第4話 アウト!! おまけ  (8月30日)

 今日は約束通り九月号を返しに行った。

 劇場版宇宙戦艦ヤマト特集で設定資料なんかも載っているので返すのが惜しいが約束だから仕方ない。

 在庫が有ればいいんだけれど、きっと売り切れているんだろうなあ。


 そんな事を考えながらアカシヤ書店に着くと、茜が店番をしていた。

「約束通り返しに来たぜ…」

「未練が有りそうね。でも駄目だよ私のだからね。でも発行部数が多かったみたいだから追加で入荷できるかもよ」

「入荷できれば良いんだけどなあ」


「はい、借りてた〇UT。それからこれも貸してあげる。”十一人いる”だよ。モー様のマンガだけどSFだから読むでしょう。ポーの一族も貸してあげる」

「十一人いるってお正月にNHKのドラマでやってたやつだよなあ」

「そうなんだけど、読んでごらんよ。結末がマンガとは違うから」

「ああ、それなら読んでみようかな。でもポーの一族は…。風と木の詩みたいな話なんだろう」

「何言ってるの耽美だよ、耽美。耽美主義っていうんだよ。遅れてるなあ」


「俺、つる姫がいい、土田よしこなら読む。妹が読んでるから”超少女明日香”とか”紅い牙 ”とかも読むよ」

「あれはマーガレットじゃない。モー様は小コミだよ。SF好きならマンガ少年読みなよ。”テラへ”が連載してるじゃない」

「あれって竹宮恵子だろ。風と木の詩の人じゃん」

「でも全然違うから、月刊誌だし定期購読しなよ、うちで仕入れてあげるから」


「それで先に自分が読むんだろう。ジャンプとマガジンも買ってるし、SFマガジンも定期購読してるからお金足りないんだよね。奇想天外も読みたいけど特集号くらいしか買えないし」

「週刊誌止めてマンガ少年買え。うちで仕入れさせろ。SFマガジンもうちで定期購読しろ」

「強引だぞ。そもそも俺の住んでるところは隣の駅だからこの店は遠いんだよ」

「でも毎日来てるじゃん」

「夏休みだからだろう。明後日から学校だからここの駅は使わないぜ」

「そんなこと言わないで、途中下車して買いに来てよ。SF増やすからさあ。マンガ少年定期購読してよ。竹宮恵子読みたいよー」

「なんだよ。お前んち本屋だろ」

「売れない本は仕入れてくれないんだよー」

「わかったよ。でも読んで見ないとわからないよ」

「月頭が発売日だから一度買って、読んで面白かったらさー。ねえ、お願い」

「じゃあ、今月号がどこかに売ってないか探しにゆくぞ。お前も付き合えよ」

 結局明日も会うことを約束して今日は帰った。

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