ときめく指先

食連星

第1話

本屋が無くなって数年。

昔は、あ…とか指先が触れて…

同じ本取ろうとした出会いとか、

俺、その本取りましょうかとか言って

高い位置の本を長い背活かして取ってあげるとか、

あったみたいだけれど。

何だか

夢物語だ。

学内の図書館も端末からアクセスする。

想像が…つかない。

究極のエコ化で、

紙は一級品。

ペーパーレス化で、

うっすくかっるい端末持ち歩いて膨大な情報が入る。


アンモナイトを調べろという、

これまたアバウトな課題。

俺は特Aが欲しい。

Aにスラッシュ入ったやつ。

アンモナイトで検索かけて上からメジャーな

資料が表示されてくる。

だけれど、

俺は逆から資料を探してく。

所謂マイナーな資料から出してくると、

他の奴らを抜きんでるものが出来ると踏んだわけ。

あんまり酷く難解なものもなー。

頂けんよ。

あー…あっ

この辺り。

アンモナイトが如何に、とか

煽り良過ぎる。

ここ位でいってみっか。


押すと驚く。

何だ、これ。

俺じゃないけど、

人が映る。

口に手を当ててグリグリ左右に動かす。

相手は目をまん丸くしているのみ。

何処かに繋がった。

「あー俺、アンモナイトを調べてて。

押したら繋がったんだけど。」

そちら誰さん?

別に女の子で不自由していない。

学科にもそこそこいるし。

考古学なんて可愛いの一大ジャンル。

静かで大人しい感じの可愛い子いてる。

だけど一緒に討論してるとアツさに、

もうそれそうだよなそれでいいよって言いそうになる。


ここ学生寮だから、

ルーターの関係かー?

でも、こんな好みの子いたー?

手を握って口をとんとんしながら、

首を傾ける。

見てたら、枠外から何か持ってきて

装着した。

おぉ!

「埴輪女史ー。」

埴輪女史だ。

「その呼び方止めてください。」

「嫌なのー?

あんなにアツく埴輪語りした仲ー。

眼鏡さー無い方がかっ…いいよ。」

可愛いよを、すんでのとこで言えなかった。

こういうのサラッと言えるんだけどなーおかしい。

「私は撫子って名前がっ」

「撫子ちゃんか。

とっても良き名ーだね。」

「私はっ

課題を調べててっ。」

「うんうん一緒ー。

も一辺出て入ってみよーよ。」

したらば、もう繋がらなかった。

すげぇ難いアンモナイト事情が頭を痛くさせた余計。

だけどー

特別に繋がった仲だから、

また声かけてみよう。

何だったんだろう、あれ。

ついてた。まじで。

いち早で気が付けた俺は果敢にアタックいってみよー。




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ときめく指先 食連星 @kakumi

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