第118話
国王に勝利したからだろうか。
国づくりができるようになった。
国づくりとは温泉を作ったり、女の子の仲間を増やしたり、ほかの種族の仲間を増やしたり、建築物を建てたり、おいしいリンゴを収穫したり、お米を収穫したりすることである。
野菜の収穫もできるらしい。
今度は何をやろうか。
酒でもつくるか。
そして城の中に宿屋を新たに作ったり、武器屋を新たに作ったりすることもできるらしい。
いろいろなものが城の中に増えていく。
これは国づくりといってもいいだろう。
その分ほかの場所にいって、新たな仲間を増やしに行かないといけない。
今まで出会った人たちに声をかけ、城を大きくしていくための努力をしていく時期に入ったのかもしれない。
俺はただのおっさんとして今まで生きていくつもりだったが、これからはただのおっさんとしてではなく、この城を大きくしていく一員として、活躍していく時が来たのかもしれない。
これからは大変だな。
魔王にまでなってしまったし。
魔王になったら配下にギフトを与えることができるようになったし、城とかも大きくするための力を手に入れたりはしないのだろうか。
俺は今までは冒険者としてクエストをし、お金を稼ぎ、うまい酒を飲み、うまい食い物を食ってただ生活をしてきた。
だが今回の戦争では一国を手に入れてしまった。
魔王になってしまったし、このまま普通のおっさんでいていいのだろうか。
魔王として国に君臨し、一つの国の長としてほかの国と戦っていく。
という時期にさしかかっているのかもしれない。
なんでこんなことになったんだろうな。
やはり異世界召喚されて城から追放されたのが悪いのだろうか。
もっと優秀であったのなら、また違った未来もあったのだろうか。
といっても、今はそれなりに優秀に、最強へと近くなったつもりだけれど。
考えても仕方のないことを考えるのはやめよう。
今はやりなれていないことをやる以上、うまくできるかはわからないからな。
前国王のやっていたことを引き継ぎ、そこそこにやれればいいのではないだろうか。
大賢者、この世界ってどうなっているんだ?
この世界は獣人、魔人、エルフ、ドワーフ、人間、犬人、猫人、狼人などの種族によって構成されている世界です。
国は八つの国に分かれています。
昔は一つの国だったのですが、大戦争が起こったせいで、国は一つから八つに分かれました。
それから国同士の小競り合いが続き、今につながります。
ふーん。
アークスライムって魔王らしいけれど、魔王っていうのは一人なのか?
魔王というのは八人います。
八人もいるの!?
大賢者の話によると、魔王というのは八人もいるらしい。
多すぎだろう。
そんなに魔王がいたら、倒すのに時間がかかりすぎる。
それともすべての魔王と敵対はせず、仲良くやっていく方法もあるのだろうか。
国王の話では魔王を倒せば、元の世界に戻れるという話だったけれど、本当に魔王を倒せば元の世界に戻ることができるんだろうな。
一応、大賢者に聞いておくか。
イエス。
すべての魔王との戦いが終われば、仲間になった魔王との戦争はする必要はないのですが、主様は元の世界に戻ることができます。
そうなのか。
よかった。
元の世界に戻ることができて。
魔王のほかに異世界勇者なんていうものもいるらしいし、この世界は俺が思っているよりも強いものがいるらしい。
そんな奴らに出会ってみたいものだ。
出会って、一戦まじえてみたいものだ。
「つうか、魔王ってのは八人もいるのか……多いな。そしてそれを全員かはわからないけど、敵対したものだけでも倒すってのは、なかなかきついな。倒すのにどれだけ時間がかかるんだろうな。考えただけでも疲れる」
というオレ。
戦略ゲームくらいの感覚なら、八つの国にいる、八人の魔王を倒すことくらいのことはそんなに大変ではない。
敵国に八回ほど戦争を仕掛ければいいだけなのだから。
「まあ今は魔王を倒すための準備かなあ……国づくりかなあ……国づくりって何をすればいいんだろうか。人集めかあ。それとも建物を建てたり、温泉を作ったりかなああ。何からやればいいんだろ」
兵力を上げればいいんだろうか。
優秀な奴を仲間にすればいいのだろうか。
お金を増やしていけばいいのだろうか。
人を増やしていくと、できることは増えていくのだろうか。
ほかの国と同盟を結べばいいのだろうか。
まあやることが多すぎて何からやればいいかわからない。
俺はとりあえずみんなに声をかけていくことにした。
「なあ、城の復興をしたいんだけど、みんな、城に集まってくれないか?」
「城に?」
「ああ。今回の戦争で多大なる被害が出たからな。復興が終わるまでは、俺も城の復興に力を貸してやりたいと思って。ほかの国とのことだってあるから、一概に何からやればいいのかはわからないけど、とりあえず、ちょっとやってみようかと思ってさ」
「もう、あの城にはほとんどの人がいないですもんね」
「わたし、力を貸します、おっさん」
「わたしも何かやれることがあったら、お手伝いさせていただきます」
というグレアとユイカとミリカ。
「俺にも何か手伝わせろ」
というのはノスカー。
「俺もクエスト関連であれば、いくらでも手伝うことはできるぜ」
というのはゾーイ。
「俺はお仕事関連ならいくらでも依頼を受けるぜ」
と言ってくれるのはトール。
「ありがとう」
「モンスターの解体なら俺がやってやるぜ」
というのはロカ。
「おう」
というのはおうしか話さない鍛冶屋のおっさんドレイク。
みんなの協力のおかげで、このまま城の復興が進みそうである。
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