痴漢対策には「針」が一番いいと思う

埼京線といえば、古い埼玉県民にとっては、東京へ運んでくれる栄光への架け橋であった。


今は様々な路線が、我ら埼玉県民を東京へ運んでくれるようになったが、昔から埼京線といえば、痴漢最強線と言われるほど、痴漢被害が多い路線とされてきた。


2014年11月、30代の女性に痴漢行為を働いたとして平塚市の男が現行犯逮捕されたときも、「埼京線なら痴漢できると思った」と供述した。


今では防犯カメラや女性専用車両などの設置で減少傾向にあるというが、痴漢対策として私がもっともいいと思うのは、“針”だ。


痴漢は、必ずと言っていいほど手でおこなわれる。


なので女性は、電車に乗る際はすぐに取り出せるところに針を携帯しておいて、痴漢されたら、その手を刺してやればいい。


痴漢してくる男の手を振り払うのは怖いだろうし、触れたくもないはず。


注意するのも勇気がいるし、混雑していると態勢も変えにくい。


針なら刺しやすいのではないか。


毒でも塗ってない限り、針を手に刺して死に至らせることはない。


これは、女性を守るためのアイデアであるが、男性を守るための案でもある。


一番怖い思いをするのは当然女性だが、ただ近くにいただけで痴漢犯と間違われるかもしれないその他多くの男性陣にとっても、満員電車は恐怖だ。


実話を基にした映画『それでも僕はやってない』を観れば、誰もがそう感じる。


私の友人は、電車に乗る際常に両手を上げて乗車しているという。


公務員なので疑いがかかっただけでも終わりだから、と彼は言っていたが、公務員でなくても痴漢冤罪は怖い。


針対策が良いのは、こういった冤罪を防げるところにもある。現行犯逮捕できた際、針で刺された跡があれば、言い逃れはできない。


以前、痴漢スタンプというのがあったが、これだと容易に無関係の人を痴漢犯に仕立てあげることができてしまう。


押すことに抵抗がないし、混雑時だと押された方も気づきにくい。


針はそうはいかない。


刺されれば必ずわかるし、女性の身体に触れようとしていない手にいきなり針を刺すのは難しい。


できなくはないだろうが、スタンプよりは冤罪が起きにくいのではないか。


100%対処できる案があればとっくに施行されているはずで、この針対策も、決して完全ではない。


例え針でも、人に刺すのは怖いと感じる人もいるだろうし、そもそもポケットに針を入れておくのも難しい。


一番いいのは、痴漢対策グッズとしてどこかが作って販売すればいい。


理想的なのはシャーペンのような作り。カチッとどこかを押すと針が出てくる。それなら携帯しやすいし、刺しやすい。


それでも、痴漢にあったみんながみんな針を相手に刺せるとは限らないが、「みんながみんな針を携帯している」という認識を根付かせるだけでも、抑止力になると思う。


痴漢をしようと思っても、いつ針で刺されるか分からない。そして、刺されたら痛いだけでなく証拠も残る。その恐怖が抑止力になる。


それでもやる奴はやるだろう。


しかし、冤罪を生む確率を抑えながら痴漢犯罪を軽減させられる抑止力になる一番の方法は針ではないだろうか。


ちょっと暴力的な案だが、痴漢も暴力のわけで、スマートに解決できる案がない限り、これが一番いい方法だと結構真面目に思うのだけれど、どうだろう。

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8割の流儀 鷺谷政明 @sagitani_m

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