アカルイミライ
清泪(せいな)
隣人X
地球上に存在するあらゆるものが突如として「ぐちゃぐちゃ」に変質しだしていた。
人々は驚きと混乱に巻き込まれ、世界は絶望的な状況に陥った。
世界各国の有識者を集め研究者調査を開始し、現象の原因を探った。
有識者達は、宇宙空間から放射される強力なエネルギー波が地球に到達していたことを発見した。
そのエネルギー波が物質を「ぐちゃぐちゃ」に変質させ、生命を破壊する危険性があることが判明した。
地球の存続のため、国際連合は緊急対策を講じた。
科学者たちは、エネルギー波を吸収する「ぐにゃぐにゃ」した柔らかな特殊な素材を開発し、それを大量に地球全体に敷き詰めることで、エネルギー波の影響を軽減することに成功した。
しかし、ある日、人類は有識者達による予言すべき事実を知らされることになった。
まだ見ぬ宇宙人は、このエネルギー波を意図的に地球に放射しているという結論に至ったのだ。
このエネルギー波で彼らは地球を一度「ぐちゃぐちゃ」にした後、一つの物体として繋ぎ直すつもりだったのだ。
しかし、地球の科学者たちは、宇宙人たちが侵攻戦略を試みたことを知り、彼らに対抗するために、エネルギー波を逆に利用する方法を発明した。
装置を作り、エネルギー波を宇宙へと向けて放出することで襲来していたであろう宇宙人たちを撃退することに成功したのだった。
こうして、今では、地球は再び平和な場所となり、民衆は一大騒動となった「ぐちゃぐちゃ」やら「ぐにゃぐにゃ」やらの記憶を忘れていった。
歴史として報道されることも無く、教科書に残ることもない。
報道は規制され、口伝も統制された。
研究成果だけが残った。
地球にも、宇宙にも。
内にも、外にも向けれる兵器としての技術だけが残った。
誰がそれを得て微笑んでいるのか定かでは無いが、「ぐちゃぐちゃ」になったのは何もエネルギー波による物質変化だけではなかったということだ。
密かに、密やかに。
地球人類の中に、地球外生命体が混ざり込み「ぐちゃぐちゃ」になっていた。
アカルイミライ 清泪(せいな) @seina35
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