お客様は、ニホンゴワカリマセン




「Hello」

 凄く良い発音で挨拶をされた。

 ハローじゃなくて、へェロォゥですよ!


「いらっしゃいませ」

 振り返ると、見目麗しくキラキラ光る人が居ました。

 本当に光っているのですよ。

 金髪が眩しい。


「yeah? Is English a common language?」

 は?

 発言が良い上に、早口なので全然聞き取れません。

「Ίσως μπορείς να μιλάς ελληνικά;」

 は?え?

 さっきよりも聞き取れません!!


 助けて神様!

 いや、目の前のこの人も多分、神様。

 ただし外国の……ね。



 私との会話を諦めたのか、目の前の金髪クルクルな彫りの深い顔の神様は、ボディランゲージに切り替えたようです。

 両手で外中外と手を動かします。

 壺?

 日本の陶磁器の本を持って来ました。

「διαφορετικός!」


 女性の胸を持ち上げるような仕草をしてきました。

 ボンキュッボンな女性ですか、そうですか。

 18禁なエロ本を持って来ましたよ!

「Δεν είναι έτσι」

 なぜかガッカリされました。


 んんん?

 着物?を着た、女性……が振り返る?

 あ!見返り美人!!

 浮世絵の美術書を持って来ました。

「yes! wonderful! It's a work of art!」

 あ、今度は合っていたようです。

 しかしなぜ言葉が混ざってるのか……日本語も混ぜてください。


「アリガトウ」

 金髪の神様は手を振って帰って行きました。

 最後は日本語でしたね。



 あ、神様は、ギリシャ神話のアポロン神でした。

 本屋の壁にアポロン神のサイン?が有ったのです。

 何か恩恵を貰った証拠のようです。

 そして恩恵は、何を貰えたのか全っ然謎です。




───────────────

神様の言葉です。

コレをGoogle翻訳しました(笑)

「ん?英語って共通語だよね?」

「もしかしてギリシャ語の方が話せる?」

「違う!」

「そうじゃなくて」

「そう!素晴らしい!芸術作品だよ!」

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妖本屋 仲村 嘉高 @y_nakamura

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