3人のトレーナーと一匹の羊

メロンパンケーキ

頭が痛く身体が重い、昨日酒を飲みすぎたせいだ。

カーテンの隙間から外の光が入り少し明るい、香水とタバコの香りが混ざった匂いのする部屋。

隣で寝ているのは僕の先輩、山崎祐介


なんでこんなことになってしまったんだろう。

記憶が曖昧で、なぜ先輩の家にいるのかわからない。とりあえず謝っておくのが正解だろう。


「おはよう」


「おはようございます 昨日はすみませんでした」


「なんで謝るの!しょうちゃんはなにもわるくないよ」


「それと昨日はいろいろ話聞いてくれてありがとうございました..あといっぱい奢ってもらって」


「いいのいいの気にしないで!いつでも話聞くしいつでも泊まりに来て」


「そろそろ帰りますね お邪魔しました」


彼はふらふらっとこちらに近づき彼は僕のおでこに唇をそっと当てた。

自然だった、これが日常かのような、いやらしさもない自然な口づけだった。



「休み明け遅刻するなよ じゃあね」


「あ..はい」



先輩は笑顔で見送ってくれた。外を歩いて帰路についている何も考えることができなかった。

アブラゼミのうるさい鳴き声も小さく感じるほどに頭の中であの口づけのシーンが繰り返されて、気付けば電車に乗っていた。前髪から滴る汗も気にならない、この日はそんな不思議ことが起きた暑い土曜日だった。



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3人のトレーナーと一匹の羊 メロンパンケーキ @meromaro1104

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