サポ限に書いていたこと26 物語の型・3
「到来発見探索譚」は、外部からやってきて去っていく話。学園モノなら、転校生モノがこれに当たる。難題求婚譚でもある『かぐや姫』もこのパターン。人でなく落ちてきたものを拾ったことではじまり、手放せば終わるパターンもある。
「発見端」はどこかに行ってなにかを発見したり、いまいる環境の中で十代なものを見つけるパターン。
「探索譚」は、今いる環境の中に重大な何かがないことに気づき、それを探しに行く物語。ロードムービーであり、探すものが自分なら、自分探しとなります。
「騎士道物語」は、十二世紀から十六世紀にかけてヨーロッパで流行った物語。騎士が困っている貴婦人と出会い、ドラゴンや巨人などの強敵と戦い、退治し、貴婦人と結ばれる単純サクセスストーリー。三人称で書かれている。
口語であるロマンス語(フランス語など)で書かれていたため、ロマンと呼ばれ、冒険や恋愛を扱ったものが多かったことから、冒険や縁合のことをロマンスと呼ぶようになった。
波乱万丈で荒唐無稽な冒険譚や恋愛譚が多く、『ドン・キホーテ』はパロディー。
「ピカレスク・ロマン」は、十六世紀から十七世紀のスペインで生まれた小説の形式。騎士道物語とは逆の悪漢譚。のちの、ミステリーや半裁スリラー、ハードボイルドに影響を与えたジャンル。
下層出身者で社会規制的存在の主人公が、日常を舞台に生きるために犯罪を犯し、悪戯をする。一人称の自伝的に書かれ、ユーモアがある。社会批判、風刺的、写実主義提携校がある。
ピカレスクの語源、ピカロは悪人という意味。たんなる犯罪者ではなく、愛すべき、憎めない悪漢。アンチヒーロー。
十七世紀のフランスでは「心理小説」が生まれます。
恋愛を扱ったものが多く、しかも純愛ではなく、ほとんどがドロドロの貫通小説でした。
「恋愛心理小説」は十七世紀末、ラファイエット夫人の書いた『クレーヴの奥方』が元といわれる。騎士道物語の恋愛譚とは違い、現実的で分析的。
プレヴォーの『マノン・レスコー』、ラクロの『危険な関係』などを経て、スタンダールの『赤と黒』によって確立。『クレーヴの奥方』を換骨奪胎した『ドルジュル伯の舞踏会』もある。
人間の行動について分析して解説するので、男女ともに幼稚というわけにはいかない。かといって、大人では物語が進みにくいため、純朴で世間知らずの青年が、高貴で知的で分別のある人妻に恋をして結実させるが、不倫がいつまでも続くわけもなく、最後は飽きられるなどして破局を迎えるのが定番。
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