KAC20233 異世界転移はぐちゃぐちゃの元

桐嶋紀

異世界転移者たちの経験談

※プライバシー保護のため、音声は変えております。


シンジ(仮名)

「ええ、そうですね。あれは……理不尽でした。なんせ、気が付いたら異世界ですからね? オレが異世界って概念を知っていたからいいようなものの、そうでなかったら絶対パニックになてますよ。それに、その時につけられた設定というかギミック? あんなもん、オレ以外の人ならとっくに死んでますって。」


ルン(仮名)

「はい、わたしも異世界に飛ばされました。でも、こっちの人に言わせれば、今私がいる世界はこっちの世界で、わたしが元いた世界こそが異世界だっていうんです。ややこしいですよね? まさにぐちゃぐちゃです。それに、わたしにもその設定というか、ギミック? がありまして、やっぱり死にかけました。勝手に人を転移させておいて、そんな仕打ちはひどいと思うのです。」



司会者

「と、いうことは? シンジ(仮名)さんはこっちの世界から異世界に行き、ルン(仮名)さんは、我々が言うところの異世界からこっちの世界にきたということですか?」


シンジ(仮名)

「はい、そうなりますね」


ルン(仮名)

「はい。そうなんじゃないかって、晴兄ちゃんも言ってました。」


司会者

「ひどい話ですね。まさに世界との関係性がぐちゃぐちゃです。で、このぐちゃぐちゃな状態をうまく収めるためには、どのようになったら望ましいと思われますか?」


ルン(仮名)

「えーっと、なんかお互いが入れ替わったような形になっているんだったら、お互いに、その役割を継承してみたらいかがでしょうか?」


シンジ(仮名)

「と、いう事は、オレはセヴルやソヴルをお兄ちゃんと呼ぶことになるのかな?」


ルン(仮名)

「はい、そうなりますね。そして、わたしはブラック企業のおっさんになるわけです。しかも、男爵様や商会の娘さんたちをハーレムに入れて、あっ! そうなると、ラン姉ちゃんもルン姉ちゃんもわたしのハーレムに入ることになっちゃう!」


シンジ(仮名)

「そしてオレは駐在所の軽トラから離れられず、20代の男性警察官と常に一緒に行動すると……」



ルン(仮名)

「ぐちゃぐちゃですね」


シンジ(仮名)

「ぐちゃぐちゃだな」


司会者

「ということで、異世界に転移した人は、その存在意義からキャラ設定から、色々なところがぐちゃぐちゃになっていくわけですね。それでは、お時間になりましたので本日のところはこれで失礼致します。それではまたー。」 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

KAC20233 異世界転移はぐちゃぐちゃの元 桐嶋紀 @kirikirisrusu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