泥棒と英雄(KAC20231 お題:本屋)

釣舟草

第1話

 ブラウシュタット王国の中心街では、大通りが夕陽に染まりはじめた。肌を刺す寒風が、まだ春の遠いことを知らせている。


 八百屋露店の店番アルバイトをサボって新聞を読んでいたカイは、小さなくしゃみをした。


「この軍人さん、すっげぇ。久々に魔法使いから英雄が出たな」


 カイの視線の先には、勲章を授与された魔法軍人の記事が。なんでも、突破不能と言われた闇の魔法陣にたったひとりで突入し、敵味方分け隔てなく、十六人の難民の子供たちを救ったという。


「俺もこんな英雄になりてぇなぁ……ああ、その前に来週の魔法薬調合試験の課題をやらなくちゃだ……」


 そんなことをぶつぶつ呟いていると、道行く初老の男に「もし」と声をかけられた。


 客かと思って立ち上がったが、どうやら違うらしい。「『ガブリエル』へはどう行ったらよいでしょうか」と、その男は口にした。


「『ガブリエル』? ああ、〝ごみ屋通り〟にある古本屋か。今月いっぱいで店仕舞いするらしいね。懐古趣味のお爺ちゃんお婆ちゃんたちが巡礼に来てるけど、おじさんもその口かい?」


 長杖をつく初老の男は、穏やかな微笑をたたえて答える。


「そうなのですよ。わたしはエミールといいます。通っていたのはもう何十年も前でしてね、すっかり地理を忘れてしまいました」


 カイも名乗り、古書店『ガブリエル』までの道順を丁寧に説明すると、エミールは大変感謝して礼を言った。


「ところで、カイどのは近隣の大学生ですか?」


「うん。王立グリュンヒルト魔法大学。ここから歩いてすぐのところだよ」


「左様でしたか。ならばわたしはカイどのの先輩にあたりますな」


「本当に? やっべぇ、ずっとタメ語で話してました。すみません」


 王立グリュンヒルト魔法大学は、王国唯一の魔法高等教育機関だ。


 この国では、成人を過ぎると一般人の魔法使用が禁止される。魔法使用が許可される成人は、王立魔法大学の学生と、大学を卒業して専門職に就いた者のみである。専門職とは、すなわち魔法軍人のことである。一度でも戦場に赴いた魔法使いは、退役後も一生涯魔法使用を許可される仕組みになっている。つまり、成人しても魔法を使い続けたければ、王立グリュンヒルト魔法大学を卒業して軍隊に入る以外に道はない。


 毎年、全国から優秀な魔法使いたちがこの大学に集結する。学生たちは非常に狭き門を突破した勝ち組ともいえる一方で、生死を賭けた大博打者でもあるのだ。子供の頃から中心街に住む富裕層出身の学生が多い中、わずかながら地方出身の貧乏学生も存在する。


 カイは、エミールの視線が自分の身なりに向いていることに気がつき、恥ずかしくなった。着古したシャツの袖、ズボンの裾は擦り切れていて、靴からは親指の先がのぞいている。服も靴も、もう何年買っていないだろう。しかし、地方から村全体の期待を背負って上京した身である。そんな金があるなら学業につぎ込みたい、そう思ってしまうのだ。


「カイどのは、『ガブリエル』には行かれないのですか?」


「行きませんね。同期生の誰も行ってないんじゃないでしょうか。古本屋って埃っぽいですよね。論文も雑誌も書籍も、大学図書館に豊富にありますから」


「図書館に無い本もあるのではないですか?」


「ああ、そういうのは普通、諦めるんですよ、身の丈に合っていないと思って。俺だけじゃない、貧しいヤツはみんなそうしてます」


 この返答に不服そうなエミールの様子を見て、カイはこう付け加えた。


「ごくたまにですけど、どうしても諦めきれない本って、そりゃあ俺にもありますよ。そういうときは中古を通販で買います。〝箒便″っていう古本の通販サービスが流行ってて、学生は送料無料なんですよ」


