第110話
幼女のミコトの光属性の攻撃も、アークスライムにはほとんどダメージを与えることはできなかった。
「きゅううううう」
「!」
幼女のミコトは言った。
「えっ? きいていない?」
「きゅうう」
アークスライムは水属性の攻撃で兵士、兵長を攻撃する。
兵士、兵長をまるのみするアークスライム。
幼女のミコトまでまるのみしようとするが、それをなんとかかわすのは幼女のミコト。
紅蓮の炎との戦いで、アヤノ、ショウヘイ、女子高生のミコトのヒットポイントが減少している。
アヤノ、ショウヘイ、女子高生のミコトのヒットポイントが赤い色の状態にまで減少している。
あまりにヒットポイントが減少しているので、たまらずにショウヘイは言った。
「アヤノ、ミコト、撤退するぞ。今のオレたちではまだ紅蓮の炎は倒せない。このままでは全員がやられてしまう。全員がやられるよりは、撤退する」
というショウヘイ。
ヒットポイントが全員赤いゲージになっているので、女子高生のミコトもうなずいていた。
「そうだね。これ以上戦ったら、みんな死んでしまう」
という女子高生のミコト。
「なら、撤退するよ」
というのはアヤノ。
全員が撤退をしようと考えていたのに、幼女のミコトだけは言った。
「そうですね。でもそのまえに、このすらいむだけはたおしておきましょう。このすらいむはやっかいなすらいむです。つぎのたたかいにもまたこのすらいむがいたら、たたかいのひぶたのきっかけになるとおもいます」
「やめておけ」
「でも……」
という幼女のミコト。
「これ以上のけが人を出すわけにはいかない。ほかの兵士たちは知らんが、とりあえず俺たちだけでも撤退する」
「……わかりました。では、てったいをしましょう」
異世界召喚者たちが撤退をしていく。
「まて、待つんだ、異世界召喚者たち。勝手に帰るな。まて、まてえええええ」
というのは兵士。
だが異世界召喚者たちはさっさと撤退していった。
兵士は言った。
「くそっ、俺たちだけでも奴らを討伐するぞ」
「なんでこんなことに……絶対に負けるはずのない戦いだったのに」
「村人なんて、ただの弱い奴らだと思っていたのに……」
「あのスライムはなんなんだ。あのスライム、最弱のはずなのに……強すぎる」
異世界召喚者が撤退したせいで、戦闘の流れは激変していた。
紅蓮の炎の相手をしていた異世界召喚者がいなくなったせいだろう。
紅蓮の炎のメンバー、ノスカー、ゾーイが兵士、兵長と戦い始めたからだろうか。
兵士、兵長の動きが異世界召喚者がいなくなるまでは勢いがよかったのだが、今ではその勢いは止まり始めている。
互角の戦いになるどころか、全然戦闘の相手にすらなっていない。
アークスライムの攻撃によって、兵士、兵長の姿はこの世から消えていた。
兵士、兵長の残り一体の数がこの世から消えるかというその瞬間、それを邪魔するように、そのせんとうを今から止めるかのように、閃光が二人の間に落ちてくる。
それはこの戦争を止めるためにやってきたかのような攻撃であった。
「なんだ?」
「!」
「!」
「!」
「!」
「!」
そしてその光の中から、閃光の中から、ひとりの冒険者が出てくる。
砂煙の中から一人の冒険者の姿が出てきた。
それは誰だろうか。
全身鎧を装備している、顔には仮面をかぶっているせいで、その顔はよく見えない。
だがその体つきは男のものではなく、女のものだろうか。
仮面をかぶっているため、その女の年齢まではわからない。
その女が若いのか、若くないのかもよくわからない。
髪は長髪なので、おそらく女なのだろう。
「!」
「!」
「!」
「!」
「!」
仮面をかぶっている女の冒険者がそこに立っている。
女は圧倒的な存在だった。
「魔王か。お前だけはこれからの戦闘のために、消しておく必要がある」
と、仮面の女は言った。
このアークスライムは魔王なのだろうか。
アークスライムは魔王なのかどうかはわからないが、
「きゅうううううう」
と、かわいらしい声でないていた。
仮面の女LV255
そこにはありえない数字が並んでいた。
レベルが三桁をこえた、ありえないレベルの持ち主がそこにはいた。
仮面の女はほかのメンバーを見知っているのか、少し懐かしそうなめをして、周りのメンバーを見つめていた。
アークスライムも化け物だが、アークスライムと同等の化け物がそこにはいた。
アークスライムは仮面の女を見て、
「きゅうううう」
と、かわいらしい声で鳴いた。
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