嘗てアルビノの天才少女探偵として名を馳せた、ヒロインの茉莉花心美。そんな彼女の元に、とある組織から依頼が舞い込んだことが、全ての始まりだった──
本作の魅力はなんと言っても、ヒロインの茉莉花心美と、彼女をボディーガード兼助手として補佐する主人公の岩倉堅慎のコンビだろう。
心美は類稀なる才覚と美貌とを併せ持つ孤高の存在だが、それ故にメンタル面が不安定。更にはアルビノということもあって、時と場合によっては行動が大きく制限されたり、精神的に追い詰められてしまうという弱点を有している。
そんな彼女の精神的支柱とも言えるのが、相棒たる堅慎だ。二人は幼馴染ということもあって強固な絆で結ばれており、要所要所で抜群とも言えるコンビネーションを遺憾なく発揮する。
堅慎が居てこそ、心美は天才探偵として眼前に立ち塞がる陰謀や凶悪犯罪に立ち向かうことが出来る。"貴方となら、どこまでも"とは、本作の在り方を如実に表した、非常に秀逸なるキャッチコピーと言えよう。
ジャンルがミステリーということもあって情景・心情描写も精緻であり、トリックも豊富。王道のクローズド・サークルを始めとした舞台設定なども魅力的だ。
心優しき相棒と共に凶悪犯罪に立ち向かう、一輪の麗しき茉莉花(ジャスミン)の勇姿──貴方も是非、見届けてみては如何だろうか。