 8.築地本願寺・・・中央区築地

 9.浅間神社・・・豊島区高松

 10.日枝神社・・・清瀬市中清瀬


 「伝子、見てー。」高遠が呼ぶと、伝子が高遠のPCの側にやって来た。

 「複数の旅行案内から重複する神社仏閣の『ベスト10』がこれだ。」

 「成程。しかし、ホームズ。僕はまだ君から神社仏閣が狙われる理由を聞いていないぞ。」と、伝子は声色を使って高遠に尋ねた。

 「簡単だよ、ワトソン君。那珂国マフィアは、とにかく日本が日本らしく無くなるのを狙っているからさ。オコルワナ共和国を攻めるオトロシアのように、武力で制覇するのは簡単だが、アメリカと前面戦争は避けられない。だから、シロアリのように浸食して行こうとする。日本は弱い国だ。『国力が低い』、そんなイメージを世界に広げたいから、あらゆる『姑息』な手段を使う。世界文化遺産を狙うのは、警備が厚いからリスクが高い。そっちを狙う位なら、首都東京の色んな施設をこの際狙ってやろう、という訳だ。日本人は基本的には信心深い。正月3が日に初詣に行くのは、誰にも強要されない年中行事だ。那珂国と違って、正月意外にも機会があればお参りする。外国人観光客も、必ずと言っていい程どこかの神社仏閣にお参りする。」

 「分かった、ホームズ。しかし、何故今なんだ?」「実は、時期の理由はない。今まで狙うかも知れない可能性で考えたことがあるだけ。お宝的知恵でもない。」

 「お前ナア。私の立場も考えろよ。『主人が何となく思ったものですから』なんて言えないぞ。」と、伝子は口を歪めて言った。

 「『主人が何となく思ったものですから』なんて言えないぞ。」綾子だった。

振り返ると、やはり綾子だった。「真似するなよ、くそババア。帰ったんじゃなかったのかよ。」「シフトが変わったのよ。」

 「高遠さんは、敵がネタ切れの時に考えるだろうアイディアを予測したのよね。大したものだわ。その『コント』もね。寄席行かなくて済むわ。」と、藤井が言った。

「それ、頂き。そういう風に言い訳しとく。」伝子は一覧表に書き込み始めた。多分、警護分担だろう。

 「綾子さん、高遠さん、ゆがくの手伝って。今夜は『流しそうめん』よ。」と、藤井が言った。

 翌日。午前9時。EITO秘密基地。

 「そうめん?この季節にですか?にゅうめんじゃなく?」と、愛川が言った。

「発想の転換ですね、おねえさま。」と、なぎさが言った。

 「そうめんより、高遠さんのアイディアは想定外だわ。梅まつりと同じ警戒ですか?アンバサダー。」と、馬越が言った。

 「火事関係とは限らない。場所が多いから、一応2人1組だが、足りないかも知れない。夏目さん、警察と消防、陸自にも警戒要員として応援をお願いします。」

 「了解。」伝子の言葉にすぐに夏目は反応した。

 午前11時。浅草寺。

 いずみが警戒していると、浅草寺名物の提灯にバーナーで火を点けようとしている男がいた。あかりは長波ホイッスルを吹いた。長波ホイッスルとは、犬笛のような笛で特殊な音波で、予め決められた暗号を音波で送る笛である。暗号は吹き方で変わる。

