ぐちゃぐちゃになるスパイスナイパー

速水すい

エピソードログ

スパイ、時には人を裏切り機密情報を盗む存在である。そんな役割をするスピカと言うのは俺の裏のコードネームだ。


今宵また、ビルの屋上から射殺する。それがスナイパーの役割だ。


さて今夜の獲物は―――。



スコープ先に捉えたのは、俺の恋人が男性とイチャつく姿だ。

こうなる経緯は、いや、こうなったのは彼女のせいだ。


付き合っていた、それは毎日溺愛する程だ。

時にそれが重いかもしれない。

だが、人を愛するとはそうゆうものだ。


よその異性と会話するだけで、妬くレベル。

それを"束縛しないから好きじゃない"なんて言われてみろ。

無神経にも程がある、だから男性をチャック彼女を許せないのだ。



指先は震えた、迷いがまだある。射程を考えて体制を変えよう。

ライフルをゆっくりとコンクリートの床に置き固定する。這いつくばる様に体を床とくっつけて銃口を柵の間に置く。


次、スコープの中を覗くと明らかにラブホ街へ向かっていた。殺意わいた。


嫌なもの見ると、嫌なものを思い出す。

軽いすれ違い、軽い喧嘩しただけで言われた事――――"貴方のための時間じゃない"


いやわかるよ、そりゃ会話噛み合わないからってそう勢いに任せて言う奴。

ただ、それめちゃくちゃ傷付いて、殺意沸くぐらいライフルを構えてんだよ。



スコープの視線を少し変えた、血だらけのナイフを片手にフラフラする地雷系少女。

あれはヤンデレ!? ま、まさかあのボーイ!? 浮気連続犯ラブチェンジか!!




だ、だが何となく気持ちが分からなくもない。浮気するヤツが悪いんだ、そうだ、動けなくすればなんだ!!

なら、なら、彼女を射抜くしかない。


独占欲の塊で悪いな彼女、妬かない男子なんて居ないし、束縛が好きかどうかじゃなくて、ブレて行くお前が悪いんだ!!


ダァァン!!


地雷系女子は男性を刺し殺し、彼女は俺の弾丸が足関節を貫いた。何故だろう笑い止まらない、あの少女も狂い笑いが聞こえる程だ。






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