 カイの話に、エミールはほっと顔を綻ばせた。時代は移れども、若者の知的好奇心が薄れた訳ではないことに安堵したらしい。


 カイはふと、視線を落とす。エミールの引きずる片足と、真新しい長杖。脚を悪くしてまだ間もないのだろう。この老爺が無事に目的地に辿り着けるのか、案じられてならない。


「そういえば」と、カイは思い出したように言った。


「昔の学生はみんな『ガブリエル』に行ったって、教授が言ってたなぁ。あの通りで一番歴史のある店なんですってね。なんだか気になってきた。記念に行ってみようかな」


 カイは、ちょうど帰ってきた露店の女主人を振り返り「おかみさん、もうほとんど売れたし、今日は上がっていい?」と声をかけた。すんなりと了承を得て日当を受け取ると、今度はエミールに笑顔を向ける。


「ねぇ、一緒に行ってもいいでしょ?」



 足を引きずり杖をつく初老のエミールと、溌剌とした青年カイ。肌寒い夕暮れの中心街を並んで歩きながら、ふたりは互いの世代について理解を深めた。


「あの〝ごみ屋通り〟って、昔は栄えてたんですよね?」


 無邪気に訊ねるカイに、エミールはうなずく。


「〝グリモワール通り五番街〟は、今でこそ〝ごみ屋通り〟などと不名誉なあだ名で呼ばれていますが、昔は活気あふれる古書街だったのですよ。」


 長いローブをすっぽり被った学生たちが、古書を求めて闊歩する。そんな青春の日の街並みが、エミールの目に浮かぶようだった。


 カフェの前を通れば、必ず近所の大学生たちがテラスを占拠していた。

 あるときは恋人たちが寄り添っていたし、あるときは青年集団が熱く議論を交わし過ぎた結果、警察の手を焼く羽目になっていた。


「『ガブリエル』は専門性の高い外国語の魔法書を多く取り扱っていました。店主は頑固親父で有名でしてな、しょっちゅう外国へ飛んでは希少な専門書を買いつけ、適正な値をつけるために毎晩徹夜で読んだと聞いています」


「へぇ……仕事熱心な店主さんなんですね。そういえば、うちの大学の教授が以前、『ガブリエル』の店主について興味深いエピソードを紹介してました」


 カイは、消えかけた記憶を手繰り寄せた。


「教授がまだ大学生の頃、『ガブリエル』で一人の同期生を見かけたそうです。青白い顔のヒョロっとした男で、栄養不良のためか肌は乾燥して剥け、見るからに陰気で女性にモテない貧乏学生だったとか。その学生は、ある古書のページを開き、血走った目で、穴が開きそうなくらい凝視していた。その本には大変な希少価値があって、富裕学生だった教授でさえ購入をためらうような額だったそうです」


「教授はその学生のことを酷く悪様に言うのですね」と、エミールは口をはさんだ。

 カイは続ける。


「その鬼気迫る様子を見た教授が呆気に取られていると、突然そいつは周囲をキョロキョロと警戒しはじめたそうです。教授はすぐ、物陰に隠れて監視しました。すると、奴は誰も見ていないと思ったのか、ローブからこっそりノートを取り出して、そのページを書き写しはじめたのです」


 エミールは、興味深げに先を促した。


「教授は正義感の強い人ですから、店主に告げようかと迷いました。でも、人とは一度や二度の過ちを犯すものだと思い直し、見逃したそうです。ところが……翌日も、その翌日も、教授は『ガブリエル』で、その学生が書き写しをする現場を目撃したのです」


