サポ限に書いていたこと22 お話の構造
■構造を考える
構造とは、そのものを作っている根本的要素のこと。
カレーとシチューと肉じゃがは同じ料理である。
肉とじゃがいもと人参と玉葱を煮て、最後に味をつける。
カレールウを入れればカレーとなり、シチュールウならシチュー、醤油なら肉じゃがになる。
構造を考えれば、カレーとシチューと肉じゃがは同じ。
ただ、料理を知っていないと構造として思いつかない。
カレーとシチューは洋風であり、肉じゃがは和風。
カレーはインドであり、シチューは西洋。
それぞれ別なものととらえてしまう。
ドラえもんと、こち亀は同じ構造でできている。
ドラえもんは、いじめられたのび太がドラえもんに泣きついてなんとかしてもらうけれど、自分の欲で使いすぎて失敗する話。
こち亀の主人公の両津勘吉は、のび太とドラえもんが一つになったキャラクター。両津は自分の欲に負けて、上手くいっていたはずのビジネスを失敗して終わる話。
どちらも、主人公が自業自得でダメになる。そのために、毎回毎回新しいアイデアがでてきて、上手く行きそうでダメになる構造でできている。
ちなみに、アンパンマンも同じ構造でできている。
主役はアンパンマンなのだけど、主人公はバイキンマンである。
ドキンちゃんに頼まれてなんとかしようとするも、アンパンマンに負けて、上手くいっていた計画が失敗して終わる話である。
構造だけを考えれば、いろいろなアイデアが作りやすくなる。
アイデアとは、一つのものを考えるとき、それと似たものはなんだろうと考えるとこから出てくる。
構造から構成を作るのは、楽曲のコード進行と同じ。
泣かせるコード進行や、ドラマチックなコード進行はすでに決まっている。
名曲のコード進行をもってきてもパクリではない。
コード進行の上にメロディーを乗せてつくった曲に、著作権が発生するのだ。
構造が同じなものはパクリではなく、アレンジと呼ぶ。
作品を作るとき、メロディーに当たる表面や絵柄や名前などを持ってくるのではなく、作品の構造を持ってくることはパクリではない。
エヴァンゲリオンの構造をみてみる。
主人公は、人であり神の力を持った人外の存在であり、正しき心、魂を持っている。
敵は、主人公と同じ人外の力を持った神になりたい人や組織であり、主人公に取って代わろうとしてくるため戦う。
主人公は、人間側の下部組織(家族、仲間)に所属し、調べられたり使われたりする。
そんな下部組織を運用しているのが上部組織(王国、裏組織)であり、上部組織を操っているのが黒幕のヒールである。下部組織は上部組織と敵対関係になる。
黒幕は、主人公と敵対している人や組織と手を組み、利用している。
スーパー戦隊や仮面ライダーの特撮、ガンダムなどのロボットものや異世界転生もののアニメ、庵野作品(ナディア、エヴァ、シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダー)などなど、同じ構造で作られている。
無から有は生まれない。
ゼロからお話を考えようとせず、自分の好きなヒット作から構造を抜き出し、アイデアを加えて物語を生み出そう。
■作品の評価
アニメの評価だが、あらゆる作品についても有効と考える。
作品評価には、五つの要素がある。
一、パケージ
年齢や時間、制限や枠のなかで、どれだけ頑張っているか。
論理的な構成、ストーリー展開されているか。
二、新しさと古くなりにくさ
十年後や二十年後、先の時代になっても通用するテーマか。
三、動きやセンス
声優や音楽、演技や表現。
新しさやカッコよさなど、見せ方はどうか。
四、社会性
印象や独創性、関心度や面白さ。今の時代に必要か。
良い影響を与えるものでなくてはならない。
五、ビジネス
売り上げはどうか。全体的にどうだったか。
各二十点ずつ、合計百点。
作った作品がどのくらいの点数を付けられてるのか、自分で評価してみると、応募したら最終選考にまで行けるものなのかどうかの目安になるかもしれない。参考までに。
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