作戦番号二〇二三二

@OhMyBrokenAI

ぬいぐるみ

「まさか、ぬいぐるみ1000ポイントが本当に実現するとは思わなかった。一万ポイントのぬいぐるみは、まあそれなりのクオリティなんだろうなと思えるけど……十万ポイントの受注生産ぬいぐるみってのはヤバそうだな」


「さすがにそこまでの品は作り置きしておけないってことで、受注してから作ってもらうことになったっす」


「ぬいぐるみを作るのって手間だけじゃなくて材料費もバカにならなそうだもんな……ところでこれって業者に発注してるんじゃなくて、一つ一つ手作りなの?」


「そうっすよー。SNSで相談したら、そういうの作るの好きな人が手を挙げてくれたんす」


「まさかとは思うけど、タダ働きさせてるわけじゃないよね?」


「そこは偉い人がお金を出してくれることになったっす。なんかそういうの、個人的にも興味があったらしくて、さっそくノリノリでいくつか試作品の発注をしているみたいっす」


「サイトに上がっているサンプルの写真は、その成果物なのか」


「いや、それらはもともと趣味で作ってあったぬいぐるみで、すぐにでも人にお渡しできるレベルのモノを撮影してもらったんす」


「すごいな……これだけの完成度なら、自分だったら手放すなんてしたくなくなりそうなものだけど」


「昔は気に入ってもらえたモノは人にあげてたみたいっすよ。今回の話は、すごく喜んでもらえたっす。身銭を切るどころか報酬をもらえて、クオリティの追及まで許されるなんて夢のような仕事だ、とのことっす」


「ものづくりをする人にとっては、そういう環境が理想なのかもしれないな……なんにせよ、私の苦し紛れの思い付きがこんな形で結実するなんて、ただの言い出しっぺとしては『感慨深い』以外に言える言葉が何もない……」


「やっと、ちゃんとしたポイント交換品を用意できたんす! 苦し紛れだったとしても、そのアイデアにも感謝してるっす!」


「そんなもんかねえ……」

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