カクヨム甲子園について

 カクヨム甲子園とは、毎年カクヨム内で催される、高校生だけが参加できる小説賞。



■これまでの受賞の傾向


★ショートストーリー部門

・大賞

 二〇一七年 恋愛✕SF

 二〇一八年 恋愛✕SF

 二〇一九年 SF

 二〇二〇年 恋愛✕ミステリー 

 二〇二一年 恋愛✕SF

 二〇二二年 恋愛✕ホラー


 カクヨムは、恋愛要素のあるSFやホラー作品が選ばれている。


・読売

 二〇一七年 ホラー

 二〇一八年 現代ファンタジー✕SF

 二〇一九年 SF

 二〇二〇年 恋愛

 二〇二一年 現代ドラマ

 二〇二二年 現代ファンタジー


 読売新聞社は、前年度作品とジャンルが被らないように選んでいる。 


・協賛

 二〇一八年 恋愛

 二〇一九年 恋愛✕ファンタジー 

 二〇二一年 現代ドラマ

 二〇二二年 現代ドラマ


 二〇一七年と二〇二〇年は協賛企業はなかった。

 毎年変わるが、高校生らしい青春を感じさせるものが選ばれている。



★ロングストーリー部門

・大賞

 二〇一七年 恋愛

 二〇一八年 現代ドラマ

 二〇一九年 現代ドラマ

 二〇二〇年 恋愛✕ホラー

 二〇二一年 現代ファンタジー

 二〇二二年 恋愛


 カクヨムは、恋愛要素のある現代ものが選ばれている。


・読売

 二〇一七年 現代ドラマ

 二〇一八年 恋愛✕ミステリー

 二〇一九年 恋愛ミステリー✕ホラー

 二〇二〇年 現代ドラマ

 二〇二一年 現代ファンタジー✕ホラー

 二〇二二年 現代ドラマ


 読売新聞社は、前年度作品とジャンルが被らないように選んでいる。


・協賛

 二〇一八年 恋愛

 二〇一九年 現代ファンタジー

 二〇二一年 恋愛

 二〇二二年 現代ドラマ


 二〇一七年と二〇二〇年は協賛企業はなかった。

 毎年変わるが、高校生らしい青春を感じさせるものが選ばれている。



■応募資格


 以下の項目を全て満たした方のみ、応募できる。

 募集開始時点で高等学校、特別支援学校高等部、専修学校等の各種学校の修業年限が高等学校と一致している生徒、または高等専門学校の第三学年以下の生徒であること。

 カクヨムに会員登録している個人の方。

 日本国内に居住している方。

 応募の際、保護者(法定代理人。以下同じ)にも本応募要項を読んでもらい、保護者の同意を得た上で応募すること(成人している方を除く)。

 応募完了の時点で、保護者の同意を得ているものとして取り扱われる。



■募集要項


 応募受付期間終了時までに、本文が以下の通りであること。


・ロングストーリー部門

 六〇〇〇字以上、二〇〇〇〇字以下の作品。

・ショートストーリー部門

 四〇〇字以上、四〇〇〇字以下の作品。


 作者自らが創作した、オリジナル作品(一次創作作品)に限る。

 応募作品内容は、日本語で記述されたものに限る。

 応募受付期間中に作品が完結していること。

 完結した作品には必ず、「完結済」にチェックをつけること。

 既にカクヨム上で公開されている作品についても、応募受付期間終了時までに、小説作成画面から本コンテストに参加が可能。

 一人、二作品以上の応募も受け付けている。ただし、同じ作品を複数回(複数部門への重複応募を含む)応募はできない。

 応募作品が受賞した場合、当該作品の元データ(保存形式は問わない)を提供を求められることがある。データを削除・紛失等しないよう、ご注意するように。

 


■募集ジャンル


 現代ドラマ

 エッセイ・ノンフィクション

 恋愛

 ラブコメ

 ミステリー

 ホラー

 SF

 異世界ファンタジー

 現代ファンタジー

 歴史・時代・伝奇

 詩・童話・その他



■応募方法


 応募作品を、「カクヨム」の投稿画面より登録し、小説投稿ページにあるコンテストの応募欄で『【高校生限定】カクヨム甲子園2023』を選択、さらにロングストーリー部門/ショートストーリー部門のいずれかから応募したい部門名を選択して公開することで応募完了となる。

