俺の日常
「ゆきはるー。そろそろ食い終われー幼稚園に行くぞー」
「わかったー!」
うん。今日の幸春は機嫌がいいな。これなら余裕を持って俺も学校に行けそうだ。
「よし!荷物持ったか?忘れ物ないか?」
「うん!ないよ!」
「じゃ、行くぞ。しゅっぱーつ!」
「しゅっぱーつ!」
ふっ……我が弟ながらノリがいいな。こうも乗ってくれると気持ちがいい。そして周りからの微笑ましい視線は恥ずかしい。
そして途中で草むらに突撃しようとしたり、散歩中の犬に後ろから抱きつこうとしたり、グラマスお姉さんに抱きついてオッ◯ーイて言ったり……マジでごめんなさい。前二つは止められたけど最後のが間に合わなかった……!ほんとあの時平謝りしながら見たお姉さんの苦笑い、俺は申し訳なさと羞恥心で死にそうだった。……それにしてもこの年から二つの山が好きだなんて、弟の将来が心配だ。犯罪を起こさないといいが。
色々あったせいで俺は心身ともに疲弊しながらなんとか保育園に預けて、その足で高校に向かう。
そして、ようやく自分の席に座り「はぁああ〜〜」と息を吐く。
ほんとに疲れた。特に最後のやつが精神的に来た。
そうして俺が消費したHPを回復させていると、一人の男子が話しかけてきた。
「よっ!燈也朝からお疲れだな。今日は何があったんだ?」
こいつは小学校からの幼馴染かつ親友の桐谷
「……なんか変なこと考えてなかったか?」
「変なことってなんだよ。んなこと考えてないよ」
危ない危ない。こいつ変なところで勘がいいからな。注意せねば。
「まぁいいけどよ。……それで何があったんだ?」
「ああ……それがな……」
と今朝あったことをこいつに話し、
「ぷっ……ククっ……あはははは!!何やってんだよお前!?マジ面白え」
「テメェ……!」
こいつ思いっきり笑いやがったな。人ごとだと思って。絶対に許さん。今度来た時こいつのお茶だけ渋くしてやる。……まぁ、俺が将仁だったら笑うと思うがそれとこれとは別だ。
「将仁。次家来た時覚悟しておけ」
「……え、何するつもり?前回の敗れかけの玄関マットがあるわけだし今回は大目に、ね?」
「その前にお前が仕掛けた引き出し開けたらエロ本が一番上にあるってのがあるだろ。それで相殺済みだ」
「くぅ……!」
敗れかけ玄関マットとは捨てる予定だったやつを見た目上だけくっつけておいて、家に来たこいつが踏んでずらした瞬間に破れたように見せるイタズラ。
あの時は青ざめていて少しやりすぎた感がなかったわけでもないが、たまたま居た母さんの前で引き出しを開けてしまった俺に比べればなんてことはないだろう。……あの時はほんと気まずかった。
次の瞬間教室の一部がざわついた。
何があったのかとそっちを向いてみると
「ああ……三枝さんか」
「クラス替えから一週間経つってのに飽きないねぇ」
三枝楓
いわゆる高嶺の花ってやつで、成績優秀、運動神経抜群、品行方正の三拍子が揃った美少女だ。だから、同じクラスだってわかった時の男子共と女子の大半の興奮はすごかった。
「そういえばお前があの輪に加わってないのが違和感あるんだが」
「確かに三枝さんは可愛い。いやどっちかっていうと綺麗か?まぁ男子からすると魅力的だ」
「じゃぁなんで……?」
そう俺が聞くと将仁はグッと握り拳を作り力強く言い張った。
「俺は……貧乳派なんだ!」
「黙れ!」
こいついきなり大声で何言いやがる!?そう思って俺は超速でこいつの口に手を伸ばし口を塞ごうとする。が、避けられた。
「俺は、俺は、結果が全てなんて言葉が嫌いでな。結果よりもその過程が大切だと思ってるんだ」
「おう……?」
この流れでカミングアウト?流石にそれは無理がないか?我が友よ
「そしてそれは「ナニ」にも当てはまる。成熟し切ったナニよりも俺はその過程であるナニ……つまり貧乳こそが至高だと俺は思っている!「おい、後ろ」そして三枝さんは残念ながら、ひっっじょうに残念ながら立派なものをお持ちだ!だからこそ俺は三枝さんを恋愛対象として見れないんだ!」
そうか、それは良かった。……さてと英語の単語テストがあったな。勉強しないと。
「おい、燈也聞いてるのか?」
「もちろん聞いてるよ。桐谷君の素晴らしい演説をね」
「せ、先生?」
「放課後生徒指導室に来るように」
いきなり後ろから話しかけられて、将仁はギギギと音が鳴るように振り返って、その言葉に絶望の表情を浮かべた。南無三
まぁ、貧乳について語ってただけなんだしすぐに解放されるさ。
ちなみに俺は巨乳一択よ!
◇◆◇◆◇
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