サポ限に書いていたこと6 応募先のレーベル
『小説を書く前に、応募先のレーベルを確認しよう』
レーベルとはラベルの意味です。
音楽レコードに貼り付けられていたラベルを指していた言葉であったが、現在の出版業界では「ブランド」と同じ役割を果たしている。
KADOKAWAの出版社には、「電撃文庫」「角川ホラー文庫」「角川スニーカー文庫」「角川ルビー文庫」「角川ビーンズ文庫」などなど、レーベルが複数存在している。
出版社だけでなく、レーベルによって読者層も異なっている。
それぞれのレーベルにどんな特色があるのかを知るには、新刊ラインナップや人気シリーズ、看板作家などの重版がかかっているものを読むとわかりやすい。
児童文庫は、小中学生をメインターゲットとするジャンル。
児童文学とは違い、新書サイズでレーベル名に『文庫』がついている作品を指す。
当初は小学生をターゲットにしていたが、シリーズ物が多く、読み続けているうちに読者が中学生になっていくため、読者層が中学生にまで拡大している。
ラノベに移行する前の書物として、軽い文体で読みやすく、わかりやすく書かれた娯楽小説。
冒険ファンタジーやホラー、ミステリーなどエンタメ性が強い作品が多い傾向がある。最近ではライトノベルに似たタッチの表紙絵や、ライトノベルを児童文学風にアレンジした作品なども増えてきた。ただし、恋愛以外のカテゴリーで恋愛要素は描かれない。仲良くなることはあっても、キスはしない。性的なことは描かないのが特徴。
ライトノベルは、中高生をメインターゲットとするジャンル。
実際の読者層は十代から四十代までと幅広く、読まれている多くは三十代といわれる。彼らは少年心を持ち続ける読者である。
軽い文体で読みやすく、わかりやすく書かれた娯楽小説。
SF、ホラー、ミステリー、ファンタジー、恋愛などの要素が多く扱われている。以前は、ハイファンタジー作品が席巻していた。近年では現代ファンタジーや青春ものに拡大し、異世界を舞台にした作品も定番となっている。
なろう系は、ライトノベルの中でも、『小説家になろう』から受賞してデビューした作品を呼ぶ。また、類似した作風の小説傾向も指す。RPGの要素の強いファンタジー作品が多い。
現代で不遇な人生を過ごしていた取り柄のない主人公が異世界に転移、あるいは転生し、現代の知恵や知識、道具を用いて一躍ヒーローとなる。悪役令嬢に転移、転生した主人公が、ゲーム世界の設定の知識や現代の知恵などを用いて危機回避をする乙女系作品などもみられる。
ライト文芸は、ラノベの少女小説から派生したジャンル。
ラノベとの定義は曖昧であり、読者傾向は若年層よりも大人向けのライトノベルと認識される。
ライト文芸には、キャラ文芸やキャラクターミステリー、少女小説と呼ばれるものが含まれている。
キャラ文芸とは、キャラクターの強い主人公をメインキャラにし、心理描写や社会風刺など文芸要素を扱った作品。
キャラクターミステリーとは、日常で発生した謎をキャラクターの強い登場人物が解決していく作品。
少女小説とは、中高生の女子をメインターゲットとしている娯楽小説。または、少女向けライトノベルと呼ばれる。
読者層は十代から四十代くらい。多くは三、四十代。彼女たちは少女心を持ち続けている読者である。
ファンタジー世界では恋愛をメインに書かれる作品が多く、華やかさや姫や王子など、女性の憧れるロマンティックな要素が盛り込まれた作品が多い。
乙女系とは、女主人公でプレイする乙女ゲームや夢小説のような、女主人公と男性キャラクターの恋愛を扱った女性向け作品を指す。夢系、姫系、ゆるふわ系、愛され系など様々に呼ばれる。
女子読者をターゲットとしている。読者の多くは三、四十代。彼女たちは乙女心を持ち続けている読者である。
恋愛関係が描かれ、トランスジェンダー要素が入ることもある。
日常系、ブロマンス、愛憎劇との境界線はかなり曖昧である。
女性向けのマニア系であり、腐向け(ボーイズラブ)、創作男女(ティーンズラブ)と並ぶ一大ジャンルである。
ライトノベルの中でも一番懐が広いのが「電撃文庫」と言われている。
「どこに出していいかわからないと迷われているなら送ってください」と謳っており、エンタメならなんでもアリなところ。
同じように、ライト文芸でなんでもいいのが「オレンジ文庫」と言われる。
コバルト文庫の流れから生まれたところなので少女物語(少女向け)でなければダメ、とは決して言えない。
全体の流れとして、最近は特にどのレーベルもなんでもありになって来ている。それでも、暴力はダメとか魅力的なヒロインは必要とか、それぞれの特色や差異がある。
一般文芸とは、エンターテインメント小説のことであり、読者に楽しい時間を提供する作品。大衆文学や通俗文学とも呼ばれていた。作品テーマやメッセージがわかりやすく示されている物が一般的。
純文学とは、純粋に芸術作品として書かれた小説。
読者に買ってもらうことも重要なため、娯楽性がないと成立せず、一般文芸との線引が難しい。情景や心理描写を修飾や比喩表現で飾られている。作品テーマやメッセージがはっきり書かれておらず、読者に考える余地を残すことで芸術性を高めている。
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