サポ限に書いていたこと7 種類とレーベル

 小説の種類と出版社のレーベルをまとめてみた。

 近年、紙の書籍市場が厳しい中、児童書市場は四年連続でプラス成長と堅調に市場規模を拡大させている。

 児童書といえば、本来小学生までが読むものであった。

 昨今は作品によっては中学一、二年生の女子が読んでいるケースも多くみられる。      

 読者層を基本女子にターゲットとして力を入れる傾向がみられる。

 児童書市場も異世界ファンタジーものを増やしている。

 児童文庫市場は角川つばさが一位、講談社青い鳥文庫が二位が10年近く不動だったところに続々と何社も参入してきた。二〇二〇年には『鬼滅の刃』ノベライズの大ヒットによって集英社みらい文庫が二位に浮上。そこに野いちごジュニア文庫が創刊早々にノベライズなしで三位につけている。

 


■児童文庫系列

・講談社

「青い鳥文庫」

 創刊は一九八〇年、「子どもが初めて自分で選ぶ本」「自分ですすんで読む本」というコンセプト。

 イメージカラーは青。

 「クレヨン王国」「夢水清志郎」「パスワード」「若おかみ」「黒魔女」「探偵チームKZ事件ノート」「氷の上のプリンセス」「怪盗クイーン」「人狼サバイバル」などのシリーズ作品が多数。


・KADOKAWA

「角川つばさ文庫」

 創刊は二〇〇九年、「子どもたちの『読みたい気持ち』を応援する」がコンセプト。キャッチコピーは「本をひらけば、どこへでも」。

 レーベル名に、物語の世界を自分の「つばさ」で自由自在に飛び、未来をきりひらいてほしいと願いが込められている。

「ぼくら」「怪盗レッド」「四つ子ぐらし」「本当はこわい話」などのシリーズものがある。

 一般向けを児童向けにして発行しているのも特徴。

 翻訳シリーズに関して、イラストがかわいく、親しみやすい工夫がされている。

 イメージカラーは緑。

 書店棚を席巻している児童文庫シェアNo.1。


・集英社

「集英社みらい文庫」

 創刊は二〇一一年。「いつでもどこでも、すぐに続きを読みたくなるような、魅力的な本」「本がくれる、心がキラキラする瞬間を体験して欲しい、楽しんで欲しい」がコンセプト。

「青星学園★チームEYE-Sの事件ノート」「電車で行こう」「絶望鬼ごっこ」「絶叫学級」「迷宮教室」「海色ダイアリー」「ラストサバイバル」などのシリーズがある。

 漫画、映画、ゲームのノベライズや一冊完結、数冊出た状態で止まっているものなど、細々した作品が多い。『鬼滅の刃』のノベライズはここが出している。

 イメージカラーは黄色。


・小学館

「小学館ジュニア文庫」

 創刊は二〇〇九年。

 小学館ジュニア文庫のマークにしている『四つ葉のクローバー』には、「愛」「やさしさ」「想像力」「勇気」という幸せで豊かな人生を送るために必要なものが込められている。成長に栄養が必要なように、心を育てていくには読書が欠かせないとあり、「心を豊かにしていく本」がコンセプト。

「名探偵コナン」「天国の犬ものがたり」「ドラえもん」「ユニバーサル映画」「山田悠介シリーズ」「映画ノベライズ」「アリス&ペンギン」「白魔女リン」「ギルティゲーム」などのシリーズものがある。

 ファンタジーや学園小説、人気アニメや映画のノベライズ作品などを扱っている。

「アオアシ」や「青のオーケストラ」など漫画原作の小説化も行っている。


・ポプラ社

「ポプラキミノベル」

 創刊は二〇二一年。

「キミとつながる、エンタメノベル文庫」と銘打ち、デジタル社会に合わせて店頭だけでなく、WebやSNS上でのコミュニティを活性化させていく方針。情報発信や意見交換をおこなう場を増やし、読者と双方向でコミュニケーションを取ることも目標の一つにしている。