 応募が完了した時点で、応募者は本応募要項を契約の内容とすることに同意したものとして取り扱われる。

 応募方法に不備があった場合は選考対象外となる。

 募集部門を変更したい場合、当該作品の本コンテストへの応募を一旦取り下げた後、再度希望する募集部門に設定して応募すること。


*AKRacing賞は、作品タグ「AKRacing賞」をつけて公開した作品に限り、選考対象となる。

 AKRacing賞が募集するテーマは、「集中力」。



■スケジュール


・応募受付期間

 二〇二三年七月十四日(金)午後五時から、二〇二三年九月十日(日)午後六時五十九分まで。

・中間選考突破作品発表

 二〇二三年十一月中を予定。

・最終選考結果発表

 二〇二三年十二月二十二日(金)本サイトにて発表予定。

 同日、読売中高生新聞において、受賞作品の全部または一部が掲載される。



 ■選考方法

 カクヨム編集部が一次選考を行い、一次選考を通過した作品が中間選考突破作品としてエントリーされる。

 中間選考突破作品についてカクヨム編集部内で二次選考を行い、通過した作品が最終選考作品となり、選考委員による最終選考の対象となる。


・選考委員

 作家・暁佳奈先生。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』にて第五回京都アニメーション大賞小説部門で初の大賞を受賞しデビューされ、現在電撃文庫にて『春夏秋冬代行者』シリーズを執筆されている。授与式にも参加される予定。

 新庄秀規(読売新聞東京本社活字文化推進会議事務局長)

 野嵜太郎(テックウインド株式会社)

 河野葉月(株式会社KADOKAWAカクヨム編集長)



■賞・賞金等


◎大賞(各部門一名)

 賞状・盾+図書カード五万円分+Amazonギフトカード二万円分

◎奨励賞(各部門五名程度)

 賞状・盾+図書カード一万円分+Amazonギフトカード一万円分

◎特別賞

 読売新聞社賞(各部門一名)

 賞状・盾+読売中高生新聞一年分+図書カード一万円分

 協賛賞

 二〇二三年は、AKRacing賞(各部門1名)

 賞状・盾+AKRacing Overture ゲーミングチェア一台

 

*当コンテストについての各種連絡は、カクヨムに登録しているメールアドレス宛に行われる。

 応募する際は、「contact@kakuyomu.jp」からのメールを受信できるように設定すること。

 また、受賞連絡を速やかに行うため、ご応募される方は、必ず連絡が取れる電話番号入力を推奨。

 受賞者には、連絡先等の確認のため、株式会社KADOKAWAよりカクヨムに登録しているメールアドレス宛に連絡が入る。連絡がつかなかった場合、電話連絡する場合もある。

 所定期日までに連絡がいただけない場合、受賞が取り消される場合があります。


 結果発表と同時に、読売中高生新聞において、受賞作品の全部または一部が掲載。その際、受賞者が在学する高等学校等の名称、受賞者の学年、ペンネームが併記される。

 結果発表と同時に、カクヨム以外のWebサイト等に、受賞作品の全部または一部、受賞者のペンネームが併記される場合がある。また、該当作品が選出されない場合もある。


 結果発表後、都内近郊にて授賞式を開催する予定。

 授賞式の様子(受賞者の発言、容貌を含みます)は、報道各社による取材・報道などの対象となるほか、KADOKAWAの出版物、DVD、Webサイト等に、掲載、収録、配信等されることがある。

