サポ限に書いていたこと11 種類とレーベル・ライト文芸2
・宝島社
「宝島社文庫 このミス大賞シリーズ」
一九八八年に刊行が始まった『このミステリーがすごい!』(『このミス』)の知名度が高まったことを受け、二〇〇二年に宝島社、NEC、メモリーテックの三社が創設したミステリー小説の賞『このミステリーがすごい!』大賞(略称は『このミス』大賞)である。
ミステリー小説の新人賞であり、日本のミステリー小説の登竜門として知られている。
『このミステリーがすごい!』大賞の大賞や優秀賞を受賞した作家の単行本が文庫化される際、『このミステリーがすごい!』大賞シリーズとして宝島社文庫に収められる。
・新潮社
「新潮文庫nex」
創刊は二〇一四年。
ライトノベルとは一線を画し、キャラクター性と物語性(文学性)をあわせ持ったエンターテインメントを目指したライト文芸を扱っている。
出版社が「ラノベレーベルではない」とキッパリ否定しているのでラノベではない。でもメディアワークス文庫と同じく、狙っている読者はラノベを好む層と重なり、作家ラインナップと装丁はラノベ寄りのデザイン仕上げの傾向がある。
・文藝春秋
「文春文庫」
創刊は一九七四年。
ミステリー、時代小説、エッセイ、雑学などさまざまなジャンルの作品を扱う。
・ポプラ社
「ポプラ文庫ピュアフル」
ジャイブがピュアフル文庫を二〇〇五年に創刊。
主に中・高生と青春小説好きの大人を読者対象としており、児童文学とライトノベル、一般文芸の中間的なポジションの作品がラインナップの中心を占める。
十代を主人公にした小説を中心にセレクトしているのが特徴。「心にしみる、心がふるえる 珠玉の青春セレクション」がキャッチコピー。
二〇〇九年、発売・発行元をポプラ社へ移管し、「ポプラ文庫ピュアフル」として再スタートとなる。
・河出書房新社
「河出文庫」
創刊は一九八〇年。
「知的好奇心に満ちた電車に乗り、ジャンルを超えてどこまでも旅を続けられるような本を提供すること」を目的としている。海外文学に特化しており、ジェイムズ・ジョイスやイタロ・カルヴィーノなど、玄人好みの作品が入っている。一九八九年と二〇〇五年に装丁を一新。姉妹レーベルとして、性風俗・セクソロジーを中心に扱う「河出i文庫」、雑学を中心に扱う「KAWADE夢文庫」がある。
・徳間書店
「徳間文庫」
創刊は一九八〇年。
主にミステリーなどの娯楽小説を扱っている。
サブレーベルとして、実用・教養系作品を扱う「徳間文庫カレッジ」と、時代小説の「徳間時代小説文庫」がある。
二〇二一年より、復刊専門の文庫内レーベルとして「トクマの特選!」が刊行開始された。
「トクマ・ノベルズ」
創刊は一九七四年。
ミステリー作品やサスペンス作品の他、ハードボイルド小説、SF小説、伝奇小説などが刊行されている。
徳間書店から発行された単行本のノベルス化や書き下ろし作品の他、同社発行の月刊小説誌「読楽」(旧「問題小説」)やSF専門誌「SF Japan」に連載された作品が収録されるケースもある。後に、徳間文庫に収録されることが多い。
サブレーベルとして、トクマ・ノベルズEdge(TOKUMA NOVELS Edge)、トクマ・ノベルズ新伝奇(TOKUMA NOVELS 新伝奇)、トクマ・ノベルズ・ミオ(TOKUMA NOVELS MiO)がある。
・双葉社
「双葉文庫」
創刊は一九八二年。
書き下ろしの他、単行本やフタバノベルスの文庫化、『小説推理』に連載された作品の文庫化などが収録されている。
扱うジャンルは、ミステリー、ハードボイルド、恋愛小説、時代小説、官能小説、ゲームブックなど幅広い。
文庫内シリーズには、「双葉文庫 comico BOOKS」「双葉文庫名作シリーズ」などがある。
「comico BOOKS」とは、小説アプリcomicoに連載されたcomicoノベルを書籍化したもので、二〇一五年に創刊された。
「双葉社文庫ルーキー大賞」を行っており、応募はシンプル。日本語で書かれた広義のミステリーおよびエンターテインメント小説・時代小説で、四〇〇字詰め原稿用紙二〇〇~四〇〇枚以内(字数ではなく原稿用紙換算)の作品。新作はもちろん、紙媒体及び電子・オンデマンドで刊行されていない作品であれば、ウェブ小説投稿サイトに掲載された作品も応募可能。締切はなく、通年募集。編集者が選考し、おもしろければすぐに双葉文庫から刊行受賞賞金はなく、受賞作を刊行した場合、弊社規定の印税が支払われる。