 ライトノベル作は扱っていないが、ライトノベルジャンルでヒット作を生み出してきた小説サイト作家の意欲作も扱っている。「かがみの孤城」「星の王子様」

「しあわせ動物園 スゴイ飼育員の本当の話」「E.T. THE EXTRA-TERRESTRIAL」「小説 魔入りました!入間くん」なども扱っている。


・岩崎書店・金の星社・童心社・理論社の共同出版

「フォア文庫」

 創刊は一九七九年。

 名称の「フォア(FOUR)」は、協力出版している岩崎書店・金の星社・童心社・理論社の出版社を表している。

 イメージカラーは赤。

 対象とする読者年齢層により、アルファベット分類を行っている。

 A 小学校低・中学年向き

 B 小学校中・高学年向き

 C 小学校高学年・中学生向き


・岩波書店

「岩波少年文庫」

 創刊は一九五〇年。児童文学の名作を扱っている。

 少年文庫創刊七十年のキャッチフレーズは「冒険してる?」

「モモ」「ドリトル先生」「星の王子さま」「メアリー・ポピンズ」など、収録作品数は四百六十を超える児童文学作品がそろっている。


・偕成社

「偕成社文庫」

 創刊は一九七五年。

 児童向けではあるが、海外作品については完訳を基本とし、原書の表紙や挿絵を使用。日本の古典作品などは、他社出版された再録も多い。他に、推理・探偵小説、現代の創作児童文学、ノンフィクションに至る幅広いラインナップがある。

 読者は小学三・四年以上、小学五・六年以上、および中学以上を想定している。


・スターツ出版

「野いちごジュニア文庫」

 創刊は二〇二〇年。

「ドキドキ」「胸キュン」したい女子小中学生のための児童文庫レーベル。

 児童文庫市場で第三位。

 無料で読み放題のケータイ小説・恋愛小説サイト「野いちご」に掲載された小説を、読みやすくして可愛いイラストとともに届けている。

 ジュニア文庫の読者の中心は十~十四歳。まだスマホを持っておらず、サイトの存在を知らずに読んでいる読者も多い。

 人気のあるジャンルは一番は恋愛、溺愛。次いでホラーと青春。

「一途に愛される」ことを冒頭からわかりやすく示しているのが特徴。

カバーに複数人出てくる作品であっても、誰がヒーローで誰がヒロインかがわからないもの、主人公が誰と恋愛するのかがわからないものは扱っていない。

 優しいけれどもリードしてくれてめちゃくちゃ褒めてくれる男の子、積極的にはなれなくてなかなか本心を言えない女の子というのが定番。今では強引な男の子はほとんど受け入れられません。お互いの意思を尊重して想いを抱き合う方が支持される。

 読者からは「溺愛」というワードに引きがあって、「はじめから一途に想われている」ものが「野いちご」では鉄板。なので、女嫌いな男の子は他の女子と話さないので好まれやすい。ヒロインの男嫌いも同様。

 

・アルファポリス

「アルファポリスきずな文庫」

 創刊は二〇二二年。キャッチコピーは 「きみと、一緒。」

 小学生・中学生のための「読みたい! 楽しい! おもしろい!」がたくさんつまった児童書レーベル。異世界ファンタジーを中心としたさまざまな作品をラインナップしている。

 読者層ターゲットを基本、女子にしている。

 アルファポリスが女性向けのファンタジー小説を刊行するため、二〇一〇年に立ち上げたレジーナブックスで大人気の「ほっといて下さい」「えっ︖ 平凡ですよ︖︖」「異世界でカフェを開店しました。」シリーズが児童文庫として登場するほか、オリジナル作品も続々刊行。


・双葉社

「双葉社ジュニア文庫」

 創刊は二〇一五年。

 小学校高学年から中学生をターゲットにした小説レーベル。 

​ 銀河鉄道の夜などの児童文学、​読み物も刊行。

 ​アニメやマンガのノベライズ、​一般文芸のジュニア文庫版などを刊行しているが、​ウェブ小説書籍化作品のジュニア文庫版が刊行ラインナップで大きな割合を占めている。​たとえば、​『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』『ゴメンナサイ』​『カラダ探し』​『京都寺町三条のホームズ』​『復讐教室』​『君の膵臓をたべたい』などがある

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