 話しながら明瞭に記憶を取り戻したカイは、興奮して続ける。


「もうこれは黙ってはおけないと、教授はこのことを店主に告げました。ところが、店主は教授に『どうか黙っていておいてやれないか』と、逆に頭を下げたのです。なんと、店主は以前から奴の不正を知っていて、見逃していたのです。教授が理由を訊ねると、店主は『彼には光るものがあるから』と言う。教授には全く訳がわからないのです。風采の上がらない、痩せこけた不細工な男子学生のどこに店主は光を見出したのか。教授は店主の顔を立てて見て見ぬふりすることにしたけれど、不正を見逃してもらっている自覚ゼロの男子学生に対しては憤りを抑えきれなかった。それで、『ガブリエル』の入り口が見える場所で待ち伏せし、店から出てきたそいつを捕まえ、事の些細を話したそうです。男子学生はたいへん恐縮し、大急ぎで店主に謝罪しに戻りました。その際、この学生に頼まれて、教授もついていったそうです。教授は店主から咎められるのではないかと冷や汗をかいたが、店主は二人を不問に付し、そのうえ、店内に一台の作業机を用意したのだそうです。『ここで堂々と書き写しなさい。そうすれば、誰もお前さんの行為を怪しいとは感じるまい』と」


「それに対して教授は反論したのではないですか?」とエミールが訊ねると、カイはうなずいた。


「教授は言いました。『そのように貧しい学生を贔屓しては、他の客に示しがつかない。この店は、書き写しを許すような処遇の甘い店だと軽んじられる』と。ところが、店主の方も頑として譲らない。『書店は人々に知的財産を切り分ける場だ。未来ある学生を切り捨てて守銭の道に走ったとて、それは本屋としての職務を全うしたと言えるのか。自分は本屋としての矜持に背く手段を選ばない』と。……あっ、あそこですよ」


 話はまだ途中だったが、カイ青年は前方のある一点を指し示した。


「……ほら、あのゲート。見覚えあります? あそこが〝ごみ屋通り〟の入り口です」


 カイの視線の先に〝五番街〟と書かれた古ぼけたゲートが立っている。陽の沈みかけた通りには木枯らしが吹き抜け、人っ子ひとり見当たらない。一羽のカラスの鳴き声だけが、妙に不気味に響いていた。


「ずいぶんと寂れてしまったようですね……それに、ごみが散らばっている」


「そう。住民も高齢化してますし、引退後の老魔法使いたちが青春を偲んでやってくるでしょう? あの人たち、寂しいからか、野良猫に餌をやるんです。で、野良猫が増える。野良猫たちはごみを漁る。漁られたごみにカラスが集る。で、この状態です」


「なるほど……」


 地域住民に任されていた清掃も追いつかず、五番街は不潔な通りとして噂になり、人が寄り付かなくなったのだ。


「だけどなぁ……。この通りには、退役した魔法軍人も住んでるって聞いてます。掃除くらい魔法で何とかしたらいいのに」


 そうつぶやくカイに、エミールは穏やかな口調で反論した。


「若いお人には分かりますまいが、年を経るにつれて魔法体力は衰えていくのです。日常的に鍛えていない者が急に魔法を使えば、生活に支障をきたすほど激しく消耗します。ですから、年寄りになって魔法を進んで使おうという者は多くありません」


「へぇ、そんなもんですか」と納得しながら、カイは腰に差していた短杖を振った。


 散乱していたリンゴの芯や魚の頭、紙屑たちが、意思を持ったように一斉にごみ袋に戻っていく。ごみ袋の破れた部分がきゅっと締まると、今度は袋がぴょんぴょんと跳ねながら移動していき、ごみ置き場にダイブして動かなくなった。


「エミールさん、気をつけてください。そこ、ガラスの破片が……」


 言い終わらないうちに、ガラスの破片が宙を舞った。かと思うと、きらきら光りながらまとまり、ワイン瓶の形になった。見ると、エミールも短杖を振っている。


「歳を取ったら魔法を使うのがしんどくなるんじゃないんですか」


「私は日常的に使っていますからね」


「そうでしたか」


 ということは、エミールはかなり長く軍人として勤めた人物なのかもしれない。もしかしたら、こう見えて現役の魔法軍人である可能性すらある。カイは背筋の伸びる思いがした。


