パパ上様日記 〜ぐちゃぐちゃでちぐはぐな我が家〜 KAC20233

ともはっと

ぐちゃぐちゃでちぐはぐな我が家の日常


 夜。

 今日も私は会社から、明日のために帰宅する。

 後数時間もすれば次の日。寝て起きて、そしてまた会社へ向かう。


 社会人は、家族より会社の同僚たちと過ごしている時間のほうが長い。

 なんだろう。家族ってなんなんだろう、なんて思う。ぐちゃぐちゃな気持ちになるのは、きっと会社で嫌なことがあったからだ、なんて。



「ただいま」


 帰ってきたことを表すその言葉とともにリビングへ。

 リビングにはこたつでごろりとする子供達と妻。

 それぞれが思い思いに寛いでいる。


 私はいつも通り、リビングでスーツとシャツ、ズボンを脱ぎ、靴下とシャツを今日の疲れが染み付いた下着類とともに洗濯機へと放り込んでは、寝間着はどこだとリビングへと戻ってくる。スーツとズボンを所定の位置へと戻していると、家族の会話が聞こえてきた。


「わー、またまけたー。装備よわいからー」

「……あー、この服、どう思う?」

「うがぁ! なんだよこれ! ダメダメじゃねぇか!」

「え〜。この服、なんか安いし色合いも好きなのよ」

「まーまー。この装備どうおもうー?」

「だーからー。なーんでそれでいくんだよっ。色なんてどうでもいいじゃんかー」

「色は重要でしょ。好き嫌いだってあるんだから」


 ……それぞれが、別々のことをしている。

 息子と娘はゲームを。ただし同じゲームではなく別のゲームを。

 妻はスマホでなにかを探してそれを娘に見せようとしているが娘はゲームに夢中でみていない。だけども妻は娘がみていると思っているようだ。


 なんもあっていない、ちぐはぐな会話。更には子供らのゲームのそれぞれの音も混ざってぐちゃぐちゃな光景がリビングに広がっている。



 でも。

 なんでそれぞれが会話成立してると満足そうにしてんのかね?

 傍から見たらバラバラのことしてるよ?


「「「あ、おかえりー」」」


 最後にハモるとこだけは、なんか家族だなって。



 我が家はほんと。


 平和だ……。



 明日も頑張ろう。

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