サポ限に書いていたこと36 小説が書けなくなったとき・8
■書けなくなるとは
執筆中、急に勢いがなくなったり、急に思考の流れが止まり、っ書けなくなることがあります。
一般的に『ライターズブロック』と呼ばれます。
頻繁に文章を書いている人に訪れる、スランプのようなもので、それまで書けていた文章がとつぜん書けなくなる現象です。
★次のような症状がみられます。
・パソコンを前にして手が止まる
・やる気はあるが、なぜか書けない
・そもそも何を書いていいのかわからない
・ネタを探す段階で途方に暮れる
・どこかで見たような文章ばかり書く
・文章が雑になる
・文章を見るのも嫌になる
★次のことが原因で発生します。
・ストレスや疲れ
原因のほとんどが、「ストレス」と「疲れ」です。
体力低下はもちろん、精神的疲労がある一定の基準を超えると、強いストレスを感じて書けなくなるのです。
疲れているとやる気が起こらなくなるのは、不思議なことではありません。
・仕事量が多すぎる
先が見えない、終わりが見えないと、人は意識的にも無意識的にも不安を感じます。
書くことが多すぎると、作業が進んでいないかのような錯覚を覚え、得体のしれない焦燥感が生まれます。結果、思考力が低下し、冷静な判断ができなくなって、書く手が止まるのです。
・仕事量が少なすぎる
暇すぎて時間に余裕がある日が続くときも、大きなストレスを感じるようになります。
休みが多いとは、それだけ収入が減ることを意味します。
収入が減ると焦り「何とかしなくちゃ」とさらに焦った結果、書けなくなるのです。
・知識不足
依頼されている場合や、コンテストに応募する場合など、浅薄な知識で書くことが許されない場合があります。
必要な分野に明るくなければ、何を書いていいかわからない状態になります。
・モチベーションが上がらない
モチベーションの低下は、これまでに挙げた原因から引き起こされます。
低いモチベーションで作業に取り掛かると、パフォーマンスの低下を招き、低品質な作品になるだけでなく、そもそも文章が書けなくなります。
・情報過多
脳が処理しきれないほど情報が多すぎる場合、あるいは家族や仕事の問題など他にすべきことを考えているときや、解決しなければならない問題を抱えているときにも書けなくなります。
・適切な時期が見極められない
急に書かなくてはならなくなり、できるだけ早くに、考えをまとめてアイデアを整理して書く必要がある場合に起こります。
・インスピレーション
うまく書くためには、やる気やインスピレーションが必要な人もいます。
モチベーションが上がらないにもつながります。
・書くことに対する否定的な考え
執筆前に、読者の反応を心配しすぎる人がいます。
特に、新たな分野に挑戦したい場合や、新米作家にみられます。
・文章を書く雰囲気ではない
できれば、自然に近い静かで落ち着いた雰囲気で書きたいひろもいます。しかし、都会の騒がしさから刺激を受けてアイデアを得る人もいます。
そんな周囲の環境がいつもと異なる場合、手が止まることがあります。
★スランプから脱出するには?
原因の多くは、肉体的精神的な疲労からくる「ストレス」です。
ストレスを感じている、あるいは疲れていた際は、疲労を取り除くための休養をとりましょう。
まず書くことから一旦離れ、睡眠をとる、ご飯を食べに行く、散歩やジムに行く、スポーツをする、ゲームをする、買い物に行く、掃除をするなど、自分を喜ばせたいことを何でもし、リフレッシュが大切です。
一番いいのが睡眠です。
よく眠って頭を休めてください。
脳には、意識的に働いていない時に活動する回路が存在します。
なにもせずに、ただぼーっとしていると、この回路が働いてしまい、いろいろなことを思い出すなどして、考えているときよりもエネルギーを消費してしまうことがわかっています。
だらだらしたり、ぼーっとしたりする時間を、瞑想にあててください。
簡単に行えるのが、「数息観」です。
誰もいない部屋で一人、座禅もしくは正座をします。
静かにゆっくり息を吐きながら、「ひとーつ」と心の中で数えます。
吐き終わると、自然に息を吸い込みます。
それからまた、ゆっくりと息を吐きながら、「ふたーつ」と数えます。
この要領で、十まで数え、再び一にもどり、同じことをくり返します。
このとき、「ひとーつ」が終わらないうちに、ご飯のおかずがちらつき、「ふたーつ」といいながら、憎たらしい相手の顔がちらつき、「みーっつ」と数えながら次は心配事を……という具合に、つまらないことばかり次々と考えているものだと思い知らされるでしょう。
とにかく、余計なことを考えないように、呼吸に合わせて数を数えてください。
・仕事や書く量が多い場合
量を減らし、締切や納期を現実的に可能な範囲内に設定します。
また、完璧を目指さないことも大切です。
とりあえず完成を目指す意識で書くことで、不必要なプレッシャーもなくなり、すんなり執筆を進められるようになります。
・一日の目標語数を決める
時計を見ながら、時間制限を設ける執筆します。
例えば、十分で百文字書くと決めます。
四十分で四百文字、原稿用紙一枚分です。
一日の執筆時間を二百分、三時間ほど確保して執筆を続ければ、十ヶ月で原稿用紙で三百枚。長編作品を一冊作れるでしょう。