 あかりが男に抱きつき、エマージェンシーガールズ姿でやって来たあかりが、防火弾をバーナーに向け、投げた。

 午前11時。明治神宮。

 飯星が不審な男を発見、声をかけた。長波ホイッスルを吹いた稲森は、「ご神木にナイフで傷つけると、よくないことが起こりますよ。」と、男に言った。

エマージェンシーガールズ姿でやって来たなぎさが、ヘッドロックをかけ、落した。

「ほらね。」と、短く言った飯星は男にデコピンをした。

 午前11時。増上寺。

徳川将軍家墓所に現れた3人の男が『子ども地蔵』に墨汁をかけようとしていた。

 「まあ、罰当たりなことを企んだものね。」と、老婦人に化けた、あつこが言った。DDバッジを押した、あつこは杖に見せかけていたバトルスティックで男達を倒した。

 橋爪警部補が走って来た。「お見事です、警視。」「これ、似合ってる?」「お似合いです。」

 あつこはスマホを出して、自撮りをした。

 午前11時。根津神社。

 沢山の鳥居が並んでいる。その入り口に立った忍者が背中の刀を抜いた。

 傷つけながら、走り抜けようとした忍者は、出来なかった。

 後方から、エマージェンシーガールズ姿でやって来た稲森が投げ縄で奪い取ったからである。稲森はDDバッジを押した。

 DDバッジとは、主に位置情報を送ることでEITOに緊急信号を送ることが出来るバッジである。

 久保田警部補が馬でやって来た。「お見事!」

 午前11時。泉岳寺。

 山門前で着火準備をしている集団がいた。忍者の格好をしている。

 「東栄では、撮影予定がないそうだよ。」

 どこからか、ブーメランが跳んできた。数人の忍者の頭を撥ねて飛んできたブーメランを左手に受け取ったのは、エマージェンシーガールズ姿の金森だった。

金森は、キャンプファイヤーのような櫓とバーナーに右手で防火弾を投げ、使い物にならなくした。

 そして、素早くブーメランを左腰に格納すると、背中のバトルスティックを持ち、集団になだれ込んで、一瞬の内に倒した。

 中津警部補が走って来た。「呼んだ?」「遅いよ、中津さん。逮捕、逮捕!!」

 「はいはい。」中津は部下達と共に集団に手錠をかけていった。

 午前11時。住吉神社。

 水盤舎(おみずや)の立て札に立った男達がペンキをかけようとした。

どこからか、矢が飛んできて、男達は、自分の持っているバケツをひっくり返してしまい、自分の頭から被った。

 エマージェンシーガールズ姿の田坂と安藤がやって来た。「ざまあないわね。」と田坂は言い、「先輩。写真、撮っておきます?」「いいわね。撮りましょう、記念撮影。」

 午前11時。靖国神社。

 刀や銃を持った一団がやって来た。

「ここの人数を増やしたのは正解だったようだな。」と、伝子が言った。

 その前に立ちはだかったのは、エマージェンシーガールズ姿の伝子が率いる、みちる、馬越、大町、浜田のエマージェンシーガールズだった。

ブーメラン、シューター、ペッパーガンで戦闘不能になった一団十人は、瞬く間に倒された。シューターとは、EITOが開発した、うろこ形の手裏剣である。先にしびれ薬が塗ってある。ペッパーガンとは、これもEITO独自の武器で、胡椒などを主成分にした、調味料で出来た丸薬を撃つ銃である。

 午前11時。築地本願寺。

 陸上交通殉難者追悼の碑にショベルカーが進んできた。

 ホバーバイクが飛んできて、ショベルカーのドライバーをペッパーガンで撃ったのは、エマージェンシーガールズ姿の日向だった。ホバーバイクとは、民間開発の発明品をEITO用に改造した、『宙に浮くバイク』のことである。

 ドライバー以外の者は忍者の格好をしていた。警察官姿の工藤がやってきて、白バイで忍者達を蹴散らした。白バイ隊が続き、陸自のジープもやって来た。忍者達は、闘う前に手を挙げ、降参した。

 午前11時。浅間神社。

富士塚の柵を乗り越え、何かを散布しようとする男3人。

 「剪定なら間に合っているぞ。」エマージェンシーガールズ姿の増田が、男達にシューターを投げた。男達の散布薬のタンクが弾き飛ばされた。

そして、跳び蹴りを食らわせ、バトルスティックで増田と本郷は男達の手首を叩いた。

 別の角度から来た警察官姿の結城が、首投げをした。

 午前11時。日枝神社。

 男達が5人。ハンマーを地面に下ろし、何かを相談事をしている。

 バイクで、青山がやって来た。「何かお困り事ですか?こう見えても、僕は警察に顔が利くんですよ。」

 「困ってねえよ。」男達の一人が、ハンマーを振り上げ、他の者も追随した。

 その時、愛宕を含めた警官隊が彼らを取り囲んだ。

 「ほらね。顔が利くでしょ。」と、青山は言った。

 午後2時。EITO秘密基地。EITO臨時会議室。

 マルチディスプレイに理事官が映っている。「ここまで当たると、神業だな、高遠君。しかし、残念ながら、被害に遭った神社も3カ所あった。1件は警備員が取り押さえた、墨汁かけの男。1件は宮司が傷つけられた。1件は、参拝客に騒がれ、逃走中。死者が出なかったのは、不幸中の幸いだった。今日は、解散!・・・で、いいかな?大文字君。」

 「異存ありません。」そう言った伝子は、床に倒れた。

 ―完―

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大文字伝子が行く114 クライングフリーマン @dansan01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