第3話 つづく!!! (つづかない)
世界の終わりを告げる絶望的な闇。
それは地球を包み込もうとしていたが、集いし主人公やラスボスたちによって打ち払われた。
彼らは勝利の余韻に浸っている。
「くくく……。俺の火炎の勝利だーー!!!」
火神竜馬が叫ぶ。
彼の放った炎魔煉獄瘴は闇の球体を焼き尽くし、完全に消滅させたのだ。
「あらあら、手柄を取らないでくださいまし。わたくしの光が全てを浄化したのです」
白咲香織が言う。
彼女の放った光輝浄聖は、闇を完全に消し飛ばしたのだ。
「けっけっけ! 俺が一番強いに決まってるぜ!」
黒宮真が笑う。
狂戦士と化した彼の攻撃は、闇に大きなダメージを与えた。
「やれやれ。私が少しだけ本気を出したから、闇をどうにかできたというのに……」
青羽カルラが呟く。
彼の放つ水龍嵐撃は、闇の球体に大きな亀裂を入れたのだ。
「ひひひ、退屈凌ぎにはなったの。老いぼれには良い運動になったわい」
緑川是清が言う。
彼の絶死拳により、闇の球体には大きな亀裂が入ったのだ。
「おいおい、本当にもう大丈夫なんだよな? 安心していいんだよな?」
橙雲ハジメが言った。
彼女の放つ爆炎連斬は、闇にさらなる亀裂を作ったのだ。
「落ち着きなさい。すべては計算通りに終わりました。予定通りです」
天之河清輝は言った。
彼の無慈悲な宣告は、闇の球体を砕いたのだ。
「…………ぷちっ。ふふっ。ぐちゃぐちゃになったね……」
影條瘴気が言った。
彼女の生み出した影の波動砲は、闇の球体を貫通したのだ。
「ヒャッハー!! 戦争は終わりだぁ!」
全力覚悟が言った。
彼の世紀末ヒャッハーアタックのより発射された弾頭は闇の球体に直撃し、爆発を起こしたのだ。
「クハハハ! 愉快な戦いであった!!」
ダークネスナイト・アハト=ジークフリートが言った。
彼のダークネス・バーストストリームは、闇の球体に直撃したのだ。
「ふん、ある程度は興が乗ったわ」
十六夜夜霧が言った。
彼女の斬滅刃・極大切断は闇の球体を切り裂いたのだ。
「皆さんのおかげで、約束された勝利を迎えることができましたね」
ホーリライ・ノイントが言った。
彼女が無限の救済を祈ると、闇の力が弱まったのである。
「俺っちたちの力が勝ったわけだな!」
焔魔台アスカが言った。
彼女の手からアルティメットシャイニングバスターという必殺の一撃が放たれたのだ。
「ふふふ。わたくし一人でも十分でしたが、皆さまもそれなりに貢献されたようですね」
二黒月姫那が言った。
彼女の幻想支配・天地開闘の舞姫により、周囲の士気は高揚した。
「世界を無事に救えたね!」
紅野火影が言った。
彼女の火遁:業火天昇は闇の球体へダメージを与えていた。
「うむ、動いた甲斐があった」
黄地三太郎が言った。
彼が千本桜景厳を発動すると、無数の斬撃が展開されたのだ。
「さあ、始めよう。我々の打ち上げを……!」
王城玄斗が言った。
彼は終焉の剣舞により、闇の球体を切り裂いたのだ。
「争いは何も生まない。そう思っていたけど、こうして平和を生んだ」
アリア・クルセイドが言った。
彼女が投げたライオットジャベリンは、闇の球体を貫いたのだ。
「へへっ。運命ってのも面白えもんだなぁ」
神楽坂和也が言った。
彼の放ったスターライトアローは闇を貫いていた。
「…… はぁ~、やっと終わった。帰って寝よっと……」
海凪空子が言った。
彼女のアルファシステムによるレーザービームは、大きな役割を果たした。
「まったく、どうして私がこんなことをする必要があったのか……」
星宮瑠璃奈が言った。
彼女の発動した星天魔法・流星雨は、無数の隕石を降らせた。
「……コレデ、ワレガチキュウヲハカイデキル……」
地球破壊丸が言った。
アンコク・ジュウリョクハはかなりの威力を誇っていた。
「あらあら、ずいぶんと素敵な朝ですこと」
雅楽代舞華が言った。
彼女の舞花繚乱は、闇の球体を切り刻んだ。
「やれやれ、これが人生ってね」
キッド・アーヴィングが言った。