 各賞の賞品は授賞式にて贈呈。

 なお、読売新聞社賞の『読売中高生新聞一年分』は二〇二四年四月~二〇二五年三月の一年間となる。

 読売新聞社賞受賞者が、読売中高生新聞を定期購読されている場合、当該賞品内容を変更することがある。

 二〇二三年度の協賛賞、AKracing賞の賞品である『AKRacing Overture ゲーミングチェア』のカラーは、受賞者の希望に応じる。

 特別賞(読売新聞社賞、AKRacing賞)は、大賞および奨励賞受賞作品の中から選出される場合もある。




▼傾向と対策



■文字数を守ろう


 ショートストーリー部門の応募規定文字数は、『四〇〇文字以上、四〇〇〇文字以下の作品』。

 ロングストーリー部門の応募規定文字数は、『六〇〇〇文字以上、二〇〇〇〇文字以下の作品』。


 文字数は守りましょう。

 あれやこれや詰め込みすぎず、描きたいことを一つに決めて書かれるといいと思います。


 ショートストーリーの場合、四百字詰め原稿用紙換算枚数は、一枚から十枚までです。

 壮大な長編物語を描くには不向きです。ある日の出来事やちょっとした思いつきなどが欠ける文量です。


 ロングストーリーの場合、四百字詰め原稿用紙枚数換算だと十五枚から五十枚までです。読み応えある作品が書ける文量です。


 だいたい原稿用紙一枚で一分、五十枚なので五十分くらいのアニメやドラマをイメージされると、書きやすくなると思います。



■誤字脱字や文章の書き方には寛大である


 三点リーダーやダッシュの引き方、「 」の使い方、文章頭のひとマス明けなどなどが、文章の書き方としては正しくないからといって、読まれないことはありません。

 書きたいもの、伝えたいもの、作者の書きたい熱量のこもった、読んで深く味わえる作品ならば、多少のことは目をつぶってくれます。


 参加者の高校生の多くがスマホで書いて投稿しているため、文書の書き方を守った入力は手間に感じるからだと思います。


 正しい文章の書き方ができたほうが読みやすいです。が、大事なのは作者が作品に込めた熱量です。多少の間違いを恐れる必要はありません。

 でも、誤字脱字はしないように。

 伝えたいことも伝わりにくくなります。

 書き終えたら、声に出して読み直し、確認しましょう。



■人をむやみに殺さない


 べつに登場人物が死ぬ作品があってもいいです。

 ただ、「感動させるにはキャラを殺せばいい」と安直に考えて書くのは止めたほうが良いと思います。


 物語の山を作るため、安直に殺されるキャラクターにとっては実にいい迷惑な話。読者を感動させるためだけに殺されるのだから。


 これまでカクヨム甲子園に応募されてきた作品にも、恋人や幼馴染や友達、主人公自身が死ぬ作品が多く書かれてきました。

 主人公やその人物に読者を感情移入させ、印象的な死ぬ場面を描いて感動させるのは一つの方法ですが、誰もが思いつく方法です。


 描きたい物語にどうしても必要ならば構いませんが、他の人が思いつかないような展開を考えてみてください。


 読後感が悪いものはやめましょう。

 死を描きやすいジャンルは、ホラーやSF、悲恋ものでも描けるでしょう。


 

■高校生にしか書けないものを書く


 カクヨム甲子園は高校生しか応募できません。

 今を生きている高校生の生の声、生の体験、いましかもっていない感受性でしか書けないものを書くのが良い気がします。


 過去回想で高校生活を描くのは悪くはないですけれども、今現在を生きていると感じられる作品を書いたほうが良いと考えます。


 なぜなら、素晴らしい文章で書かれた、今を描いた作品と回想を主とした作品が最終選考に残ったとき、今をより良く描いていると感じられるのはどちらの作品なのか。

 比較されて選ばれるのは、現役高校生だからこそ書ける作品だと感じるからです。


 

