夕焼けのあかね色の含む全てを文字にしたようなお話でした。
鮮やかでありながら一日が終わり行く、闇を連れて来る静かさや切なさがあり、でも、だからこその安らぎや切り替わる契機もあるような、朝日のあかね色まで繋がるような素敵なノンフィクション。それがタイトルとそこで呼ばれる店名に詰まっていると感じます。
特別ではないけれども、個として確立しているのを感じる登場人物の優しさと、在りし日のあかね書店の存在感がとても馴染むのだと思いました。
かつて町の書店さんはこちらに描かれる様な存在でした。
それを時代を共有する私は懐かしみますが、それで終わらず今と未来に期待したくなる素敵なお作品です。