数ある作品の中から、ふいに不穏なタイトルに出会えた時、我々は少しだけ期待してしまいます。
この「鉄血鬼女の、おしりのくまさん」というタイトルを読んだ時、あなたは何を感じましたか?
僕は正直、「どう笑わせてくれるんだろう?」と思いました。でも冒頭より、シリアスな表記が現れ、見事に僕の期待は打ち砕かれてしまいます。
ただし、この筆者様の他の作品もお読みさせて頂いておりますが、その息遣いが聞こえて来そうな巧みな表現力、的確な文体のリズム、飽きさせず心揺さぶる表記、僕は当初の予想を忘れ、純粋に物語に引き込まれてしまうのです。
「魅了」という言葉があります。
この短い短編を読み、僕は見事に、そして完璧に、「鉄血鬼女」様に「魅了」されてしまいました。「これは恋?」などと考える程、彼女にハート撃ち抜かれてしまいました。
作品の構成における最重大要素はキャラクターの魅力にあります。数多ある女性キャラクターを僕は知っています。それぞれ大好きだから順列はつけられませんが、この「鉄血鬼女」様は今日現在、一躍トップに躍り出る愛しいキャラとなりました。
これは男性読者様だけの話ではありません。女性読者様もきっと彼女を好きになります。この謎を解き明かすには、お読み頂くのが最良の方法となります。
あえて強く、お勧めします。
是非お読みになられてみて下さい。宜しくお願い致します。