ラブ・レター・フロム

お互いが違う惑星へ引っ越してから、もう一年になるね。

相変わらず地球はまだダメらしいよ。まぁあれが一年でどうにかなるわけないよね。最近のニュースではあと六年くらいかかるって言ってたよ。あんな状態からの復旧なら、かなりすごいことなのかもね。でも早く戻りたいなぁ。


そっちの惑星では電波があまり届かないらしいね。要るかはわからないけどあなたの好きなラジオの録音も一緒に送るよ。あと美味しかったこっちの特産物と、お菓子も。一応大丈夫だとは思うけど、星間郵便のことまだよくわかってないから、もし何か引っ掛かったらごめんね。


そういえばバタバタしてて、これまで近況とかばっかりで住んでる惑星の話をあまり書いたことがなかったよね。写真で少し見たこともあるかもしれないけど、私のいるところは空も海に似た水源も地球に似てて青いんだけど、海は地球とは違って本当に青い色がついてて、透明じゃないの。微生物のせいらしいんだけど、夜も光を当てて見ると青色だから面白いよ。水は塩の味はしなくて、ちょっと昆布の出汁みたいな味がする。家の近くに空も海もよく見える場所があって、毎日眺めてるよ。写真も送るね。あと、食べ物が結構美味しいよ。困ったことといえば月に一週間くらい極夜みたいになることぐらい。

あとはあなたがここにいないこととか。


意外と不便なことは少ないけど、でもやっぱり、地球の空と海がすごく恋しい。あなたと海に行って、一緒に海を眺めたり貝殻を拾ったりしたいなぁ。地球に帰れる日が来たら、また一緒に行ってくれる?

そっちのこともまた教えてね。いつかあなたが住んでる惑星にも行ってみたいな。私の住んでるところにも、いつか来てよ。帰れる日は多分ずっと先になるだろうから。


体調には気をつけてね。仕事も忙しくなってくると思うから、ご飯もちゃんと食べて、睡眠もしっかり取って。大変だと思うけど、無理しないでね。いつでもあなたのこと応援してるからね。


また手紙送るね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

文章 未定 @l_u

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