・早川書房
「ハヤカワ文庫JA」
創刊は一九七三年。
日本人作家のSF専門レーベルとして創刊。
ナンバーワンは小松左京『果しなき流れの果に』。
一九九五年からは日本人作家ならジャンルは問わず、エッセイや漫画などの他ジャンルも包括した国内総合エンタメレーベルとして刊行を続けている。
背表紙が特殊デザインになっているものも一部存在する。
二〇一〇年には表紙デザインを統一し、ライトノベル系の作家やイラストレーターを起用した書き下ろし作品シリーズが刊行されるも、次第に差異がなくなり、統合されている。
JA以外にも、「ハヤカワ文庫SF」「ハヤカワ文庫NV」「ハヤカワepi文庫」『ハヤカワ文庫HM」「ハヤカワ文庫NF」「ハヤカワ演劇文庫」「ハヤカワ時代ミステリ文庫」「ダニエル・キイス文庫」「アガサ・クリスティ文庫」「トリイ・ヘイデン文庫」などのサブレーベルがあり、それぞれ異なるジャンルの作品が収録されている。
・東京創元社
「創元推理文庫」
創刊は一九五九年。
国内・海外のミステリー小説を中心に扱っているが、SF、ホラー、ファンタジー、ゲームブックなども扱っている。
復刊フェアを毎年開催しており、品切れ中の文庫作品を対象としている。hontoでのランキングでも人気が高い。
「創元SF文庫」
創刊は一九六三年。
創元推理文庫の「SF部門」として始まり、一九九一年に現行の「創元SF文庫」と名称を変更、独立した叢書となった。
二〇〇七年からは、日本人作家のSF作品も刊行されている。
・アルファポリス
「アルファポリス文庫」
創刊は二〇〇六年。
誰でも自由に作品を読めて書くことができる総合エンターテインメントサイト、アルファポリスが出版するライトノベル系文庫レーベル。
異世界系やファンタジーなどのジャンルが人気。
投稿された作品の中から編集部が優秀な作品を選び、書籍化して出版している。また、投稿者が一定のポイントを貯めることで、出版申請ができる。
・白泉社
「招き猫文庫」
創刊は二〇一四年。
キャッチフレーズは「ネコろんで読める時代小説」。
時代小説専門のレーベル。
中心読者は三十~四十代。
キャラクター小説の感じを残しつつ、歴史小説は扱わない。
残酷なものや他社にあるエロもなし。
具体的には、畠中恵の「しゃばけ」シリーズや高田郁の「みおつくし」シリーズなどをイメージするとわかりやすい。が、既存作品を書いても意味はない。
市井の人情を描いたものからサスペンス、アクション、ファンタジーやあやかしなど、多岐にわたるジャンルの時代小説を扱っている。
時代設定は戦国時代から明治初年まで。かといって、現代人外タイムスリップする設定だと時代小説といえるか微妙。
他のレーベルには見られない斬新なカバーイラストレーションが特徴。少女漫画家を表紙に起用するなど、斬新な試みを行っている。
招き猫文庫は、ロマンチックな関係やファンタジー要素に焦点を当てた物語を特徴とする「萌え」などのライトノベルではない。 現実世界の設定が多く、軽めのミステリー的な話が多い。初めての方でも手軽に読めるような作品も多く、幅広い読者層に支持されている。
「招き猫文庫時代小説新人賞」
時代小説がブームであり、女性読者が四割。かといって男性向けのタイトルやジャケットでは売れない。そこで、少女漫画家を表紙に起用。三十~四十大女性読者を意識したもので、既存時代小説にありがちな作品はダメ、残酷、エロもダメ。主人公がたったキャラクター小説の感じがあり、戦国時代から明治初期まで。いままでにこんな時代小説が合った? と枠にとらわれないものが求められている。
・一迅社
「メゾン文庫」
創刊は二〇一八年。
「物語と、暮らそう。」がキャッチフレーズ。
二十~四十代の女性を対象としたキャラ文芸レーベル。
食・あやかし・恋愛・結婚・バディもの・旅行など、女性の「好き!」に特化している。
身近なシチュエーションからはじまる、読者が共感できる物語で、読者の気持ちが暖かくなったり涙が出たり、毎日を生き抜く人たちの心を揺さぶるような魅力的な作品。
「小説家になろう」から作品を応募できる。
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