第10話 GotD運営からのお知らせ(1)
<お詫び>
平素より、(株)ゲーム・オブ・ザ・ダイニングデッドが運営しておりますデスゲーム『ゲーム・オブ・ザ・ダイニングデッド』(以下、「GotD」)へ多くの応援をいただき、厚く御礼申し上げます。
弊社社員ジャジャ・ラビットことマナミにつきまして、現在開催中であるGotD二日目において、ランキングへ重大な影響を与える不適切な殺戮行為がございました。
配信をご覧になっていた視聴者の皆様、また優勝者予想投票へご参加されているサポーター様を始めとした関係各所の皆様にご心配及びご不安をおかけしましたこと深くお詫び申し上げます。
本人へ事実関係を聴取しましたところ、これまでの
改めて、この度は、多くの方々にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。今後、同様の問題が生じないよう、全社員への教育及び指導を徹底してまいりますので、引き続きご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、今回対象となったプレイヤーへ投票されていたサポーター様につきましては、手数料無料にて他のプレイヤーへの振替投票手続きをさせていただきますので、おって送付させていただきます専用URLより、お手続きのほど何卒お願い申し上げます。
(株)ゲーム・オブ・ザ・ダイニングデッド
◇◇◇
― ラビットさん、懲戒ワロタwww
― 殺戮欲求を我慢できないは草
― もはや一周まわってカワイイ
― 業務へのwww不理解www
― 殺人は故意だけど、ランキング操作は過失(宇宙猫)
― ファーーーwww 内通者やらせちゃいけない女www
― 血に飢えたおっぱい(^q^)
― 合ってない仕事させた運営が悪い
― もっと投げ銭しなきゃ。あのおっぱいと尻は俺が守る(使命感)
◇◇◇
VIPルームの一室で、社長のタカハシとゲーム責任者のタチバナが一番の出資者へ平謝りを繰り返している。
「この度は、
高級そうなリクライニングチェアに腰かけた『九龍』と呼ばれる初老の男は、「もういいから。いいから」と笑った。
「いやぁ。マナミちゃんは本当に面白いね。あの子がいると飽きないよ。賭け金のことだけど、別にこのゲームでお金増やそうって参加してるわけじゃないし、面白ければなんでもいいからさ」
彼はそう言いながら大型テレビでゲーム三日目の中継映像を見る。今回はマナミの単独ではなくお目付け役が同伴のようだ。お目付けの男に九龍は見覚えがあった。
「あれ? ねぇ、タカハシちゃん。この子、ヨタロー君じゃないの?」
九龍の言葉に、タカハシ社長は驚いた顔をした。
「九龍様、ヨタローのことご存知なのですか?」
ウイスキーの入ったロックグラスを九龍が回すと、カラカラと氷が鳴る。
「懐かしいなぁ。父が一時期飼ってたんだよね。あまりに可愛がるから母がヤキモチ焼いちゃってね。粉々のミンチにして海に撒いたって聞いてたけど、生きてたんだなぁ」
タカハシ社長とタチバナは顔を見合わせた。新入社員は意外と有名人らしい。
「今回のゲームは、いつも以上に予測不能で面白そうだね。期待してますよ」
その言葉で、彼の秘書がタカハシ社長とタチバナに「お時間です」と告げる。二人は最後まで頭を深々と下げて、部屋を退出した。
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