一日に決めた執筆時間内は、一切の雑念を断ち切ることに徹するのです。
・知識がないとき
知らないことは書かないようにしましょう。
どうしても書かなければならなくなったら、最大限情報を仕入れるか、くわしい専門家などに監修してもらうと良いです。
・モチベーションが上がらない場合
「これをすればやる気が出る」ものを、自分の中でいくつか持っておくと良いです。
いわゆる、書くための儀式です。
席に着く前に行う決まった一連の動作、お茶を入れたり、お気に入りの音楽をかけたりすることでもいいのです。
儀式は、書き始めるための心の準備に役立ちます。
・ゴールを近くに設定する
ゴールが見えてくると、人はモチベーションが高まります。
なるべく、近くにゴールを設定してください。
・様々な作品に触れる
インターネットコンテンツ、小説、専門書、ビジネス書、雑誌、映画やアニメ、漫画といった、他人が書いた作品を読むとモチベーションが高まる傾向にあります。
ライバル意識が焚きつけられ、やる気が持ち上がります。
・ターゲットを思い浮かべる
不特定多数の読者をターゲットにするのではなく、すぐ思い浮かべられるような、誰かに宛てて書くイメージを持つと、はかどることがあります。
万人受けする物を書こうとするとつかれます。
ファンタジーやホラー、他のジャンルでも嫌いな人は嫌いなのです。
それよりも、手紙を書くように、たった一人に向けて書くと、目的意識と方向性が定まって創作意欲が湧いてくるでしょう。
完成した作品をその人に見せたいという気持ちも出てくるので、モチベーションも上がります。
・図書館にいく
どこの図書館にも設けられているフリーの作業スペースは、「やる気」や「動機づけ」に最高です。
周囲が作業に没頭している環境は、自然とモチベーションを高めてくれます。
他にも、喫茶店やカフェが挙げられます。
・原因不明に対して
とにかく「休む」ことです。
原因がわからない以上、半端な方法で対処するより、何もしないで「書くこと」から距離を置くのがいいでしょう。
休養期間を設けたことで書けるようになることもありますし、原因か判明する可能性も考えられます。
行き詰まったら、机から離れましょう。
散歩する、お風呂に入る、寝る、なにかを作る、絵を描く、音楽を聴く、瞑想する、運動する、何でもいいのです。
書けなくなってしまったからといって、自身を責める必要はありません。
しかし、電話をかけたり、パーティーに行ったりしてはいけません。
あなたが本来言葉を書くべき場所に、他人の言葉が流れ込んできてしまいます。
自分の言葉が入り込む余地を作りながら、書けるようになるまで「書くこと」以外に注力するといいでしょう。
・環境を変えてみる
カフェや図書館に場所を移してみてもいいでしょう。
どこか別の場所に行ってやる気を起こさせ、脳をリフレッシさせます。
無音で作業しているのであれば、お気に入りの音楽か環境音(水のせせらぎ、鳥のさえずり、木々のざわめき)などを流してみてもいいでしょう。
時間帯も環境のひとつです。
早朝の仕事は能率が上がりやすいと言われています。
自分にあった時間帯を探してみるのもオススメです。
・とにかく何か書く
深く考えず、何でも書く方法です。
落書きレベルでも構いません。
たわいないことを、とにかく書いてみるのです。
紙にペンにこどわらず、キーボードに打ち込んでもいいので、まず文字にするのが大事です。
自分の考えや気持ちを整理するために、完璧な文章が書けるなるまで、手を動かしてください。
・ため込む
ライターズブロックを回避するためのものです。
たとえば現在執筆しているとき、次に何を書きたいか明確なアイデアがあったり、次に起こることがわかっていたりしていても、書き進めるのではなく、途中で止めるのです。
それを毎日していれば、翌日、真っ白なページを前にして、どうやって進めばいいのかわからなくなるのを防げます。
なぜなら、次に書くことを貯めているから。
長編を書いているときに次作アイデアを作っておけば、現在書き終わったら、執筆に取り掛かれます。
そうるれば、書けなくなることはないのです。
※執筆中、集中力を高めて作業するためにBGMやBGVを活用する事があると思います。
結論としては、返って注意力が散漫になり、能率が悪くなることがあります。
仕事の妨げにならないBGMは暗騒音が良いといいます。
いわゆる、「聞き流せる音」のことです。
歌詞のないサウンドトラックやインストゥルメンタル、環境音楽、クラッシクなどが良いでしょう。
あるいは、昔から聞きすぎていて歌詞も曲も何もかも身にしみているような曲ならば、歌詞があっても気にならず、聞き流せると思います。
気をつけたいのは、音楽によって創作している作者の気分がよくなるからといって、必ずしも曲の勢いやノリが作品に現れて良い出来になるわけではありません。
まったく影響がないとはいえませんが、ノリにノッて書いた作品はいい出来だと錯覚する場合もあります。
どんな執筆方法が最適なのかは人それぞれなので、いろいろ試してください。
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