彼の早撃連殺は、闇の球体を撃ち抜いたのだ。
「あちゃー、オレの手柄は小さくなっちゃったすねー」
竜崎京介が言った。
彼の絶壊拳は、闇の球体を砕いていた。
「ふむ、これで終わりだな」
天道寺英人が言った。
彼の魔眼は、闇の球体の全体像を捉えていた。
「ふぁああ……。これでようやく眠れる……」
九尾狐が言った。
彼女の放つ九尾ノ炎は、闇の球体を燃やした。
「おいおい、普通の俺には何が何だか分からないって!」
鈴木洋一が言った。
彼が召喚した精霊神竜はとても強かった。
「えへへ。みんなで元の世界に帰ろっと!」
桃咲桃花が言った。
彼女の樹界降誕により、周囲には巨大な樹木が育っていた。
「ふん、それなりの戦いだったな」
闇夜昴が言った。
彼の放った混沌破葬斬は、闇の球体に命中していた。
「ひゃっほーい! 次は後夜祭だぁ!!」
飛弾将馬が言った。
彼の獅子王滅砕斬により、闇のコアが露出したのだ。
「ふふっ。張り切った甲斐がありました! お疲れ様でした!!」
天川夏海が言った。
彼女の聖光浄化砲は、闇のコアを完全に消滅させたのだった。
かくして世界の危機を救った主人公やラスボスたちは、勝利の余韻に浸り続ける。
「くくく……。ちょっと思ったのだが……」
「あらあら、何かしら?」
「ちょっと人数が多くね? てっきり俺がこの世界の主人公だと思っていたのによぉ」
「それは思い上がりですわね。……しかし、正直に申してわたくしも少々驚いておりますわ」
火神竜馬と白咲香織がそんな会話を始める。
そう。
1話と2話では突っ込み不在であったが、明らかに人数が多いように思えた。
「何人ぐらいいるんだ?」
「ええっと、1、2、3……」
白咲香織が人数を数えていく。
さぁ、記憶力の良い観戦者諸君なら分かるはずだ。
最終決戦には、何人が参加しただろうか?
術者の分身や召喚されたものは数えなくても良いとする。
また、相手方の闇の球体も除外だ。
……。
…………。
……………………。
…………………………………………。
……………………………………………………………………………………。
5人ずつ数えてみよう。
火神竜馬、白咲香織、黒宮真、青羽カルラ、緑川是清。
橙雲ハジメ、天之河清輝、影條瘴気、全力覚悟、ダークネスナイト・アハト=ジークフリート。
十六夜夜霧、ホーリライ・ノイント、焔魔台アスカ、二黒月姫那、紅野火影。
黄地三太郎、王城玄斗、アリア・クルセイド、神楽坂和也、海凪空子。
星宮瑠璃奈、地球破壊丸、雅楽代舞華、キッド・アーヴィング、竜崎京介。
天道寺英人、九尾狐、鈴木洋一、桃咲桃花、闇夜昴。
飛弾将馬、天川夏海。
「ええっと、32人ですわね」
――正解である。
そう、この戦いに参加していた『主人公やラスボス』はなんと32人もいたのだ!!
(((((いや多すぎだろ!?)))))
ここに集った者の中で、心の中でツッコミを入れた者は多いだろう。
だが、これは紛れもない事実なのである。
さて、ここで問題となるのは『誰が真の主役なのか?』ということだ。
最初に言っておくと、この物語において主人公は一人だけである。
つまり――他の者は、なんちゃって主人公やラスボスなのだ!!
そんな彼らが一同に会するとどうなるのか……?
「けっけっけ! 俺が最強に決まっているぜ!!」
「やれやれ、私が少しでも本気を出せば、君たちなど敵ではないというのに」
「ひひひ、儂のような老いぼれにも出番が待っているのかの?」
「おいおい! なんかヤバい雰囲気だって! 大丈夫かよ!?」
黒宮真、青羽カルラ、緑川是清、橙雲ハジメが口々にそんなことを言う。
こうして、世界を救ったはずの彼らの間でも争いが始まろうとしていたのである。
――つづく!!! (つづかない)
ぐちゃぐちゃラストバトル!!! 猪木洋平@【コミカライズ連載中】 @inoki-yohei
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