隣の生意気な後輩が可愛い

@shotappy

第1話 隣の後輩


第1話 隣の後輩

「ストーカーなんですか?先輩は」


高校2年生 、両親は海外へ、 現在アルバイトの稼ぎと親からの仕送りで一人暮らしをしてる 俺、雨宮凛あまみやりんはアルバイト先の後輩、音無おとなしかえでから犯罪者だと言われている。


事の経緯は遡さかのぼるること3日前


4月上旬 金曜日


「いらっしゃいませー」


今日でバイト5連勤目だ、俺のアルバイト先は父親の友人が経営しているこじんまりとしたカフェ。


「店長、もっと従業員増やしましょうよ」


俺は店長に日頃の不満を垂れ流す

このカフェの従業員は俺と店長と大学生の上沢先輩の3人だ。俺が5連勤しているのはそういうことだ


「凛くん、朗報ですよ丁度明日、新しいアルバイトの子が来ますよ」


と、まるで聞いてくるのをわかっていたかのように店長は言う。店長はいわゆるイケおじと言うやつだ大人の余裕が感じられる。


「そうなんですね、良かったです」


俺はシフトを減らせる事を静かに喜んだ


「暫くは凛くんが一緒に教えてあげてくださいね」


俺の喜びは静かに終わった


「どんな子か気になりませんか?」


店長は言う、俺は従業員を増やして欲しいとは言ったが本当に増えるなんて思ってなかったのでそこまで考えてもいなかった。


「興味が無いと言えば嘘になります」


「ふふっ、凛くんも素直じゃないですね」

やはり店長からは大人の余裕が感じられる


「それで、どんな人なんですか」


「凛くんの一つ下の歳の女の子ですよ」


俺は驚いた、勝手に男の人が来ると想像していたからだ。しかも1つ下の歳ときた、今まで年下の女の子と関わる機会がなかったので仕事をちゃんと教えられるかが不安になった。


「俺ちゃんと仕事教えられますかね」

今浮かんだ不安を口に出す


「凛くんなら仕事も丁寧だし優しいので大丈夫ですよ」


店長は俺の不安を払拭してくれた。


「店長がそういうならがんばってみます」

我ながらちょろいと思う。


俺はそんなことを思いながら仕事をこなしていく、


「お疲れ様です」


今日のバイトが終わった、俺は明日に来る新しいバイトの子に仕事を教えられるか不安を胸に眠りについた。



次の日


今日は土曜日だ、家でゆっくりしている暇もなく今日もバイトだ、新しいアルバイトの子が来るらしく仕事を教えてやってくれと店長から頼まれた、仕事をきちんと教えられるか不安だ。


「おはようございます」


「おはようございます凛くん、今日もありがとうございます」


俺は店長といつものやり取りをしてカフェの事務所に入っていった。


事務所に入ると1つ下くらいの長い黒髪が印象的な小柄な女の子が座っていた、俺はいつもとは違う事務所の光景を見て少し驚いたが昨日店長が言っていたことを思い出してすぐに冷静になった。


