ロボほん
さくらみお
ロボほん🤖
本嫌いの僕のところに、ロボほんが未来からやって来た。なんでも未来は僕のせいで本屋がなくなるんだって。
そんな未来を食い止めるため、やって来たロボほん。
縦に四角を二つ並べたフォルム。
丸い目に四角い口。
馬の蹄のような手。
お腹に四角い小さな扉がついている。
そう、見た目は超レトロなロボットなんだよね。
(タイトル絵文字参照)
未来から来たのか過去から来たのか、よくわかんない奴。
そんなロボほんは僕を本好きに矯正するため、我が家に居候して日々努力をしている――。
「ホン太、テメエ、また昼間っカラ、野球してやガル」
「小学生が昼間に野球して何が悪いんだよ」
「本屋へイコ」
「やだよ、僕が本嫌いなの知っているだろ」
「あ、あの、ホン太っ! 次、君の番……だよ?」
「ほら、シャイヤンも呼んでいるし、僕は行かないよ!」
そう告げて、バッターボックスへと入る僕。
しかし、そのバッターボックスはロボほんの不可解道具が仕掛けられていて、気が付けばバットを構えた格好で、本屋の中に居た。
「げえええ!?」
「ホラホラ、ホン太くん。これなんかドオ?」
ロボほんは、夏の推薦図書を僕に押し付ける。
僕はこの静寂で本に囲まれた空間に居るだけで体が拒否反応を起こして尋常では無い汗とじんましんが出る。
「だ、ダメだ。僕には本屋は……!」
「ふーむ、過去に何カあったとしか思えない拒否ップリ。不可解道具で、キミの過去を覗き見しチャオ」
と、苦しむ僕を助ける事もせず、お腹の扉から虫メガネを出した。
「過去が見れるメガネ~!」
「そこは何の捻りもないんかい」
ロボほんの虫メガネには5歳の僕が映っていた。
すやすやと眠る僕。
その隣には絵本が何冊も置いてあった。
……おかしい、僕は根っからの本嫌いの筈なのに。
すると眠る僕の真上に、真四角の異空間が空いた。そこから、よく知っている四角いフォルムのロボットがえっちらおっちらと出てきた。
そしてよく眠る僕を見て、
「【本が大好きになる薬~!】」
と、何やら怪しい瓶を取り出し、瓶からカプセルを一粒出しては、いびきをかく僕の口に放り投げたのだ。
しかし、その良く知るロボは瓶のラベルを見て驚いた。
「ア、ヤベ、【将来本を毛嫌いして本屋を滅ぼす薬】ダッタ!」
その良く知るロボは、瓶と僕を何度も交互に見た後、そそくさと異空間へと逃げて行ったのだった。
「……」
「……」
「アー……。ダレダッテ、間違いって、あるヨネ♪」
「つまり、お前のせいじゃねーか!!」
僕はバットを振り回し、慌てて逃げる未来のダメロボットを追いかけた。
ロボほん さくらみお @Yukimidaihuku
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