あの時、たくさん幸せを与えてくれた「元」大切な人へ。
みー。
俺の幸せ、君の幸せ。壊した関係。
「突然だけど、もう縁を切ろうと思います。」
かしこまった文面。少し心がざわついた。
「何と?」
俺は聞いた。
「you」
「え?」
_______一気に心音が速くなる。思いもしなかった返事。
なんで?なんで?…。
「…怖いけど、理由を聞いていい?」
「もう話が噛み合わなくなって楽しくないから。」
…そうか。そっかぁ。ごめん。前からうっすらと気付いていたけど、確証はなかったから自分の中で誤魔化してたんだ。
「ごめん。」
「俺もごめん。興味がコロコロ変わる人だから。」
…つまり、俺には完全に興味がなくなったということかな。
そっかぁ。…。
俺は思うがままに、自分が溜め込んでた想いを話した。長文になってしまったけど、なによりも、「ありがとう」と「ごめんね」を伝えたかった。
君はこう言った。
「こちらこそ、昔何か月も楽しい気持ちにさせてくれてありがとう
お前のおかげで初めて思春期らしい思春期が送れたし、思い出が何個もあったのも事実
愚痴も吐き出す機会もあったし、心の支えにもなってくれた
間違いなく人生の一区間において最高の人だった
受け入れておいて結局は落とす形にしてしまったのがとても申し訳ない」
…この文章だけで済ませちゃうのはやっぱりすごいな。
あなたの最高の人になれてよかった。本当によかった。
「学校にこそ存在するけど それじゃ」
「さようなら」
「本当にありがとう。ばいばい。」
と、打った。
視界が滲みだす。よく見えない。
俺は泣き出した。
嗚呼、これが人生なんだ。
君は俺の心を照らしてくれた。幸せをたくさんくれた。本当に大好きで、一緒にいたかった。
いつかこういう日が来るってわかってた。わかってたんだ。けど、突然来たら苦しいじゃないか。
そう。俺が悪いんだ。わかってるよ。
君は悪くない。
ごめんね。君の気持ちに気付けなかったり、俺の性格や行動、言動にも問題があったと思うんだ。
でも、本当は言いたかった。
「いかないで」
言えなかった。
俺は君を止める権利もないし、その気持ちすら伝えることも許されてない。
本当は、本当は、いかないでほしかった。もうちょっとだけでもいいから、そばにいてほしかった。
重いかもしれないけど、君が「生きる理由」だった。君がいたから生きていけた。
「生きていきたい」
君のおかげで、初めてそう想えた。
思い出を重ねて、重ねて。
本当に、幸せだったな。
そう想いながら君との思い出を、この手で消していった。
人をこんなに好きになったのは初めてだ。
俺の「初めて」もたくさん奪ってくれて、すごく嬉しかった。夢みたいな思い出ばっか。
思い出を思いだす度に泣いた。
君から貰った一つ一つの言葉も。
君からこんなに幸せを貰っていたんだな。
たくさん愛してくれてありがとう。
たくさん好きを伝えてくれてありがとう。
俺に生きる理由を与えてくれてありがとう。
思い出を作ってくれてありがとう。
そして、
付き合ってくれて、ありがとう。
あの時、たくさん幸せを与えてくれた「元」大切な人へ。 みー。 @miwadayo
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