短編ながら、心地よい余韻を伝える名作です。まだ間に合うよカクヨムコン。

この作品は、現代社会のサービス業の低下に嘆く主人公が、本屋で出会った理想的な店員との交流を通して、希望を取り戻すという物語です。
私自身も長らく同業の仕事をしてきたので、まさに「そのとおり」とうなずいてしまう感動的なエピソードでした。

作者は、主人公の感情や思考を丁寧に描写し、読者に共感を呼び起こします。また、主人公と店員の会話は、自然で温かみがあり、ふたりの心の距離が近づく様子が伝わります。
物語の終わりには、主人公が本屋を「拠り所」と呼ぶことで、本や本屋の大切さを表現しています。ここも素晴らしいです。

この作品は、読書の魅力や街から減りつつある本屋の役割を再認識させるとともに、人と人とのつながりの大切さを教えてくれる名作だと思います。