 ‶五番街〟を歩く二人は、すぐに古書店『ガブリエル』を見つけた。古いながらも手入れの行き届いた外観をしており、精悍な佇まいで威厳を保っていた。


 半世紀前からの作りの扉を押すと、これまでの汚染や寒波から隔絶され、嘘のように快適な異空間が広がっていた。レトロなシャンデリアからこぼれる灯りに、整頓された本棚。小さな音で音楽もかかっている。まるで俗世を断つ隠れ家のようで、カイはすっかり見惚れてしまった。


「古本屋って、こんなに綺麗だったんだ……。あ、作業机だ。これって、あの話の……」


 カイの感嘆の台詞は、奥から顔を出した小綺麗な女の声に遮られた。


「あら、泥棒さんが来たわ」


 化粧の濃い美人だ。ゴテゴテと雑草の生えたような巨大な髪飾りのせいで、薄い肩がさらに華奢に見える。近頃流行りの腰のキュッと締まったデザインのワンピースを着ていて、そのすみれ色の裾からのぞくふくらはぎは、見る者に優美な白鳥を連想させる。〝マダム〟と呼ぶのに相応しい雰囲気だが、ファッションが若く、肌にも声にも張りがあり、年齢不詳だ。


 しかし、カイはこの女のことをよく見知っていた。


「おい、昔のことではないか」


 先ほどまでの落ち着きとは打って変わり、エミールが拗ねたような態度をとったので、カイはさらに目を丸くした。


 女は、エミールの隣に佇むカイにすぐ気がついた。


「あら、うちの学生じゃない。確か、カイ・ミュラー。成績は、中の上あたりをウロウロしている子ね」


「やっぱりフォルゲン教授ですよね。普段と印象が違うので、自分の記憶を疑っていました。どうして教授がここに?」


 すると、フォルゲンはウインクして答えた。


「この泥棒さんと会うためよ。耄碌もうろくジジイの付き添いは大変だったでしょう。ご苦労さま」


「ひっどいなぁ」と、エミールが憤慨した。


「わたしが耄碌なら、そなたとて。同い年ではないか、ゾフィア」


「お、同い年? それに、泥棒って……」


 混乱するカイに、エミールはばつが悪そうに言った。


「黙っていてすまない。じつは、先ほど君が語ってくれた男子学生は、


 カイが驚いて声を上げたところで、奥から白髪の老爺がゆっくりと顔を出した。


「おう、やっておるな。おまえたちは顔を合わせるといつも喧嘩をする。仲の良いことだ」


「あら、ご挨拶ですわ、店主。そんなんじゃございません」


 プリプリと抗議するフォルゲンを傍目に、エミールは店主に深くお辞儀をした。


「大変ご無沙汰しております非礼を、どうかお許しください。さりとてこのエミール・メッゲンドルファー、一日たりとて御恩を忘れたことはございません」


「なにを大袈裟な」


 店主は、細かい皺の刻まれた手を顔の前で振った。


「わしは自分のすべきことをした。そう思っておる。人間にはそれぞれ天命がある。己が得意とすることを見定めれば、自ずとそれは見えてくる。わしは人よりほんの少し、人間の本質を見抜く眼に鋭かった。ゆえにお前さんの力になったのだよ。その結果どうだ、この店が何度倒れそうになっても、お前さんの寄付によってそのたびに不死鳥のように立ち直った」


 黙って話を聴いていたカイの胸に、熱いものが込み上げた。

 誇り高い店主による献身が、何十年も恩を忘れぬ誠実な者によって報われていた。このような美しいドラマが身近な場所で起こっていたことに、カイはいたく心を動かされた。


 さらに店主は語を継ぐ。


「そのうえ、エミールよ、お前さんは今や王国の英雄だ。あのとき、わしが助けなかったらお前さんは卒業できず、十六人の命は救われんかったじゃろう。今ほど己の選択を誇らしく思わぬときはないわ」


