主人公は、生活のリズムが変わり、深夜の散歩をするようになったようです。そういうことって、ありますよね。私もすっかり夜型になってしまい、夜中になると頭が冴えてしまいます。
この主人公が散歩をしていると、後ろから誰かがついてきます。自分だったらダッシュして逃げてしまいますが、この主人公は背筋が寒くなりながら、その人物に興味を持ちます。
主人公が後ろの様子を探る描き方や、追い掛けられる緊張感、後ろにいる人物の謎解きが、この作品の魅力になっています。舞台となる桜並木の情景も緻密に描かれ、物語に引き込まれました。
そしてクライマックスには、予想外の展開が待っていました。主人公と後ろをついてきた人物との関係が明らかになります。「ねえ、ねえ、ねえ……」と、誰かに呼びかけられているような気がして、とても怖くなりました。