座っている女の子はこっちを見てびっくりしている様子、ここは俺から話しかけた方がいいと思い話しかけてみる。


「どうも、ここで働いてる雨宮です、君が新しいアルバイトの子?」

できるだけ優しく問いかけてみる


「はい、今日からここでアルバイトさせてもらいます、音無です、よろしくお願いします。」


俺は返答が帰ってきたことに安堵した、そんなやり取りをしていると事務所に店長がやってきた


「彼女が昨日言ったアルバイトの子だよ、音無さんは暫く彼に仕事教えて貰ってね」


店長は俺に全て任せるつもりだ、俺は面倒ごとは極力避けたいが店長の頼みなら仕方ない。


「との事なんでよろしく、音無」


「はい...」

少し素っ気なさを感じる返事に不安を感じながらも俺は仕事を教えていくことにした。


音無は仕事の覚えが早かったので1回教えたらすぐにできるようになっていった。


「これならすぐに仕事任せられそうだな」

俺は思ったことを正直に口に出した


「このくらいできて普通ですよ」

と素っ気ない返事


可愛げのないやつだなと俺は思ってしまう

こんなことを思ってしまうのはただの願望のような気がするのでそっと胸にしまっておく。


そんなこんなしているうちに今日のバイトは終わりの時間をむかえている。


「凛くんも音無さんもお疲れ様です」

店長が労いの言葉をかけてくれる


「お疲れ様です。」 「お疲れ様です」


俺と音無は労いの言葉に応える


「また明日もよろしくお願いしますね」


その店長の言葉を最後に俺と音無は店を後にした


「お疲れ 」

俺から音無にも労いの言葉をかけておく


「お疲れ様です。」


「明日もよろし……」

そう言い終わる前に音無はそそくさと帰ってしまった


「はぁ」

俺なんかしたかな、先が思いやられる1日だった。


俺は近くのスーパーで買い物をすませてから家に帰ることにした。


俺は小さなアパートで一人暮らしをしている、親はどちらも海外に行っており放任主義だ、だが最低限の仕送りはしてくれている、だが俺は健康とは言えない生活をしている、料理が苦手なので自炊をしようにも逆に食材を無駄にしてしまう可能性があり、カップ麺や惣菜を買い食べる生活を続けている。節約のためにも自炊をしたいと日々思っている。


「最近隣の部屋の前を通ると料理のいい匂いがするんだよな」買い食ばかりの俺からすると非常に羨ましい限りである。


そんなことを思いながら明日のバイトに向けてスマホの充電をして眠ることにした。


次の日


「ふあぁ」


ピリリリ ピリリリ


朝目が覚めるとスマホのアラームがなった、アラームより先に目が覚めるのはいつもの事だ。


今日もバイトだ、昨日は新しいバイトの音無が来た、仕事の覚えは早いが何かと素っ気ない態度なのでなにかしてしまったのかと心配になる。


そうしてダラダラと準備をしていると時間ギリギリの出発となってしまった。バイト先までは歩きで15分程の近場にあるのだが近いと近いで余裕かましていると遅れてしまう事がよくあるのは俺だけなのだろうか。


到着


「おはようございます」

息を切らしながら挨拶をする


「おはようございます凛くん、今日もぎりぎりですね」


「はい、普通に出遅れました」

遅れてはいないので特にお咎めはないようだ


急いで準備してカウンターに出る、そこには音無がいた。


「悪い、ぎりぎりになった」


「いえ…」

素っ気ない反応は昨日と変わりはない


今日はホールでの作業を教えていく


昨日と同様音無はやはり仕事を覚えるのが早いようようだ。


さすがに日曜日だけあってお客さんはそれなりに来る、店長も休憩に入っているので音無にホールの対応を1人でさせなければならない状態になってしまった。


「1人で大丈夫か?」

俺は正直心配だった


「大丈夫です。」

音無がそういうので任せてみることにする


音無に任せてしばらく経ったが問題なくこなせているようだ、


と思った矢先に強面でいかにもなお兄さんに絡まれていた


「おい姉ちゃんこのコーヒーに髪の毛入ってるんだけどどうすんの、飲んじまったら責任とってくれんだろうな」


「はい 申し訳ありません」

泣きそうな声で言う


「なにかお困りの事がございますでしょうか」


泣きそうになっている音無と強面の間に割り込むような形で間に立って言った


「下がってて」

と音無を下がらせた


「はい……」

音無は何やらこちらをじっとみながら言った、


強面は新しいものにとりかえると大人しくなった


赤ちゃんかよとか思いながらこの後は店長と3人で店を回していった。


「凛くんも音無さんとお疲れ様です、トラブルがあったようですが凛くんが何とかしてくれましたね。ありがとうございます。」


「お疲れ様です、慣れてますんで」


「お疲れ様です、」


そうして店を後にした


「あのっ」

店を出ると音無が声をかけてきた


「さっきはありがとうございます雨宮せんぱい」

恥ずかしそうに顔を下にむけながら言う


「音無に何も無くてよかったよ」

俺は思ったことをそのまま口に出した


「ちょっとだけかっこよかったです」


「ちょっとってなんだよ」

笑いながらそう言い返す


「ふふっ」

音無もそう言って笑った


笑った顔を初めて見たが今までの素っ気ないようなイメージとはまた違う可愛らしい表情だ。


そんなやり取りをし家に帰ろうとする音無を何故か俺は後ろから追っている、否 追っているのではなく俺は家に帰りたいだけ、たまたま同じ道を通るのだろうと思いそのまま俺の住んでるアパートに着いた。



「ストーカーなんですか?先輩は」






















































































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