事故の覚え書き

祿とぱす

第1話

ぶつかってすぐどなられた


直進してたわたしに一時停止表示のある所から横からぶつかって来ておいて

だいじょうぶかとかなんかそういうの一切なかった

なんで飛び出してくるんだ今までこんなことなかったのにって

みんな待ってるから早くいかないとって自分のことばかり言ってた


こんな時に限って携帯もスマホも家に忘れてきてて

警察に電話してって相手の人に言っても聞いてくれなくてなんか言うたびに

にやにやしておおこわとか思ったより気が強いとか言って

偉い人の名刺あるからって見せてきて

あんたになんかしようとかなんも思ってないって言って

いい板金屋を知ってるから大事にしないですまそうって

ちょっと脅せばなんとかなるともしかしたら泣くとでも思ったのか


そうこうしてたら急にそんなに言うなら家に帰って警察に電話してくるって現場から歩いていなくなるからどうすればいいのかおろおろしてたら近所の人があの人の家ちょっと行ったところよって教えてくれたけど警察にすぐ通報してくれないような人の家に行くのもこわいしでわたしはその近所の人に電話かしてもらって警察に電話してたら家で警察に電話してきたって相手の人が帰ってきたけどひとりじゃなかった


息子連れてきてもう2対1になって正直もうこわさしかなかったけど相手の人に比べたらまだ冷静な対応でまた偉い人の名刺出して来たりいい板金をすすめようとする相手の人にそんなことを言ってはいけないって止めようとしてた


しばらくしたらパトカーが見えて最初あんなに呼ぶのを渋ってたのに手を振って誘導してて警察が来てひと通りの検分してる途中でわたしがそのあたりはドラレコに入ってるかもしれないって言ったらえっドラレコあるのって感じになって急に勢いなくなったようになった


状況ははっきりしてるから多分提出とかしてもらわなくていいとは思うけど一応って再生して一時停止したのを警察の人が何枚かスマホで写真に撮ったりしてた


検分終わって解散ってなった時も相手の人からは特に何もなかった


相手の人からしたら飛び出してきたのはわたしで相手の人は何も悪くないから穏便に終わらせてあげようみたいに思ってるような感じだったし実際警察が来て状況がよくないと見るや何か言おうとしては息子に止められてた


その息子も最後にひとつ言いたい事があるって私にむかって落ちてる破片の位置からしてあんたが左に寄りすぎてるって言ってきたからやっぱり親子なんだなって思った


落とした破片は相手の方が多かったけど何も片付けずに帰ったから拾える分は拾ってこれは捨ててもいいものですかって警察の人に聞いたらいいですよって言うから私が持って帰ってる


そのあとドラレコのことでちょっと聞きたいって駐在所に行ったけどシステムが終わってるとかで写真の転送はできずに終わった


所感だけど急に家に帰ったの免許不携帯だったんじゃないかなと疑ってるとこもある

すぐに通報しないに加えて不携帯とか九十近いって言ってたしこれを機に返納してくれたらいいのになあ人を轢き殺す前にと思った


偉い人の名刺は町長のもので今は合併して市になっているから町長はもういない

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事故の覚え書き 祿とぱす @ROCTOPUS

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