生徒に眼鏡を器用に壊されたのにも、そんな生徒のために木刀を持ち歩くのにもちゃんとした理由がある。
大人の先生たちが恐れを知らない生徒たちに発信する先生としての本当の強さ。
時には嘘をついて生徒を騙すこともありますが、それも教育として定められた運命でもあり、生徒に反論しづらく、肩身が狭い思いをしている先生の弱い立場を上手く表現しています。
という具合に一見どこにでもありそうなスタンスの短編と見せかけ、読み進めると、とんでもないどんでん返しが起こるのもポイントです。
小学生の生徒たちのセリフにも難しい言葉は一切使わず、リアリティを感じさせる文芸でもありますね。
最後にもきちんとオチがあり、中々の力作だと思います。