第十八話 酔っ払い
お昼時だったので電車の中は空いていた。
双葉さんは少しソワソワした表情で電車に乗っていた。
俺は双葉さんの隣に座っていた。
俺たちは動物園に行くことにした。
なん駅かして酔っ払ったおじさんが電車に乗ってきた。
(こんな昼間まで飲んでいたのか…)
そんなことを思っていたらこちらに気づいたのかこちらに近づいてきた。
電車はガラガラだったのに双葉さんの隣に座ってきた。
すると俺に気づかないのか気づいていて言っているのかはわからないが酔っ払いは
「お嬢ちゃん、可愛いね。何歳?」
そんなふうに声をかけている
双葉さんは戸惑いを見せながらも顔には出ていなかった。
「お嬢ちゃん、高校生だよね?高校生がサボってどこか行こうとしてるのかな?悪い子だね」
と、一方的に話していた。
俺が無視しとけと言ったのでそれを守ってくれていた。
「お嬢ちゃん、可愛いね名前なんていうの?」
といいながら双葉さんの太ももに手を乗せようとしてきた
そのときだった。
パシャ
俺はスマホのカメラで双葉さんの太ももに手を乗せようとしているところを写真で撮った。すると酔っ払いがこちらを見てきて驚いた。すると元々赤かった顔を更に赤くなって怒り始めた。
「あ?お前、なにやってんだ?」
俺はあくまで穏便に済ませるために
「痴漢をしようとしていたので証拠写真を撮っただけです」
すると、酔っ払いは怒り始めた
「あぁ?お前調子乗ってんのか?今すぐにその写真を消せ」
と俺のことを睨みつけていた。
「いいえ、消すことはできません」
そういい俺は立ち上がりドア付近にまで歩いた。酔っ払いは頭に血が上っているので双葉さんのことなんて無視をしてこちらに走ってきた。
俺はまず、一安心した。
まずは双葉さんの安全が第一のためこっちにきてくれてありがたかった。
酔っ払いは頭に血が上りやすいため挑発すればこちらにくるだろうと考えていたのでよかった。
俺はドアの前で振り向いた。
すると結構迫ってきた酔っ払いは驚いたように止まった。
「あんま舐めてると殴るぞ」
そんな脅迫をされた。
周りには人はいなかったが列車に乗っていた人たちが別の号車へ移っていった。
さすがにこんなに大事になってしまえば仕方ないことである。
そして酔っ払いはどんどん迫ってくる。しかし俺には秘策があった。
まもなく動物園駅〜動物園駅〜
そうなのだ、もう目的地に着くからなのだ
ここですぐに降りてしまうと少し考えたら双葉さんを追った方がいいと思ってしまうかもしれないので挑発をしとく
「酔っ払いさん、こっちにおいで」
更に赤い顔がもっと赤い顔になってドアが開いて俺が走ってにげると男は血相を変えてすごい速さで追いかけてくる。
俺は自称階段下り日本一なので階段を素早く降りて駅員のところに行く。
駅員と話してる暇もなさそうだったので駅員の背後に隠れた。
さすがに男も酔っ払っていたので階段ではスピードダウンになっていた。しかし階段から俺と駅員のゴタゴタが見えていたらしく階段を降りてすぐにこちらに走ってきた。
そして駅員が俺と話そうと俺のことをほぼ丸見えにした時酔っ払いが俺に殴りかかってきた。
しかし、さすがの酔っ払いもここまで走って酔ってしまったのか殴りかかる前に倒れてしまった。
駅員は何事かと思いながら応援を呼んでいた。
そして応援が駆けつけた後酔っ払いは奥の部屋のほうに連れて行かれた。
俺はここであんまり長居するのも良くないと思い、駅員に自分の住所と電話番号
今回あったことと証拠写真だけ提出して
双葉さんのところに行った。
双葉さんは疲れたような顔をしていた。
こんなことになるなんて自分も思っていなかったし、双葉さんもさすがに思っていなかっただろう。ただ双葉さんみたいな子はやっぱ変な人に絡まれてしまうんだな、。
と思いながら双葉さんに話しかけた。
「話は終わったよ」
そうすると双葉さんは疲れた表情を戻し
「お疲れ様。じゃあ、い、行こっか」
そして俺たちは動物園に行くのだった。
隣の席のあの子クラスメイトにはツンツンなのに何故か俺にはデレデレなんだが!? 椿 @umemiya1227
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