サポ限に書いていたこと41 上手く書く方法・4
高校時代、校長先生が始業式のたびにする話がありました。
「学校をまんじゅう屋に喩えますと、外を包む皮はこちらが用意します。中身のあんこは各自で用意してもらわなくてはなりません」
あんことは、どんな進路を選び、なにになりたいのか、将来の展望や目標、それに得るための実力を意味しています。
決して、まんじゅうを作る和菓子屋は独自で餡も作っている、とツッコんではいけません。
学校のみならず、働き先や住む場所はもちろん、お話づくりにも同じことがいえます。
外の皮は応募先の出版レーベル、中身のあんこは自身の小説です。
さらに当てはめて考えると、外の皮は小説の読みやすさや起承転結、三幕八場の構成、主人公の葛藤の起伏など、小説を形作っているもの。
中身のあんこは、読者を楽しませるためになにを描くのかといった、作者自身の考えです。
お話づくりで一番大事なのは、あんこです。
ちなみに、大学はマンガ・アニメーション研究部に所属していました。
入部理由は、一年生はとにかくどこかに所属しなければならないという決まりがあり、あちこち見学してまわっていたら、見学期間が終了していることに気づかず、たまたまマン研の扉が空いていたので中を覗くと「見学期間は終わってるから、入部決定ね」といわれたからです。
タダでたくさんの漫画が読めたので、個人的には良かったです。
私が一番絵がうまく、漫画やイラストをたくさん描いた覚えがあります。
部活を卒業した先輩がガイナックスで働いていたので、エヴァンゲリオンの初期デザインはいろいろあって、鬼みたいな形をしてたときもあった、という話を書籍に発表される前に聞きました。
部は、描くだけでなく運営側、同人誌即売会の委託販売も行ってました。
いまほどネットで自作を販売してなかったと思います。
同人誌を作っている人たちから作品を預かり、広告を作ってあちこち張り出し、こちらで借りた場所で同人誌即売会を行いました。
扱う作品はエロは禁止でした。
漫画だけでなく、便箋などのグッズも作られている方もいました。
かわいらしい猫やペンギンの便箋を買った記憶があります。
売上から手数料を引いて、残った商品をそれぞれ送り返す。
それらの費用は、こちら側の部費で賄いました。作るだけでなく、運営側や販売側も経験できたのは良かったです。
ただ、ビッグサイトには行ったことはありません。
関東住みの子達は夏になると行ってました。兄や親戚も行ってるのですけれど。
当時の私は、それほど興味がなかったのだと思います。
ちなみにその後、他の部活にも入ります。
光画部の幽霊部員とか、天文部とかロボット設計部とか茶道部や花壇部など。
あちこちに首を突っ込んでは、いろんなことをしました。
独自で小説の書き方を学んでいたけれども、習って見ようと思い、通信講座を受けました。
それなりに読んでいるつもりでしたが、圧倒的に作品を読んでいないことを思い知ります。
そこで、県立の図書館に行って、端から端までの棚にある全ての本を読み倒すことにしました。
また、市立や町立、隣町や隣の市や隣県にいたる図書館から借りられるだけ、読めるだけの本を片っ端から読んでいきます。
最高で、年間五百冊くらい読んでいました。
通常は、年間二、三百冊くらい。
児童書や小説だけでなく、専門書も一般もなにからなにまで。
司書以上に、どこに何の本があるのかわかるくらいに足を運んでは読んでいました。
宮崎駿の対談を聞きに行って、このおじちゃんは児童文学を原作という下敷きにつかって、スタジオジブリの自分たちの話を描いているのがわかったので、お話作りの参考にすることにしました。
私が影響うけた児童文学は、ミヒャエル・エンデの『モモ』と灰谷健次郎の『島物語』でした。
ミヒャエル・エンデ関連の本や灰谷健次郎関連の本を片っ端から読み倒し、他の人が研究して描いているような書籍も読んでいきました。『エンデのメモ箱』の中にあった夢泥棒の話をヒントにもらって、自分の考えや話を盛り込んで話を作ろうと思い立って、現代ファンタジーを作ることにしました。
キャラクターデザインをして、世界観の設定を作っては、無数のボツを積み上げて作りました。
作ってわかったのは、主人公が人間でない作品は読者は感情移入するのは難しい、というのがわかりました。
描きたいのは人外の方なのに、読者に感情移入してもらうには主人公を人間にしなければならない。このあたりの描き方が納得行かなかったため、うまく行かなかったおぼえがあります。
その後も、ファンタジーを書こうとするも書けなくなり、現代ドラマを書こうとすると悲しみしかでてこない状況に陥りました。
この間に、どうすれば面白いお話が作れるのかを研究することに費やしました。
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