本屋さんのお仕事

ろくろわ

本屋さんの一日は大忙し

 これは昔ながらの個人でお店を開いている本屋さんのお話。

 今はスーパーや大型ショッピングセンターの中にある事が多くなってしまったが、個人店にも良い所が沢山ある。


 本屋さんの朝は早い。

 商品を自分の眼で見て選ぶからだ。

 定番の物から人気のある物、少し変わった物からシリーズ物まで。幅広い種類の中から一般の人にも専門の人にも手にとって貰えるように品出しを行っている。


 その後はお店で配置する場所を考える。

 人気の物はお客さんから良く見える所に置いたり、本屋さんオススメのコーナーを作ったりする。

 専門コーナーの物も手に取りやすい物はレジ近くに置く事がある。普段手にしない物も試して欲しいと本屋さんの思惑がある。


 一段落すると宣伝用のポップを作る。

 商品の説明と共に作った人の紹介も勿論する。誰が作ったか分からない物よりも、紹介のある方が何倍も興味を引かれる。これも本屋さんのこだわりの部分だ。


 本屋さんは接客もするし、お客さんの質問に答えるのも仕事だ。


「オススメはなんですか?」

「これ、初めてなんですけどどうですか?」

「この間のオススメ、凄い良かったです。他にもありますか?」


 個人店の本屋さんは、こういった対応もしっかりと向き合って出来るのが良い所だ。


「今日のオススメは最近メディアでも紹介されていたコチラですね」

「これは最初ほろ苦さがあり、後から甘酸っぱい余韻がきますよ」

「それでしたら、こちらは如何ですか?実はこの間オススメした物の兄弟作なんですよ!」


 本屋さんは丁寧に説明をしてくれる。

 ついついオススメの組み合わせや誕生秘話等の裏話も面白おかしく話してしまうのが本屋さんの良い所だ。



 そんな本屋さんのお店の名前は

本屋もとや八百屋やおや


 お客さんからは、まるで本屋ほんやさんに来ているような気持ちになる事から親しみを込めて

八百屋やおや本屋ほんやさん」

 と呼ばれていた。


これはそんな本屋もとやさんのお仕事の話。




 了

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本屋さんのお仕事 ろくろわ @sakiyomiroku

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