ぬいぐるみ系VTuber 猫乃わん太

水城みつは

雑談配信回

「こんばんわ~ん、ぬいぐるみ系VTuber、猫乃わん太わん」

今日も夜のライブ配信を開始した。

就寝前のこの時間にリスナーとまったり雑談をするのが日課となっている。


◯ [はじまたー]

◆ [わんわーん]

◯ [こんばんわーん]

◎ [犬なの?猫なの?w]


「ん、初見さんかな? ボクはどう見てもプリチーなミニチュア・ダックスだわん」

くるりと一回転して、短いシッポをアピールした。

ブラック・アンド・タンのつやつやもふもふの毛並みはお気に入りである。


◆ [わんたきゅん、かわわ]

◇ [相変わらずよく動く]

◯ [もふさいこー]


しっぽふりふり、くるくる、のりのりで踊ってみる。


◎ [これ、実写?]

◯ [モデルというかCGのレベルたかすぎ]

◇ [もふもふの表現が意味不明w]


「きょうは雑談配信だわん」

踊るのをやめてちょこんと座る。


◯ [きょうもでは?]

◇ [雑談配信しかみたことない]

◯ [ゲーム配信とかしないの?]


「このお手々ではコントローラー持てないわん」

指のない丸い手をぱたぱた見せる。


◯ [たしかに]

◆ [きゃわきゃわ]

◯ [草]


「身長30センチのこの身体はちょっと不便なとこもあるんだわん」

大分なれたとはいえ、この大きさではできることは限られてくる。

「コントローラーはこんなんだよ」

画面外からゲームのコントローラーをずりずりと引きずってきた。

ボクにとっては上に座れる少し小さなソファーサイズだ。


◯ [え、コントローラー?]

◎ [コントローラー用意してあるとか草]

◇ [ちょ、物理演算?実写ぁ]

◆ [おもちかえりしたい]


 リアルすぎる挙動にチャット欄が騒然となる。

そんな騒がしい雑談の時間が心地よく過ぎていくk。


「みんなおやすみわ~ん」

でかいマウスを操作して配信を終了した。

この身体ぬいぐるみに転生して半年、ぬいぐるみ系VTuberとしての知名度も大分上がってきたと思う。

そろそろ、次のステップに入っても良いかもしれない。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぬいぐるみ系VTuber 猫乃わん太 水城みつは @mituha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