エピローグ

 ヤマト達三人が天界からかえっていきました。

 それを見送みおくった後、私はそっと息をきました。あの三人が帰った後の天界はとても静かで、それはとてもさみしい気がしました。

 妹が、『可能性』の名を持つ女神であるあのが人間に憧れ人間に恋をした気持ちも少しは理解出来る気がします。此処ここは、とても寂しい場所です。元々、二柱しか居なかった天界。一柱のみとなって、それが一層顕著となりました。

 例え、かみのような超越存在であろうと孤独こどくには勝てないのです。ですから、妹は人間になってまでこいに生きたのでしょう。

 人間にあこがれ、人間としての生をえらんだ妹。神として生き、神としての責務を貫き通した私。さて、そのちがいは一体何だったのか?

 神としての責任を最後まで貫き通し、神としての生を選んだ私に妹をめる事は出来ませんでした。そもそも、私には孤独にあえぎ人間に憧れた妹をきっと心の中では哀れに思っていたのでしょう。

 哀れに思い、そして同時にうらやましくもあったのでしょう。

 妹を助けたいと、孤独からすくいたいと思っていた。そして同時に神としての責任に囚われ続ける私と違う妹を羨ましく思っていました。

 ですが、妹を前にそれを言う事はついぞできませんでした。それを言う事がかなわないまま、私と妹は永遠えいえんに別れる事になりました。

 妹は、満足して死ねたでしょうか?人間として生を全う出来て、満足だったでしょうか?それは結局分かりませんでした。分かりませんでしたが、私には妹がとても楽しそうに思えたから。人間として生を全う出来てうれしそうに思えたから。

 きっと、それこそが真実しんじつなのでしょう。

 さて、私は元の世界にもどったヤマト達へ意識をけます。ヤマトは元の世界に戻った瞬間二人にセクハラをしていました。メリーにアキの二人は顔を真っ赤にめてヤマトを追いかけ回しています。

 ですが、三人ともとても楽しそうです。楽しそうに、笑っています。

 それは、三人がその人生を存分に謳歌おうかしているからでしょう。それは、とても素晴らしい事だと思えました。

 ええ、それはきっととても素晴すばらしい事です。

 三人の人生せいはまだまだこれからです。ですから、これからもきっと辛い事や苦しい事も、そして悲しい事もたくさんある事でしょう。

 きたくなることだってたくさんある筈です。ですが、きっとヤマト達なら大丈夫だと何故か無条件でしんじたくなる。そう思えるだけの力強ちからづよさが三人にはあります。

 ですから、きっと三人なら大丈夫だいじょうぶでしょう。

 ですから、今日はこれでおしまいとしましょう。

 三人の未来に、どうかこれからもさちがありますように。そう、ひそかに願います。

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メリーさんと超能力者な僕と kuro @kuro091196

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