読者ファーストを心がける・1
ウェブ小説と一般書籍の大きな違いは、閲覧環境が一つではない点である。
現在ウェブ小説は、PCで読む人ばかりでなく、スマートフォンやタブレットで読む人もいる。
むしろ、スマホで見る人が大多数であろう。
画面の小さいスマホで読む人にとって、書籍のように改行の少ない文章レイアウトでは読みづらい、と思うことが多いはず。
携帯電話で読める、ケータイ小説が流行った二〇〇〇年代。
携帯の画面にあわせて、改行を多く、行と行の間を広くとるレイアウトが流行った。
普段、本の小説を読む習慣のない人にも、むずかしく見えなくし、読んでもらうための工夫であり、この流れを現在の小説投稿サイトも受け継いでいる。
会話文が連なったり、状況説明や心情の地の文が続いたり、読みにくなる場合、一行あけのレイアウトをして読みやすくしたい。
スマホから小説掲載サイトにる投稿されている作品を読む人は、あまり書籍の本を読まないかもしれない。
だから、簡単な文章でわかりやすく、エモい作風が好まれるのだと推測する。
■ 良い文章に共通する三要素
「ストレスなく読める」
「理解しやすい」
「内容に信頼感がある」
この三つの要素を身につければ、文章は良くなる。
読者にとって文章の良し悪しを見分けるプロは、「編集者」と「校閲者」の二者がおり、それぞれ見ている点が異なる。
■編集者の見る点
全体構成ができているか。
企画意図が伝わる見出しになっているか。
見出しの順番が適切か、矛盾はないか。
文章に、わかりにくい表現はないか。
意味が曖昧だったり、言葉が難しかったりしないか。
テンポよく読めるリズム感になっているか。
不要な文章はないか。
内容が薄かったり、なくても伝わる部分はないか。
読み進めたくなる展開ができているか。
さらに編集者は、
「読者を惹きつける書き方ができているか」
「ストレスなく理解できる文章が書けているか」
「読後の満足度が高いか」
といった内容にも目を配っている。
■校閲者の見る点
文法に間違いがないか。
適切な表現が使われているか。
簡潔に書かれているか。
どちらともとれる曖昧な表現がないか。
重複している文章はないか。
内容に矛盾がないか。
事実関係に誤りがないか。
校閲者は、文章の間違いを確認するだけでなく、
「読者にとっての読みやすさ」
「わかりやすさ」
「正確かつ簡潔に伝わる文の構造」
になっているかを見ている。
つまり、両者が見る部分に違いはあっても、「読者にとって良い文章」であるかを見ている点は共通している。
作品を応募する際、「読者にとって良い文章」になるには、どこを気をつければいいかを、四つにまとめてみる。
一、文章の構成を決める
同じ内容が書かれていたとしても、どの順番で話を展開してみせていくかで、読者が受け取る印象は大きく変わる。
文章の構成には、パターンがある。文章の種類、読者に何を伝えたいかに合わせて、適した方法を選択する必要がある。
文章を書く目的は、大きくわけて二つある
「PREP」要点を分かりやすく伝え、説得力や納得感を高める。
「起承転結」ストーリーの面白さを伝え、関心や共感を得る。
前者は、論文や説明などに用いる。
PREP(プレップ)法とは、論理的な文章を書くための型であり、結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論の文章構成である。
最初と最後に要点を説明するため、説得力を感じさせるメリットがある。
小説には不向きなので割愛。
「起承転結」
ご存知かもしれませんが、起承転結の構成とは、物事の始まりから終わりまでを順に説明していく方法。
「起」物事の前提を説明する導入部分。
「承」物事の始まり、何が起きたか。
「転」物事が転換する事柄や場面。
「結」結果、どうなったのかを書く。
起承転結の構成は、読者のイメージや感情に訴える力がある。
一方、結論を示してほしい場面には適していない。
文章の目的によって、使い分けるようにしましょう。
二、見出しをつくる
全体構成を決めたあと、見出しをつくる。
見出しとは目次、サブタイトルを指す。
読者は、はじめに見出しを見て読みたい内容かを判断するため、文章内容がひと目でわかるよう意識してつける。
見出しをつくるときの基本ルール。
階層をわけて整理する。
「大見出し」「中見出し」「小見出し」。
読者が理解しやすい順番にする。
「大きな項目」のあと、「小さな項目」。
「概論」のあと、「各論」。
「概要」をして「詳細」のあと、「補足情報」。
時間の流れなら、「先」から「後」(例外あり)。
見出しとは、文章の骨組み。見出しに違和感があると、文章のつながりが悪く、読者にわかりにくいと判断されてしまう。
読者目線に立って、「階層が揃っているか」「わかりやすい順番になっているか」を見直し、理解しやすい流れにすることを心がける。
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