第20話 疲労の色
「鈴華。疲れただろう。今日はもう休め」
疲れはない。私よりも仕事に追われている彼の方が疲労の色が濃い。瀬織津姫様が言うには二人で行う仕事を一人で行っているようだ。
彼にこそ休んでほしい。
私は
「鈴華?」
そのまま手を彼の頬に添えてジッと見つめる私に闇御津羽神様から動揺の色が見える。
「闇御津羽神様、お疲れではないですか?」
「俺は大丈夫だ」
「お仕事を二人分こなされていると聞きました」
「あの人か。余計なことを」
「疲れているように見えますのでお休みされた方がいいと思います。私に出来る事であればお手伝いしますので」
部外者が出過ぎた真似をとも思うけれど、彼が心配だからつい口を出してしまった。怒られるかもしれない。
余計なお世話だと言われるかもしれない。でも、私は引けなかった。
「鈴華様の言う通りですよ。ここ最近働き詰めなのですからお休みしてはいかがです?」
阿須波様も口添えしてくれる。祈雨様と止雨様も同感のようで何度も頷いている。闇御津羽神様は少し考え込んだ後、諦めたように息を吐いた。
「分かった」
彼の言葉に私は安堵したのも束の間、闇御津羽神様は条件を出してきた。
「休むが、鈴華。少し付き合え」
「はい。え?」
予想外の言葉に頷きかけた私は間の抜けた声を上げた。
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