色々起こってる!

四葉翠

第1話 感情!ぐちゃぐちゃ!

何だこれとは思いました

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「あれ……どうしてこんな屋敷の前に……迷子なのかなぁ……はぁ……。道聞けるかな……ついでに撮る許可も得れたらいいけど……」


外に出たら迷子にならない事はないと自他ともに認めるしがない写真家の男。別に写真家になりたかったわけではないが、兄にそんな迷うなら迷った時の写真撮ってきてよと言われて撮っているといつも間にか写真家になっていた。


今日もカメラを両手に抱え迷子になった。実にいつも通りである。携帯は持っているものの時折電波が入らない場所へと迷い込むため、道を教えて貰えないとなかなか帰れない。


ギギ……


「随分古そうな屋敷だな……誰か居られるかな……すみませーん!道を聞きたいのですがー!」


返事は返って来ない。逆に返ってくることの方が珍しい。


「入らせてもらいます…、お邪魔します」


この辺りの地図が有るかもしれないので勝手にお邪魔する。まずは玄関近くの扉をガラガラと開け中を確認、上を確認して無いので中へと靴を脱ぎ上がらせてもらう。


そして、玄関近くの扉を開けようとした時……


『カエレェ、カエレェ』


「あ、道をお聞きしたいんですが……」


幽霊がいる時は比較的ラッキーである。いない時は最悪3日ほど飲まず食わずで帰る事になる。


ピコン!


「あ、少し待ってて下さい」


メールが来たので確認する。


「え!?僕の写真が大賞!?賞金が貰える!」


『カエレェ、カエレェ』


「あぁ、すみませ……メール!?ここは電波有るんですか!?」


プルルル


「はい…もしも「私メリーさん」し……」ガチャ


「イタズラ電話ですか…」


『カエレェ、カエレェ!』


プルル


「え!?お父さんが事故!?」


プルル


「カエレェ!」


「え!?兄さんの子供産まれるの!?」


プルル


「え……、僕の家に泥棒?」


「カエレェ!!」


ピコン


「うわぁ!お見合いの人凄く綺麗!」


「カエレェ!!!!!」


「うわぁ!なんですか…?気持ち悪!」


幽霊といよりただの化け物だった。


「魂ヨコセェァェェェ!!!」


「うやぁぁぁぁ!!!」


殺される!急いで外へと……


「開かない!」


ドンドン!ガシャン!!


扉を蹴って壊して外へ出る。


「壊すなぁー!!!ばかもの!」


幼女の声が聞こえる。無視して走る。


「帰り道が分からない!!!!!!!うわぁぁぁぁ!!!」


喜怒哀楽の感情ぐちゃぐちゃだよ。

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