■異世界転生ものは選ばれていない


 これまでは、というだけです。

 賞が取れないわけではないと考えます。

 異世界ものでも内容次第だと思います。

 ただ面白いだけではなく、異世界ものに何かを混ぜるのも一つの方法かもしれません。

 ファンタジーは受賞されています。が、未だに異世界転生ものが受賞されている覚えがないです。



■ホラーやSFも選ばれている


 選考側に、ホラーやSFが好きな人がいると推測されます。


 現代ドラマでホラーを描くとか、ファンタジーホラー、あるいはSFで恋愛など、かけ合わせて書かれた作品が、これまで選考に残られています。


 ミステリーを書ける人はホラーも書けます。

 恐いミステリーは、ホラーになります。

 ミステリーに科学的要素を盛り込めばSFにもなります。

 ありふれた視点をちょっとずらすために別の要素を取り入れると、他作品との差別化もでき、オリジナリティを増すこともできると考えます。


 応募する時、大勢の人が書くジャンルを選ぶより、選ぶ人が少ないジャンルの方が、選ばれやすくなる可能性があると考えます。

 ただし、選ぶ側が求め、なおかつ尖った作品である必要があります。



■作品は鮮度が命


 過去ものや回想、昔話がいけないのではありません。

 でも読み手は、フレッシュさを感じたいと思います。

 どんな賞でも、常に新しいものが求められています。

 小説は「〇〇だった」「〇〇でした」と書きます。どんな作品も過去のものです。しかも毎年、新しい作品が次から次へと生まれてくるのです。

 作者自身が感じる、今を意識してみてはいかがでしょうか。


 昨年、ショートとロングストーリー合わせた応募総数2047七作品のうち、中間選考に残ったのは127作品。

 一次選考で、94パーセントが落とされたわけです。


 残った6パーセントから最終選考作品にエントリーされたのは40作品。

 全体の2パーセントに絞られました。


 大賞から奨励賞まで、受賞できたのは十七作品。

 全体の0.8パーセントです。


 受賞作に選ばれるには、他作品と比較されることを意識してください。


 二十歳の自分、十年後の自分でもいいです。

 たった一人でいいので、自分の作品を届けたい誰かを思い浮かべて書いてみてください。


 その作品は読みやすいですか。

 その書き方で伝わりますか。

 読んだ相手に、どんな気持ちになってもらいたいですか。

 書き終わったら、編集の目を持って推敲してください。

 書きたものを読み直して文章を練り直すのは、過去の自分との対話です。

 文章を読んで絵が思い浮かびますか。

 少なくとも二回は読んでみてください。

 第三者に読んでもらって感想をもらってみましょう。

 身近な人がはずかしいのなら、数日おいてから読み直してみてください。



■各賞についての傾向


 大賞は、ジャンルを問わず、恋愛要素のあるアイデアやオリジナリティのある尖った作品が選ばれる傾向があると考えます。


 尖ったとはなにかといえば、他作品と比べて抜きん出たものです。

 同じ題材を描きながら、誰もが思いつくような視点とは異なる見方で描き、「この書き方があったか」と思える作品かしらん。


 読売新聞社賞は、文学的で読みやすい作品でしょう。


 協賛企業の賞ではテーマが与えられますが、今を生きる高校生を描いた現代作品が多いと思います。

 今年の協賛は、テックウインド株式会社。

 AKRacing賞のテーマは「集中力」。

 賞状・盾+AKRacing Overture ゲーミングチェアがもらえるという。

 AKRacingゲーミングチェアは、究極のゲーム競技用チェアを追求して生まれた製品。画面に向き合って執筆を続ける際の身体への負担をやわらげてくれると説明されてます。   

 また、テックウインド株式会社から、「学業はもちろん、クリエイティブな作業に取り組むときや、部活動での大会・コンクールなど、本当の意味で集中できたときには自分でも思いがけないようなパフォーマンスを発揮でき、新しい自分を発見することができた、そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。『集中力』をテーマに、みなさんの瑞々しい感性で、ひたむきに打ち込むことの大切さを物語に描き出してくれることを期待しています」とあります。


 高校生にしか感じられないみずみずしい感性で、集中力というお題から、作者であるあなたが、どういうときにひたむきに打ち込むことが大切に感じるのか、思い巡らせて物語を描いてみてください。

 ゲーミングチェアを登場させてもいいし、eスポーツを題材にするのもいいでしょう。

 でも、同じことを他の人も考えるはず。

 かならずしも、ゲーミングチェアを登場させる必要はないでしょうし、ゲームする場面を描かなくてもいい。

 自分ならどんなときに、ひたむきに集中して打ち込むのか。

 考えて、作品を書いてください。



 各賞を選ぶ際に選考側は、現代ドラマやSF、ホラーやミステリー、ファンタジー作品などジャンルがかぶらないようにされていると思います。


 たとえば、二〇二二年のショートドラマ部門は、三章とも現代ドラマです。

 けれども大賞は、ホラー要素のある恋愛もの。

 読売新聞社賞は、ファンタジー要素。

 ポカリスェット賞は青春ものでした。


 ロングストーリー部門も、三賞とも現代ドラマでした。

 大賞は恋愛もの。

 読売新聞社賞は家族愛かしらん。

 ポカリスェット賞は青春もの。


 ただし、今年も同じように各賞とも現代ドラマをベースにした作品が選ばれるかどうかはわかりません。

 むしろ、昨年受賞したものと同じような作品は選ばれないと思われます。


 二年連続して似たような作品は、選ぶ側としても敬遠すると考えるからです。

 世にある他の賞でも、同様なことはいえます。

 できるなら隔年を置くことを勧めます。


 大賞を目指される方は、ジャンルは昨年とかぶらないものを選びつつ、広義の恋愛要素のある作品を考えてはいかがでしょうか。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る