通り雨

あなたは、雨が振り始めた窓の外を見つめて、これは如何したものかと考えあぐねている。


わたしは、物置きに古い傘があったことを思い出し、それを如何したものかと考えあぐねている。



傘立てに、一本の青い傘。


物置きに、一本の古い傘。



「傘を貸してくれ」と言えば、あなたは青い傘を差して、次の週末にまたこのドアを開けることになる。


「傘は返さなくていいわ」と言えば、あなたは古い傘を差して、もう二度とこのドアを開けることはない。



二人は、ただ雨音を聴きながら、この夜を如何したものかと考えあぐねている。



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