サポ限に書いていたこと25 物語の型・2
民話や昔話、童話などはシンプルな起承転結で構成され、様々な型で書かれています。
「復讐譚」には、『かちかち山』や『さるかに合戦』があげられる。老婆を殺したたぬきやカニを騙したサルに仕返しをする話であり、仕返しをする側から見れば復讐譚だが、悪事を働いた側に焦点をあてれば、『こぶとりじいさん』や『おむすびころりん』と同じ、因果応報譚になる。
貧しかった自分に復讐するなら、サクセスストーリーになります。
「勧善懲悪譚」には、『桃太郎』や『三年寝太郎』、『こぶ取り爺さん』があげられる。正義と悪、平和と戦争、無欲と強欲は相反するものだが、善悪のない弱者と強者の場合、善は善らしく、悪は悪らしく書く必要があります。
悪に身を落とした主人公に罰が下れば、因果応報譚になります。
「変身譚」は、人間が人間でないものに変身してしまう物語。オディプスの『変身物語』の神話にもみられ、カフカの『変身』や中島敦の『山月記』などもある。『鶴の恩返し』『狐女房』『雪女』もあり、これらは異類婚姻譚にも分類されます。
男が女に(女が男に)なったり、狂人になったり、通常の自分ではなくなる状態も含むため、恋愛小説なども変身譚に含まれます。
最後、元の状態に戻ることで結末を迎えます。
「異類婚姻譚」は、人が人以外のものと結婚する話。神婚と動物婚がある。恩返しに来た動物と結婚するが正体が発覚して去っていくパターンや、一度は承諾するが後に反故にして罰が当たるパターンなど様々ある。子供が生まれる異常誕生譚も、異類結婚譚の変形といえる。異類であるがゆえに、様々なトラブルが起きる恋愛小説に発展することもできる。
「報恩譚」とは、『笠地蔵』『鶴の恩返し』のような恩返しストーリー。主人公は何者かを助け、あとで助けられたものがやてきて恩返しをする。動物にお礼されるのを動物報恩譚といい、善行のお礼に富がもたらされるものを致富譚という。
『浦島太郎』は動物報恩譚であり、致富譚でもあり、結末を見ると、因果応報端でもある。
禁忌を破った結果、罰が当たるパターンは世界各地にあり、人類根源的なテーマといえます。
「逃走譚」は、神話にみられるこの世ではない何処かへ行って帰ってくる異端訪問譚の帰還部分である。
『三枚のお札』のように、三つのアイテムを投げて逃走を助けるのは呪術的逃走といい、逃走譚の典型は『ジャックと豆の木』であり、巻き込まれが手を当てはめれば、逃亡劇、奇人がついフオされれば貴種流離譚となります。
「信仰譚」は、主人公にはなんらかの信仰を持っているが、出来事がおきて、信仰が揺らいだりやめたりするものの、最終的には進行を取り戻すストーリー。信仰を、自分を信じる心とすれば、サクセスストーリーとなるし、自分を信じる心の再生とすれば、アイデンティティー回復譚となります。
自分以外のもの、試される友情の場合は、太宰治の『走れメロス』となり、対象が恋人や配偶者なら恋愛、結婚小説となる。信仰が大きく揺らぐ事件を起こせるかどうかが、大切となっています。
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