第88話

 地下迷宮95階層。

 あともう少しで地下迷宮の探索も終わりである。

 地下迷宮は100階層までだ。

 あとは地下迷宮100階層に何かいればいいのだけれど。

 地下迷宮の100階層には何かいないのだろうか。

 それはお姫様だったり、ドラゴンだったり、そういった何かはいないのだろうか。

 いるといいなあ。

 オレはそんなことを思いながら、オレは地下迷宮95階層を進んでいた。


 ベヒモスLV123

 グリーンドラゴンLV82

 グリーンドラゴンLV83

 グリーンドラゴンLv84


 レベル三桁のモンスターは、魔物の肉を食べていなかったら倒すことはできなかっただろう。

 オレはオークディザスターの肉を食べて、ベヒモスの肉を食べて、ミノタウロスの肉を食べて強くなった。

 敵がどれだけ強くなろうとも、ダンジョンの敵が奥に進むにつれて強くなろうとも、オレのレベルもまたモンスターのレベルと同じように、いやモンスターのレベル以上に上がっていくのである。

 後ろをついてくるアレク、サック、エレンの三人はといえば、オレが強くなったからといって余裕を持ってダンジョンを進んでいるのではなく、自分たちはこの階層では最弱だからと、自分たちは弱いからと、周りをきょろきょろと見て、モンスターが現れないでくれよとびびりながら、こっちに頼みから近づいてこないでくれよとびびりながらと、ダンジョンを進んでいる。

 ダンジョンというものは、まあ魔の森もそうなのだが、基本的には出現しているモンスターに一定距離近づかなければ、戦闘にはならない。

 まあ例外はあるのだが、それは相手がボスモンスター級でこちらに向かって強襲を仕掛けてくる特殊なモンスターだけである。

 さて、96階層、97階層、98階層と進んできた。

 そして99階層まで進んできた。

 あと少し。

 あと少しでダンジョンが攻略し終わる。

 地下迷宮100階層までもうすぐだ。

 99階層の階段の前には、それを阻むように大きな扉があった。

 オレたちの背よりもはるかに大きな扉。

 そしてその大きな扉の前には二体のモンスターがいる。

 ベヒモスLV142とミノタウロスLV144がいる。

 どうやらこの二体のモンスターを倒さないと先には進めないらしい。

「厄介なモンスターが二体もいるわね」

 というのはエルマ。

「おっきなモンスターですね」

 というのはグレア。

「うわあ。ベヒモスとミノタウロスかよ」

「このダンジョンはどうなっていやがる。よくこんなモンスターを倒せるものだな」

「みんなー、頑張れー。モンスターを倒せー」

 と後ろから言うのはアレク、エレン、サックの三人。

 オレたちは三人はベヒモスとミノタウロスに向かっていった。

「ふんっ」

 中指と人差し指をくいっと上に上げる動作をする。

 それだけで風の刃がベヒモスに襲い掛かる。

「サンダーボルト」

「サンダーボルト」

「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 ベヒモスの反撃である。

 ベヒモスは突進を仕掛けてきた。

 オレはベヒモスの角をつかみ、ベヒモスの身体を壁にたたきつける。

 と、何度もベヒモスの身体を壁にたたきつける。

「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 何度もベヒモスの身体を壁にたたきつけていたら、ベヒモスの角が折れた。

 オレはベヒモスの角を手に入れた。

 これは武器の強化のときに使うかもしれないな。

 アイテムボックスにしまっておくか。

 そして地面に倒れているベヒモスを見ると、ベヒモスはもう息絶えていた。

 残りはもう一体か。

 ミノタウロスだ。

 ミノタウロスはその大斧で攻撃を仕掛けてくる。

 ミノタウロスの大斧を受け止めるのはオレ。

「ふんっ」

 その右手に力を入れるだけで、ばきっという音が大斧からして、その大斧がぶっ壊れた。

 オレは大斧を地面に投げ捨てると、言った。

「ふんっ」

 中指と人差し指をくいっと上に動かすと、それだけで風がふく。

 その風はミノタウロスに襲い掛かった。

「サンダーボルト」

「サンダーボルトっ」

 三人の攻撃でミノタウロスを討伐した。

「よし。先に進むぞ」

 オレたちは大きな門の扉を無理やりこじ開けて、その先にある階段まで進む。

 どうやらこれでダンジョン攻略も終わりだろう。

 目の前には、地下迷宮100階層へとつながる階段があった。

 オレたちはその階段を下りていった。

 一体何がオレたちのことを待ち構えているのか、そんなことを考えながら。

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