添削しよう2

■ひらくのがおすすめの語句


・連体詞(名詞を修飾する語)の一部

 色々な    いろいろな

 色んな    いろんな

 所謂     いわゆる

 此の・其の  この・その

 様々な    さまざまな

 などなど。

 漢字の意味そのままで名詞を修飾する語は、漢字で書く方が一般的です(大きな、小さな、単なる、名だたる、主たる、例の、件の、当の、我が、我らが など)


・副助詞はひらく

 ~位  ~くらい/~ぐらい

 ~等  ~など(列挙して「とう」と読ませる場合は漢字)

 ~程  ~ほど

 ~迄  ~まで

 など


・ひらがなで表記するのが一般的な語

 有る・無い  ある・ない(モノの有無を表す場合を除く)

 予め     あらかじめ

 致します   いたします

 一旦     いったん

 是非     ぜひ

 そう言えば  そういえば

 沢山     たくさん

 出来る    できる

 ~と言う   ~という(発言している場合を除く)

 ~の様な   ~のような

 共に     ともに

 中々     なかなか

 良い     よい(良し悪しを表現する場合を除く)


 漢字にするか、ひらがなにするかの判断基準は、自分の中で明確に決めておくといいでしょう。その日の気分で、なんとなくコロコロ変えるのでは困ります。

 私小説での意図した表現や、古風な時代を表現するために漢字を用いるなど、明確な理由を持ちましょう。


 名詞や動詞、形容詞の語幹はなるべく漢字を使いましょう。

「ここではきものをおぬぎください」

 と、ひらがなにしていては、読みては迷います。

「ここで履物をお脱ぎください」なのか「ここでは着物をお脱ぎください」なのか。

「おどろいたことに」も、「驚いたことに」と漢字にするから驚いたことがわかるのです。

 漢字にすることで視覚効果が働き、読者の目に飛び込みやすくなり、登場人物が驚いたことがわかりやすくなるのです。

 そのためにも、漢字とひらがなのバランスが大切になってきます。

 なので、先に書いた『ひらがな表記』は、ここぞと強調する部分は閉じる(漢字にする)、それ以外はひらく(ひらがなにする)と捉えて、その塩梅は作者が決めればいいでしょう。

 後で校正が入って、直してくださいといわれたら、こだわりがなければ漢字をひらき、読みやすい文章にしてください。


 男性で自分のことを「私」という人がいます。

 もちろん女性も使います。

 小説で描きわけるとき、男性を漢字、女性をひらがなにすると、呼んでいる側も誰が話しているのか理解しやすいでしょう。

 どうして漢字が男でひらがなが女なのか。ひらがなの成り立ちから来てると思ってください。

 漢字を崩してできたひらがなを、おんながなと平安時代には呼ばれていました。


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