サポ限にかいていたこと44 感動させよう・1

◆はじめに結論


 漫画やアニメ、ドラマや小説などの作品は、見るものを感動させなくてはなりません。

 登場人物を感動させるのではなく、読者を感動させてください。

 泣かして笑わせて、ときに哀しませ、大いに楽しませてください。

 読者を感動させるためには型や構成、描写などが大切なのです。



◆一度きりの人生


 物語には、追体験できる力があります。

 情報だけかかれた記事は、必要なときは要点を捉えられているので重宝するものの、読んでいて楽しいものではありません。


 人が好むのは、インタビュー記事や、開発に至るまでの経緯、なにかしらストーリー性あるものに魅力を感じるものです。

『エモい』も、その表れでしょう。

 情報も大切だけれども、感情に訴えかける何かがある記事や作品は目に留まりやすいもの。

 個人的な話をすれば、海外の精神科学や心理学の専門書を読んでいると、筆者のプライベートの話から始まることが多いです。

 本編よりも、そんな冒頭を読むのが好きで、面白く書いてある書籍は当たりだと思うし、つまらないと読み進めていくことができなくなります。そういう書籍に限って、読んで理解しなければならず、本当に苦痛に感じたのを覚えています。

 話を戻しまして。ストーリー性のある記事や文章、作品からは、単におもしろいだけでなく、挫折や悩みに共感し、成功につながるルーツを知ることができます。

 たとえわからない世界であっても、感情を想像し興味を抱き、追体験できる良さがあるのです。

 

 たとえフィクションだとしても、小説やマンガを読み、アニメや映画を観ることが好きなのも追体験ができるからです。

 むしろ、追体験ができるものを、わたし達は好んでいるかもしれません。

 

 人は、自分の人生を一度きりしか生きられません。

 だから、様々な人生をみせてくれる映画が好まれる、ともいわれます。

 映画に限らず、物語を追体験することは、その分人生を経験することになるでしょう。誰かの一生を描いたものならば、別の人生を体験したような気持ちになれるのです。

 追体験の経験を得ることで、経験値を多少なりともプラスにします。一人ひとりに大切な人生があることを理解し、人生に唯一の正解がないことも知る助けとなります。


 メディアは感動の押し売りであるけれども、アスリートやアーティスト、有名人などの人生を特集する番組が多いのは、彼らの生き方に感情移入したい人たちがいるからでしょう。


 物語のお陰で、わたしたちは一度きりの人生で、何度も様々な人生を生きることができるのです。

 追体験した人生は、読者の人生を豊かにしてくれます。


 京セラ社長を勤めた稲盛和夫は、「感動するとは、かつての感動の追体験から生まれる」といっています。

 かつて味わった体験をもう一度味わいたい、と誰もが思っているのです。

 成功しているのなら、もう一度成功を。

 失敗してるのなら、次遅成功を。

 常に人は、何かしらの成功を求めています。

 大人にターゲットを絞った場合、異世界転生ものや、やり直しもの、あるいはかつて過ぎ去った青春時代をもう一度味わいたくて少年少女が活躍する話を求めたりすのです。

 年をとった中年以上を当てはめて考えてみると、子供を育てることに喜びんだ人は孫を可愛がります。ですが、孫は大きくなるので他の子供、たとえは親戚や近所の小さい子をかまおうとします。その子達が大きくなれば、たとえばテレビで紹介される子供を見ては微笑ましく思い、挙句の果てにはアイドルや若いスポーツ選手を応援するようになります。

 それらはすべて、かつて味わった感動をもう一度味わいたいからなのです。

 

 ことごとく失敗や不評を買いながらも、漫画の実写ドラマ化や映画化があります。

 漫画で読んだ感動をもう一度味わいたい、と思っている視聴者に応えるためです。もちろん、さまざまな大人の事情も絡んでいるのは言わずもがな。

 余談ですが、実写化には大きく三つの手法が取られています。

 一つは、アイドルを売り出すため。

 長編作品を二時間にまとめるのは無理な話です。だから新人アイドルを主演俳優に抜擢し、作品を利用して知ってもらおうとする方法です。

 アイドルが来たらファンは見に来るだろうから、お話はネタにさせてもらうという考え方で、恋愛ものによくみられますす。

 二つ目は、リアルなコスプレです。

 原作に近づけようと俳優にコスプレ、セットやCG、ときには原作キャラのリアクションをとるなどをして、見るものを楽しませようとする方法です。

 コミックの実写はこれに近く、本気コスプレをさせてどこまで忠実に再現できるのかにこだわり、原作でかっこいいシーンをまったく同じでやろうとします。

 なんとか原作を再現しようとする心意気はあるものの、やはりどこかコスプレ臭から抜け出せないところがあります。

 三つ目は、あえて外す。

 原作はあるけれども、まあ仕方ないよねという作り方をします。原作者も原作は原作、映画は映画で違うものだからということで原作を守らず作るやり方です。原作の敬意はなく、漫画的なリアリティーもなく、ハズレが多いのはこのやり方です。

 現在は三つを合わせた実写化が行われ、三つ目の割合が多いほど不評を買っている気がします。原作がギャグで、実写のギャグが面白ければ評価が良くなる可能性もあるやもしれませんけれど。





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