 再び話についていけなくなっていたカイが、ハッと顔を上げる。


「エミール・メッゲンドルファーって……エミールさん、まさかあのエミール・メッゲンドルファーなんですか? ついさっき新聞で読みましたよ。突破不能と言われた闇の魔法陣にたったひとりで突入し、敵味方なく十六人の子供たちを救った、あのエミール・メッゲンドルファーさん?」


 エミールはあいまいに微笑んで視線をずらした。それが肯定の意を示すと、カイには分かった。エミールの美挙が、人々からの賞賛を求めた結果ではないことは明白だった。この英雄の挙動から、当事者の感慨と世評との間に乖離があることが推測できる。しかし、今はそのことを訊ねるときではないと、カイは口をつぐんだ。


 気まずい空気が数秒間流れた。それを打破したのはエミールだった。


「店主、店を畳んだあとはいかがされるのです? まさか貴方ともあろう方が『のんびりと隠居生活を楽しむ』などとはおっしゃいますまい」


「ふん、もう次の一手は始めておるわい」


 店主がそう言うが早いか、カランカランという爽やかなドア音が店内に響いた。かしましく入ってきたのは、真っ黒なローブを着た十五、六の少女。自分の背丈の二倍ほどありそうな、長い箒を脇に抱えている。


「おじさん、おじさん、また注文が入ったわ! 今度は〝魔女爪の生成における金属類配合辞典〟よ。トマ語の書籍ですって。早速届けるわ。どこにあるの? ……あら、お客さん。いらっしゃいませ!」


 三人の客人に気がついた少女は、慌てて姿勢を正す。


「その娘さんは……」


 エミールの疑問に、少女は溌剌と答える。


「あたし、ミアっていいます。ここのバイトで、〝箒便〟の宅配を請け負ってます。お金を貯めて、王立グリュンヒルト魔法大学に進学するのが夢です。よろしくお願いします!」


 エミール、フォルゲン、カイの三人は顔を見合わせる。学生の間で人気の古書通販サービス〝箒便〟の管理人が、まさかこの頑固親父だとは。青天の霹靂である。


 頑固親父の店主とミアが奥の蔵書コーナーへと消えたあと、フォルゲンが髪をいじりながらぶっきらぼうにエミールに訊ねた。


「で? これからどうするのよ、お爺さん」


「何度でも言うが、わたしがお爺さんならそなたはお婆さんだからな」


 大学で教鞭を取っているときと同一人物とは思えない、お茶目なフォルゲン。そして、彼女に軽口で返すエミール。過去に、二人の間に男女の関係があったのではないかと、カイは訝しんだ。もしそうなのだとしたら、どんな運命が二人を引き裂き、こうしてまた巡り合わせたのだろうか。


「じつは、魔術大学に客員教授として誘われておってな」


「うそ。噂になってた〝魔法防衛学〟の来年度からの客員教授って、もしかしてあなた?」


「いかにも」


「いやだ、お隣の研究室だわ。気まずいったらない」


「それはお互い様だな」


 カイは、青春に戻ったかのような二人の掛け合いを微笑ましく見守る。一方で、来年度からの大学でもこの調子が続くのかと思うと、何とも苦笑を禁じえない。


「あっ」


 何気なく窓の外に目をやったカイは、自分の目を疑って袖で擦った。しかし、その光景は変わらない。


 ほつれた古いローブの蒼白な青年が、華やかなワンピースローブに身を包む美しい娘と連れ立って歩いている。爪の汚れた青年のごつごつした手と、娘の滑らかな手とが重なる。若き日のエミールとフォルゲン。仲睦まじげに歩く恋人たちの幻影は、時代が移っても忘れえぬ青春の記憶のように、きらきらと、鮮明に浮かび上がっているのだった。

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